- 販売開始日: 2017/10/31
- 出版社: 早川書房
- ISBN:978-4-15-030314-3
今はもういないあたしへ…
著者 新井 素子
交通事故で瀕死の重傷を負った少女は、半年の昏睡から目覚めた。身体に傷は残っていないにもかかわらず、事故の後遺症か、彼女は外界に対する現実感を喪失したまま悪夢に悩まされつづ...
今はもういないあたしへ…
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商品説明
交通事故で瀕死の重傷を負った少女は、半年の昏睡から目覚めた。身体に傷は残っていないにもかかわらず、事故の後遺症か、彼女は外界に対する現実感を喪失したまま悪夢に悩まされつづける。そして次第に明らかになっていく恐るべき事実……表題作「今はもういないあたしへ…」。汚れきった海を裸で漂っていたひとりの少女。その少女をめぐり、彼女を見つけた三人の男女がまきこまれていく悲しい運命…23世紀の海上都市を舞台に生物の進化する意志、時を超えた想いを描いて1982年の星雲賞日本短篇部門を受賞した「ネプチューン」の二篇を収録。
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「ネプチューン」と表題作の2作を収録。心に痛い素子ワールド
2002/05/22 23:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くろねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ネプチューン」
近未来、マリン・シティの海で学生に発見された謎の美少女。
発見した3人の学生たちは、彼女に「ネプチューン」と名付けて
面倒を見ることにする。
そして、彼らの保っていた微妙なバランスが…。
4人の、それぞれの想い。
それぞれの、片方だけに矢のついた矢印。
切ない想い。
そして、ネプチューンの正体が明かになるとき、彼らを襲う大きな陰謀。
切ないような、なんとも言えないような気持ちになりました。
「今はもういないあたしへ…」
事故による昏睡から目覚めた後、享子は、なぜとも知れない違和感に
苦しめられていた。
その違和感に、なぜか不自然なほど合致する数々の悪夢。
自分は、事故の後、どうなってしまったのか。
それに、疑問を感じずにいられないなんて、なんて恐ろしいこと。
婚約者義雄。
彼が、優しければ優しいほど、増える罪悪感。
自分の存在に疑問を感じていて、義雄は、そんな自分も全てひっくるめて
受け入れると言ってくれる。
彼に、以前のような想いを抱けなくなったことが、すまなくて。
でも、そんな思いとは裏腹に、どんどん心に浮かび上がってくる
自分のものではないはずの記憶。
その全容が明らかになったとき、言うに言われぬ怒りを覚えずには
いられませんでした。
それと、深い哀しみと。
SF
2001/11/21 12:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アリス - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ネプチューン」と「今はもういないわたしへ」の二作品です。
二つの作品の世界観が似ているので、両方、好きな人が多いと思います。近未来サスペンス。と、いうか。
個人的には、「ネプチューン」の方が好きかな。どっちかというと、悲劇なので、新井素子さん的、コメディの要素は少ないかも。「今はもういないわたしへ」の輪廻観というか、脳だけが人間の心ではない、という考え方に共感できました。
切ない
2006/09/17 00:51
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:不思議 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この短編小説実に切ない、ラストに無情を感じます。
読み終えた後に残るこのもやもやした悲しみは何なのでしょう?
救いがありません。思わずほろりと涙が流れてくる小説です。
この作家最近の小説は全く読んでいないので分からないのですが、絶句、二分割幽霊奇譚、グリーンレクイエム、ディアナディアディアス、ひと目あなたに、などさまざまに読み応えのある本を出している完成度の高い作家の一人です。
女流作家の中では私的には一押しの作家ですよ。
昔この作家の小説をFMラジオでFMアドベンチャーと銘打って流していたこともありましたね、今となっては懐かしい思い出ですが、これから読書でもはじめよう考えている人には入門書としてお勧めです。
ぜひご一読を!!
悲しいサイエンス・ファンタジー
2002/05/22 22:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ポーリィーン - この投稿者のレビュー一覧を見る
悲しくやり切れない思いが残るサイエンス・ファンタジー。生きているとは思えない程の大事故に見舞われた記憶がある「あたし」は拭い去れない疑問を突き詰めようとするが…表題作の他、遥か彼方から運命の出会いのために現れた女の子を描いた「ネプチューン」の2作品を収録。昭和63年に今は亡き大陸書房から出版され再刊。10年以上ぶりに読み返してみましたが変わらず面白く読めました。ただちょっと悲しすぎてどんより…。