美術には疎いけど
2023/02/18 11:34
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
そんなことは気にならず、楽しく読めた。
登場の仕方が唐突だったけど、それもアリかな。
最後の終わり方によらず、続きがあるということで、そちらも楽しみ。
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本屋さんで平積みされていたので、何となく買ってみた本。だったのですが、ワタクシ的当た~り~♪♪どんどんぱふぱふ♪♪
どのへんが気に入ったのかな?と考えてみて出た結論は、
登場人物とお話の関係が、物凄く優しいからではないかな?と思うのです。
ずばずば物を言うくせに、肝心なところはやんわりとしている、とても関西人ちっくな優しさです。
大事なところをズバッと指摘してくれる関東人的優しさがお好みの方には、「はっきりしろってんだい!」と思われるかもしれません。
主人公の短大美術講師の佐々木氏と、相方の美術コンサルタント神永氏。
という二人の周りで発生する、鑑定と無理難題を解く。という、美術話込みの推理小説。
お話の内容的には、美術に興味のない人には全く興味が湧かないかも…と思われます。
実際、当たりだったとはっきり書いちゃったワタクシですが、内容を全く覚えていません。
専門的過ぎて難しい以前の、分かりません状態です…。
ただし、文章やお話が柔らかく優しいので、完読は難しくありません。
自分にないジャンルの本に興味のある方や、新しい本を読んでみたい方は、お手に取ってみてはいかがでしょうか。
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先に続編を購入していたのでこの作品の
文庫化は嬉しい。
美術探偵と名うっての作品だけあってかなり
美術家達の名前などがバンバン挙っており、少々
知識のない人間が読んだ場合にその理解度は難解か?
変則的なワトソン役の視点で語られる短編連作の
スタイルは効果的で、全編魅力のあるストーリーと
謎が興味を惹き、美術に詳しくない自分のような人間でも
単純にミステリとして面白く読めます。長編だと恐らく
美術面でのミステリ展開に着いていけなくなりそうだもの。
記憶が曖昧ですが「ギャラリー・フェイク」とか
「写楽殺人事件」を読んだ時のような自分が未知なるもの
に対するワクワクする興味を起させてくれます。今まで
読んだ門井作品の中では一番。
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仰々しいタイトルのわりには普通。良い意味で。
本業が心配になるくらい間抜けな講師に、茶目っけのあるクールな天才。
二人を中心に温かい雰囲気があって、美術のことよく知らなくても読みやすくて、映像が浮かぶ感じがした。
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美術品の真贋を「舌」で感じ分けることのできる得意な体質を持った神永美有と、短大の美術講師の佐々木昭友が挑む美術品鑑定ミステリー。
文庫の帯には二人のことを「最強コンビ」と表していますが、神永が天才で佐々木は道化役という感じでした。
読み物としてはとても面白かったのですが、読者が推理できる要素がほとんどないので、ミステリーとしては成り立ってないですね。全部、「ふーん」で終わってしまう感じ。「へ~」を楽しむという読み方ならお勧めです。
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美術史の助教授・佐々木は、本物を見ると舌に甘みを感じるという天才鑑定家の青年・神永美有に出会う。
ボッティチェッリの知られざる絵画「秋」を見て欲しいという画商の依頼で訪れた館には、初代館主の子爵が大正時代に東ヨーロッパで買い付けたという絵が壁にはめ込まれていた。
確かに名品だったが、さすがにボッティチェッリとは断定しかねて…?
なぜか神永は本物と断じて買い取ろうとしているらしい。
その理由とは?
画学生の実家にある蔵から出てきた古地図は、値打ちがあるものか?
仏ねはん図の不自然なポーズの意味は?
蒐集家だった佐々木の祖母が遺言に残した謎は?
