丸山眞男の憂鬱
著者 橋爪 大三郎
戦後日本を代表する知識人・丸山眞男(1914-96年)は何に躓き、「憂鬱」に陥ったのか? 主著『日本政治思想史研究』(1952年)を読み解き、後年の論文「闇斎学と闇斎学派...
丸山眞男の憂鬱
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商品説明
戦後日本を代表する知識人・丸山眞男(1914-96年)は何に躓き、「憂鬱」に陥ったのか? 主著『日本政治思想史研究』(1952年)を読み解き、後年の論文「闇斎学と闇斎学派」(1980年)と山本七平(1921-91年)の『現人神の創作者たち』(1983年)を併置・対照することを通して、日本の近代化に潜む真実を明らかにする。これまで誰もなしえなかった不可欠の試みを実行する画期の書!
目次
- 序 章
- 第2章 『日本政治思想史研究』を読む
- 第3章 『日本政治思想史研究』を批判する
- 第4章 「闇斎学と闇斎学派」を読む
- 第5章 『現人神の創作者たち』を読む
- 第6章 丸山眞男と山本七平
- 第7章 丸山眞男の憂鬱
- 文 献
- あとがき
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日本の思想史を真摯にたどる、丸山への建設的な批判
2021/07/11 15:49
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投稿者:y0a - この投稿者のレビュー一覧を見る
英語タイトルが「丸山眞男と山本七平」なのだが、全体に丸山の仕事を批判的に後世(というか今の我々)につなぐ作品。対比される相手は山本だ。
本書の結論としては、山本七平の指摘したことの方が包括的には正しいけれど、丸山の仕事もそれはそれで重要だったということ。丸山がなぜ、学問的に偏りを持ってしまったのか、その状況と理由も説明されているので、非常に納得が行く。
そして、こちらが本題なのだけれど、江戸時代の思想的営みがどのように行われ、それが後々、皇国史観や天皇主義にどんな影響を与えたのか、きちんと見据えるための振り返りなのであった。
物知りでないと書けない本だと思うけど、一章一章読んでいけば分かるように構成されていて、とても親切な気がした。漢文はつらいけど。
明治維新と大東亜戦争敗北で、あたかも日本の思想史がブツリとちぎれ、単に新しい思想が上書きされたような印象をどこかで自分も持っていたような気がするけれど、そうではないと橋爪氏は言いたいのだろう。
そして、そのミッシングリンク(に見えるもの)を探して、きちんと振り返らないと何度でも同じ過ちをたどってしまう、そういうメッセージとして、自分としてはとりあえずは読み、納得することができた。