紙の本
大阪のみなさんはもちろん、他府県のかたもぜひお手に取ってみてください!
2018/05/18 13:41
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投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
大阪南部を走る路面電車、通称・阪堺電車。なかでも現役最古のモ161形177号は、大阪の街を85年間見つめつづけてきた―電車で働く人々、沿線住人が遭遇した事件を描く連作短篇。昭和から平成へ、大阪の変遷を見守ってきた路面電車と、そこに関わる人々の人情味あふれる物語を紡ぐ。どれも時代ごとの世相を映していて面白い。
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おもろい、めちゃくちゃおもろい小説でした
2017/12/05 15:41
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投稿者:hamachan1919 - この投稿者のレビュー一覧を見る
安立町からよう乗っていたころのことを思い出して、感慨にふけさせれ作品でした。ロケーションを知り尽くしているので、親近感を持って読めました。この間久しぶりに堺まで阪堺電車に乗りましたが、100番台の電車を我孫子道の車庫で見たときは微笑ましくなりました。なんか続編を期待したいですね。
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胸が熱く
2022/10/30 20:25
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
昭和の初めから平成の終わり近くまで、85年に渡り活躍した路面電車。空襲の日も終戦の日も走り続け、バブルやその崩壊も見つめ、静かに引退する時に職員さん達が敬礼する場面で胸が熱くなりました。電車に乗る人々の悲喜こもごもを描き、悲しいこともありましたがユーモア溢れる大阪弁が心地よく、自分も路面電車に乗っているかのように楽しめました。とても良かったです。
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よくできたコージーミステリ
2018/10/18 13:15
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投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
初見の作家さんです。
本作品で第6回大阪ほんま本大賞を受賞されています。
阪堺電気軌道、通称阪堺電車。もっと地元の子供にも馴染む呼び方はチンチン電車。
私も子供の頃からよく利用させてもらっていたので、思わず手に取りました。
昭和8年(1933年)から平成29年(2017年)までの85年間にモ一六一型電車の177
号に関わった人たちの日常の謎を扱った連作短編集です。
私には出てくる町名も馴染み深いですし、その時代ごとの出来事も私自身の経験とも
被さるので、それこそ懐かしい思いで読んでおりました。
物語自体もしっかりとしたコージーミステリになっているので、阪堺電車に縁がない
人が読んでも十分楽しめる作品だと思います。
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住吉さん行くのに乗る電車です。
昭和8年から平成29年までを短編で繋いでいます。
えらいコテコテの大阪弁やなぁと思いながらよみはじめましたが、ほのぼのとした中でちょっとした事件も起こり、とても面白かったです。
読んでたら急にちく満そば食べたくなりました。
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関西の人、いや大阪人であっても梅田起点文化圏の人には、存在程度走っていても今一つメジャーじゃない、阪堺のチン電。その電鉄会社の中で85年間一線で走り続けた車両を擬人化して、沿線に関わる風景を短編小説とした作品集。
俺自身は梅田文化圏よりなんだけど、妻がばっちりチン電文化圏に生息しているんで、結婚してからは、この辺も詳しくなり、しっかり楽しませて頂きました。
そういう生い立ちの小説だから…いや、それ以上の部分で、ストーリーも思わせる趣旨も、伏線の張り方も、クライマックスも、時代選択も、あらゆる部分がローカルである。
例えれば関西ローカル時代の、上岡龍太郎が吼えまくってた時のナイトスクープ的なマニアックさ。
このマニアっくなローカルっぽさが、好きならきっとたまらんだろうと思うし、嫌いな人にはちょっと臭いんじゃないかなぁ。(俺は好き)
NHKBSで関西のみ、もしくはテレビ大阪でドラマ化してくれたら、きっと面白いと思う…いや、ラジオドラマの方がエエかもなぁ、NHK大阪かOBCで!