佐々木が畏敬の念を抱いていた美術書専門の古書店主が、神永の父親と知り、羨ましく思う佐々木。
だが佐々木も祖母が蒐集家という家系なんですね。
アール・ヌーヴォーのガラス器などに財産をつぎ込み、二人の娘のうち謎を解いたほうに、見る目があって末永く大事にしてくれそうだからという意味で、全財産を譲る。どちらも正解したら折半という遺言。
佐々木の母は入院中で、いきりたつ伯母と対決するのに、佐々木は神永の力も借りることに。
有名な絵画や美しい物が出てきて、楽しい。
詳しい事情はひたすら感心して読むしかないが…
才能を認め、信頼を増していく関係。
登場人物たちそれぞれの過去への思いや、張り合いつつ謎解きに夢中になる気分、心配りゆえの嘘。やがて訪れる変化の時。
気分良く読み進められました。
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味覚として美術品の真贋が分かるという美術探偵・神永美有。設定と名前に胡散臭さを感じながらも、検証の仕方が面白くて一気読みしました。表題作で佐々木が言うように、ものの美しさに絶対的な基準があるわけでもない。歴史的、文化的な価値はともかく、美しさの価値なんて個人がどう捉えるかの問題でしょう。実証が必要で、かつ美術には門外漢が読むミステリとして成立させるには、やっぱり事実の積み重ねなんですね。この描き方が巨匠のタッチに似ている、ではなく、使われている技術や知識が生まれたのがいつで、描かれた時期と矛盾はないか。社会的背景はどんなものがあったか。その他絵の具の組成や上塗りの有無なども交え、うまく「レンガを積んで」います。そして独特な暗喩や古風な言葉遣いが、この作品の現実離れした雰囲気を引き立てているように思います。正直誰の言葉か分からなかったり、唐突すぎて何の話かと思ったりと、文章としては首をひねるところも多いですが、あえて読み方に拘ってルビをふるあたりにこだわりを感じます。「遺言の色」の佐々木
の感傷や決意に涙を誘われましたが…シリーズ続くんかいっ!いえ、嬉しいんですけどね。
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舌で美術品の真贋を見抜くという超能力を持つ神永を探偵役とした美術ミステリー。
美術のうんちくがたっぷりで、素人のわたしは分からないながらも楽しめました。
物の真贋だけに留まらず、その背景に人間ドラマもあり、驚きの真相の連続です。
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絵画や美術品を題材にしたミステリ短編集。
作品を見ることができなくても、文章で想像させられる力はすごい。
キャラはもっと個性が強くても良い気がする。
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美術史や美術品にまつわる謎を解いていく推理小説。
その深さや関連つけの見事さに思わず引き込まれます。
美術史の勉強しようかなって思ってしまいます。
続編も楽しみです。
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美術ミステリー。
美術史はもちろん、技法手法も知っているともっと、面白いんだろうな。
それでも十分に楽しめる一冊。
切り口が斬新。
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本屋に平積みにされていなければ手に取らなかった。
借りて読んだ方がよかった。美術に関するネタはとても分かり易く、そこまで詳しくなくてもオチに納得できる。
ただ、虹の話はもっとひねりがほしかった。
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美術品を扱う五つの短編集。
ストレスを感じさせない良作。
誠実な学者先生と誰よりも先を見通す天才という、典型的なホームズ&ワトソンコンビ。が、趣は少し異なる。
本作の探偵役はホームズポジションとしては珍しいくらい、不遜でも変人でも嫌味でもない。口調は丁寧だけど紳士然とし過ぎているわけでもない。なんというか控え目。必要最低限のお手伝い。
代わってワトソン役がよく働く。(語り手なのだからワトソン目線で話が動くのは当然として)ここでいう「働く」というのは読者に対する蘊蓄披露という意味。優秀なワトソン。
ただ、私が見逃しているだけなのか、二人の年齢設定がよくわからず人物像をイメージしにくい。
蘊蓄もよかった。ぜひ続刊も読もう。
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読んでいて賢くなった気がする小説をたまに読みたくなります、そんな時に読みました。
そういう目的としてはちょっとむずかしすぎました、もう少し本書に出てくる芸術などに関する知識があればもっと楽しめたのかもしれません。
たまに描写される、友人関係や親子関係など人間模様も有り、決して主要テーマではないにせよ心温まる話ではあると感じ、おかげで小難しい話は殆どわからないながらも楽しんで読めた。
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美術品の真贋を眼力ではなく舌で見わけるという天才美術探偵・神永美有が、ボッティチェッリやフェルメールなどの泰西名画から正倉院宝物まで、様々な美術品にまつわる謎を快刀乱麻を断つかのごとく解き明かしていく。
美術探偵・神永が、ちょっとまぬけで人の好い美大講師・佐々木をお供に、美術品の真贋を味覚で判定するという美術ミステリーの連作短編集。
この作品では、美術品の価値の高低は真贋や芸術的な優劣という基準だけではなく、歴史的な研究対象としての価値であったり個人的な思い入れのある特別な品であったりという様々なアプローチで、美術品の魅力に迫っていきます。
単に美術品の鑑定での謎を解いていくだけに収まらず、その品に関わった人たちのさまざまな思いや心の動きが明らかになっていき、視点を変えると見事に一転した真実が見えてきて思わずカタルシスを憶えるという、素晴らしい構成になっています。
ホームズ役の神永とワトソン役の佐々木のコンビの推理合戦も楽しいわ、知的好奇心も刺激されるわ二転三転する構成も楽しいわで、文句のつけようの無いほど面白かった!
悪い人が一人も出てこないというのも読みやすい一因だと思いました。
ラストもいいんですよねー。
頼りないと思ってた佐々木の成長ぶりがグッときます。
鮮やかな謎解きと美術の世界の奥深さが味わえる、贅沢な一冊でした。