トルストイ民話集 イワンのばか 他八篇
著者 中村白葉訳
ここに収められた「イワンのばかとそのふたりの兄弟」をはじめ九篇の民話には,愛すべきロシアの大地のにおいがする.そして民話の素朴な美しさの中に,厳しい試練に耐えぬいたトルス...
トルストイ民話集 イワンのばか 他八篇
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
商品説明
ここに収められた「イワンのばかとそのふたりの兄弟」をはじめ九篇の民話には,愛すべきロシアの大地のにおいがする.そして民話の素朴な美しさの中に,厳しい試練に耐えぬいたトルストイの人生観・国家観・道徳観等その全思想の深みがのぞいている.ロマン・ロランはこの作品を「芸術以上の芸術」「永遠なるもの」と絶賛した.
目次
- 目 次
- イワンのばかとそのふたりの兄弟
- 小さい悪魔がパンきれのつぐないをした話
- 人にはどれほどの土地がいるか
- 鶏の卵ほどの穀物
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
小分け商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この商品の他ラインナップ
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
「愛」にあふれた素朴な民話集
2005/12/20 09:30
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
トルストイは晩年、このようなキリスト教の愛を描いた民話をいくつか書きました。ここにはその中から「イワンのばか」はじめ9編が収録されています。「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」などの重厚な長編とくらべると、ふわり、として凝縮した核があるといったまったく違った雰囲気がこれらの短編にはあります。民話集「人は何で生きるか」よりは宗教色は薄めで、素朴な民話色の強い作品が多いように思えます。「小さい悪魔がパン切れの償いをした話」は悪魔が仕返しをする話で、「鶏の卵ほどの穀物」は昔はそんなものもあったというちょっと荒唐無稽な感じもするお話、というように。民話として楽しむには「人は何で生きるか」よりもこちらの方がお勧めかもしれません。
表題作「イワンのばか」の主人公も神を信じてはいますが、「ばかなぐらい素朴」な方が幸福になる、という感じのお話です。お金は子どものおもちゃにしかならない。兵隊は歌を歌わせる人たちでしかない。攻めて来られても泣いているだけの人びと。壮年期に書かれた壮大な作品「戦争と平和」と、その後に書かれたこの作品とを並べ、トルストイの戦争への思いの変遷というのが感じられる、というのは想像がたくましすぎるでしょうか。それでも、そんなことも考えてみたくなるような民話集です。
まんが日本昔ばなし、です。
2019/07/07 11:19
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルどおり、戒めとして、肝に銘じながらスイスイ読み進めました。非常に読み易く、本当に『まんが日本昔ばなし』で映像を見るが如く各章を読みました。
本書のタイトルになっている『イワンのばか』にしても、他の作品にしても、しみじみと良い作品だと思います。
「人にはどれほどの土地がいるか」もおもしろい
2020/01/26 21:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「イワンのばか」に登場する末弟・イワンという男は、しばしばロシアの民話に描かれる純朴愚直な男らしいのだが、トルストイのこの民話調の話は、岩波文庫の解説によりと「その基底にこれといった特定の源泉を持たず、ただ、国民伝説の中にひろく普及しているイワンのばかとその狡猾な兄たちの像を、利用したにすぎない」彼のオリジナルだということだ。イワン王国の唯一つの掟「手にたこのある者は食卓につけ、そのないものは残り物を食え」という言葉には、のちの社会主義政権の考え方の礎が見て取れる。といっても、あの政権がたどった歴史はトルストイの非暴力主義とは全く真逆なものになってしまったが。あまりに欲をかきすぎたために最後に悲劇が訪れる「人にはどれほどの土地がいるか」もおもしろい
イワンのばか
2002/04/08 23:43
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ケイコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ロシアの文豪トルストイの民話です。どれもトルストイが子ども向けに書いたもので、彼の作品にしてはとても読みやすいものです。どの作品もトルストイらしい姿勢が感じられました。
読むのが楽しみです
2018/09/18 16:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:リョウ - この投稿者のレビュー一覧を見る
友人から「これ、面白いよ!」と勧められて、購入を決めました。
「岩波文庫」と聞くと、なんとなく敷居が高い?というか、身構えてしまいますが、友人の言葉を信じて読んでみようと思います。