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第一章二階の手ぬぐい。中々一筋縄でいかない構成にしている。質屋の二階につるされたタオルをめぐる推理。どんでん返しではなくいわゆるオチの妙。最後の落とし方が必要だったかな、あるいは弱すぎる。
第二章防空壕に入らない女。文字通り防空壕に入らない女の話。最後の落ちが今一不自然というか、思わせぶり。未完成を感じる。第三章財布とコロッケ。ほのぼのとした話。しかし少し無理があるかな。第四章二十五年目の再開、第二章の続きになる、なるほど面白い構成だ。第五章宴の終わりは幽霊電車、詐欺師をとっちめる話第六章鉄っちゃんとパパラッチのポルカ、マンションに張り込んでいた記者にまつわる騒動。エピローグ。この小説書きおろし小説だ。各章を読んでも一応のオチがあるが、全体の章が阪堺電車177号を中心としてつながりがあり、最後のエピローグでその種明かしめいたものを再度書いてある。構成としては面白いが回りくどく今一わかりにくい。わざわざ阪堺電車を持ってきた意味が、しかも阪堺電車を擬人化までして作り上げる必要があったのだろうか?構成オチがいまいち成功していないのかなあ?各章の落ちも少し強引すぎたので、もう少し書き方があったのではと、批評家気分で思ったのだが、軽く読み切るには面白い小説ではある。
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85年の歴史の中の連作。
それぞれの人生がつながるので、とても面白い。
電車のことも詳しく書いてあるので、そちらも興味深く読めました。
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阪堺電車の沿線に住んでいるので手に取りました。日本で最も古い現役路面電車の語る大阪下町プチミステリー。なじみのある土地が舞台なのて楽しめました。
連作形式だけど、伏線が張ってあるわけでもなかったのが惜しい気がしました。最後に膝を打つ感じが欲しかった、というのは贅沢?
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大阪から堺へかけて走っていた路面電車、阪堺電車の周辺で起きた市井の人々の心温まる物語による短編集。戦前から現代へ、物語と電車が世代を繋いでいく構成は、現代史・地域史として、とても面白く、小学校の教材によいのでは、と思う。こういうストーリーテリングによる教材の方が、興味深く知ってくれるだろう。
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うわっ、電車がしゃべってる。「きかんしゃトーマス」みたいやなと思ったら、ずっと電車目線なわけではありませんでした。
戦前、戦時中、戦後、バブル期を経て現代に至るまで、80年以上にわたって走り続けた路面電車177号の周辺で、本当にこんなことがあったかもしれないと思わされます。普通の人情話かと思いきや、ちょっとしたミステリー仕立てになっている。
大阪といっても、淀川より向こう、ずいぶん南。特にこてこての大阪弁なので、大阪弁に抵抗のある人にはツラそう。大阪に思い入れのある人なら懐かしさ満点。淀川より北育ちの私もなぜか懐かしい。
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阪堺電車177号に関わる人々の事件が、連作として描かれる。時代は戦前から戦後、そして現代まで。事件には、前の章で登場した人物や、その子孫が登場し、あたかも、読み手も長年人々の生活や事件を見守ってきた阪堺電車177号となったかのように、沿線の人々の歴史、人生をみることができる。
事件は最後の最後にどんでん返しや、ようやく真実があかされたりと、読んでいて実に楽しかった。
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期待以上に良かった!
時代の移り変わりも良かったし、連作短編なので色々と登場人物が絡んでいて面白かった。
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ちんちん電車をストーリーテラーに据えて語られる物語は昭和平成の世相をそれぞれ反映している。でもそこは、ちんちん電車。車窓を流れる風景ものんびりと沿線住民の生活にしっかりと寄り添う。
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よくできた連作短編集だと思うけど自分には合わなかったなーという感じ。
古い年代から新しい年代に短編が繋がっていく構成で、自分にはその繋がりを把握するのが少し面倒でストレスだった。最後に全ての関係者が集まって大団円になる必然性も足りないと思う。
一つ一つの謎についても、次の短編に謎が持ち越されたりして、モヤモヤするところがある。一応短編ごとにきちんと解決がもたらされることぇ完結させてもらわないと、謎を出し惜しみされているような感じがしてしんどい。
他方で、謎が持ち越されることが偶然の再会によって解決されたりするのはほれなりにカタルシスがあっていいなーと思うのもあり、全部を嫌なものだと切り捨てることにも躊躇いがある。
なんというか、やりたいことはよくわかるのだけど、もう少し上手にやってもらえたら素直に楽しめるんだよなー。