紙の本
蘇る大正時代
2017/10/22 06:30
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投稿者:クンタキンテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「男装の麗人」として一世を風靡した川島芳子のことを、歴史の本で見たことはあったが、これまで特に関心を持つことなく、素通りしてきた。さて、著者の松岡氏は、川島が「男装」を自らの「看板」にするまでについてを、本著作で描いている。なお、時代背景も丁寧に描かれており、読者もこの時代に迷い込んだような気持になる。なお、推理小説も、歴史小説も、自在に描く松岡氏に脱帽である。本書の中では、松岡氏のお得意のハードボイルド風のハラハラドキドキも健在である。ところで、私も歴史が好きである。また機会があったら、氏の手がける、別の歴史小説を繙いてみようかなという気持ちになった。
電子書籍
ミステリーファンとしては物足りないけど
2017/11/26 23:23
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投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
川島芳子として育てられ、松本の女学校に通うようになっていた15歳のある日、通学路で松本聯隊の少尉・山家亨(やまがとおる)と出会うところから彼女の本来の物語が始まり、山家亨と婚約者と定められている満州族のカンジュルジャップの間で揺れ、「男になる」ことを決意するまでがドラマチックに描かれています。
川島浪速の俗物ぶりには辟易しますが、それでも養父を見捨てられない芳子の優しさは、少しDV夫に依存する妻の心理を連想させるような気がします。
彼女の人生は40歳で国賊として処刑されるまで波乱万丈で、さぞかしドラマになるだろうと思うのですが、敢えて彼女の淡い初恋に焦点を当てているところがこの作品の面白い所ではないでしょうか。
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実在する人物とは知らず、前もって調べてから読めばよかったと後悔。
男装の麗人、川島芳子の話。この時代に生きるって、とても大変だな。昔の人は強かったという所以。自分で切り開かなければ、運命に流されてしまう。激動の時代。
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「男装の麗人」川島芳子はなぜ男になったのか?
滅び行く清の王女は国を去り、日本人として育てられた。「男装の麗人」として一世を風靡した彼女が、なぜ十代で女を捨て男になると宣言したのか? 国家を巡る思惑の狭間で生きた、数奇な運命と恋。激動の青春篇。
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相変わらず見事な展開に感動すら感じる。史実か否かを問う気にもならない。壮大なトリック(?)を毎回用意しつつも実は言いたいことはそんなことではなく、というのがすごい
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『生きている理由』というタイトルもショッキングな雰囲気が漂うけれども、帯にある『史実の「はいからさんが通る」は、多感で危険、恋少なからず謎多し。』とあり、読む前に悲しいお話だろうなと覚悟して読みはじめました。
誰もが憧れる謎に満ちたお嬢様生活の裏には誰にも望まれない個人としての悩みもあり、読んでいてとてもかわいそうでした。
現実に言い換えれば、会社にいれば会社の肩書きが助けてくれるけれど、フリーになったら誰も見向きしてくれない現実がそこにあるような感じです。
肩書きのない個人には全く価値がないと毎日言われているようでとてもかわいそうでした。
養父もとてもクズな男で読んでいて腹が立ってきました。
史実に基づいたお話+少しフィクションが盛り込まれているとは思いますが、王族に産まれたのに政治の道具としてしか誰もがみておらず、人間個人として扱ってくれた人とは巡り合わせが上手くいかず、かわいそうです。
良心を持つ登場人物である少佐である山家やはいからさんである川島芳子が優しすぎたということもありますが、なぜその選択をしてしまったのか! と歯がゆく思いますが、当時の教育環境を思えば当然の選択だとも思いました。
続刊が予定されているようなので、報われる結末がくるといいなと思いますが、少しでも希望を持って続刊を待ちたいと思います。
お話としてもとても読み応えがあり、目が離せません。
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あなたはわたしのために。わたしはあなたのために。
男装の麗人として知られる川島芳子。
日本人に養女として出され、清国の王女としても生きられず、籍を移されなかったために日本人にもなりきれず、自身の足元がおぼつかない。そんな彼女が、初めて本当に自分のことを思ってくれる陸軍少尉の山家亨と出会い、生きる意味を見出す物語。
誠実で真面目な二人の恋愛模様が初々しくて、切ない。川島芳子が自身の生きる意味を見出すシーンはとびきり。
歴史の小難しいことはわからなくても、読みごたえは十分。続きが楽しみ。
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今年に入って『黄砂の籠城』、『八月十五日に吹く風』に続く3作目。義和団事件、キスカ島から今回は川島芳子である。
謎が多い人物だけに、さすがに今回は「史実に基づく」とはいかなかったようで、「史実から発想された」とある。
それにしても、少ない材料から組み立てる手腕は素晴らしい。本書の様々な見方は解説に簡潔にまとめられているが、読みどころはたくさんある。そして、上記の3作を続けて読んだものとしては、実は今回の川島芳子が本番ではないかという気がしてくる。
解説によれば、本作には続編があるらしい。大変楽しみである。
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今回は「男装の麗人」について。最近の松岡圭祐は力作続き。史実通りではないかもしれないが、こうだったのかもしれないという説得力はある。次回作が待ち遠しい。
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自分がどこの国の人か。
誰の子供か。
かなり根本のアイデンティティだと思えるものが揺るいでしまうのは本当につらい。
周りからどう思われているのかを考えて、行動をしなければいけないことも。
迷いながらも、自分が正しいと思う道に進んでいくのは本当に強いと思った。
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このところ多忙につき、読感を書いている時間がない。
とりあえず、読みましたということで、読了日と評価のみ記載。
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清朝末期、粛親王善耆の14番目の王女顯仔が日本で川島芳子と名乗り、唯一の頼れる養父に、徹底的に猜疑心、反抗心を抑え込まれ、王女として生きるよう育てられた。玩具は全くフィクションだと思ったら「玩具を進呈する」という言葉は史実とのこと。少ない史実をふくらませて小説にしている松岡さんの筆力には感心してしまった。「人と関わって傷つくのが怖いから、自分のことを嫌いでいようとしている。でも本当は、生き方を選んだのは自分だとわかった。」生きている理由が愛する人によってみつけることができたのかな?続きが読みたい。
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男装の麗人「川島芳子」を主題にした小説。もう少しノンフィクションぽいものを想像していたが、只のアクション小説であるように思う。
取りあえず読了したが、最後まで違和感が残った。
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面白かった。
史実の「はいからさん」などと帯に書いてあったが、話はもっとシリアスで重いが、キャラが立っていて読みやすい。
川島やカンジュルジャムが登場時と最後は180度印象が違うのはどうか?
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最初の方はだるかったけど最後は結構盛り上がった。
なんでそんな選択しちゃうのかな、と思いつつも彼女なりの精一杯なんだろうなぁ、と。
続きが発売されるようなので楽しみにしてます。
2018.10.13