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大江山幻鬼行
著者 加門 七海
骨董店で手に入れた京都・大江山の鬼の文鎮。その直後、友人から蝶の上に角を生やした鬼が乗っている写真を見せられた。「揚羽蝶ってね、別名“鬼車”って言うんだって」鬼の乗る車?...
大江山幻鬼行
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商品説明
骨董店で手に入れた京都・大江山の鬼の文鎮。その直後、友人から蝶の上に角を生やした鬼が乗っている写真を見せられた。「揚羽蝶ってね、別名“鬼車”って言うんだって」鬼の乗る車? この写真は合成なのか、それとも…。撮影場所はなんと大江山近くと聞いて、私はさらに驚愕した。矢も楯もたまらず旅に出たわたしを、摩訶不思議な出来事が待ち受けていた。
●加門七海(かもん・ななみ)
東京都生まれ。オカルト・風水・民俗学などに造詣が深く、怪談、エッセイ、フィールドワーク作品などを著す。最新刊は『お咒い日和 その解説と実際』(KADOKAWA)。小説に『目嚢』『祝山』『鳥辺野にて』など、エッセイ『猫怪々』『霊能動物館』『墨東地霊散歩』など多数。
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これは酷いモキュメンタリー
2023/01/27 23:45
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投稿者:ワシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
職業作家、いや一般の勤め人でも仕事をしていれば必ずぶち当たる壁「ネタがない!!」ならばそのネタ切れをネタにしてしまえという安直すぎる取っかかりだ。
取りあえず著者は大江山に向かうが、酒呑童子の名を聞いて勘が働く人ならともかく、酒呑童子その人と諸伝説をばっさり省略して、読者が知っている前提でなにもかもが進む。果たして読者とコミュニケーションを取る気があるのか…。
確かに成田氏の手によるブロンズ像は秀逸だけれど大人の事情で妙に台座が高い。ブロンズ像はそれ自体が何千万円もするので、ふるさと創成一億円の事業ではブロンズ像が建てられないよう全高規制が入った。それでも台座を高くしてまで像を建てた。バブル期の悪政をスルーして欲しくない。
古代の日本史に於いて、土着の民や古来から住まう神々は歴史の上では敗者である。鬼だの土蜘蛛だの国津神と蔑れ様々な凶事の原因ともされた。本書の目的に、その敗残した側にも光を当てようとしていたはずだが認知症のようにキレイに失念して伝承や故事のうんちく語りが始まる。けれど途中からは著者の行動を中心に随筆ガ書かれていて、散漫でまとまりがない。
全体を見返すと、随筆としては中途半端、怪談や怪異譚としては弱いし、かといって酒呑童子を中心に据えている訳でもない。なにを書きたいのか構成が謎すぎる。(酒呑童子に関しては、他に良作がいくつも存在するのでそちらを読めということか?)
脈絡なく地震や荒天に遭ったからと酒呑童子にコジツケたりもするが、いくつくかは記録から確認できるものの、本書の経緯となんの関係も見られず本当にコジツケだから始末が悪い。酒呑童子に関する説明は手垢にまみれていると逃げて、酒呑童子への思いだけを書くとはとんでもないガッカリ。