カニバリズムと巡るカルマの箱庭
2011/04/06 03:32
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:asura - この投稿者のレビュー一覧を見る
〈カルマ教会〉の説く楽園へ至るために6つの戦闘チーム〈トライブ〉が争い続けているジャンクヤード。出現した蕾型UNKNOWN(未確認)の物体から謎の光が放出されたことで掟に従うのみだった無味乾燥な世界に肉体的、精神的な変化がもたらされる。黒髪の少女を拾い上げたトライブ〈エンブリオン〉の幹部たち5人も感情の芽生え、悪魔化、飢餓といった変化に戸惑うが黒髪の非力な少女は「皆を助けにきたの」と言うのだった。
アトラスのPS2専用ソフトの小説版であるが原案者の五代ゆうが全編書き下ろしたことで原案作とも言える。ゲーム上での表現に納得できなかったのか、個人サイトで一部小説「DOG DAYS」が公開されていたがソフト発売から7年を経てようやく出版された。
アトラスにしてはフルボイス、ストーリームービーと力が入って素晴らしかったゲームの魅力を全く損なわず、かつキャラの情感や詳細な描写、顛末などゲームではプレイヤーの想像力に任せた箇所が補われて濃く丁寧に書かれている。
サーフが喋っても違和感がなく、反抗的なヒート、姐さんなアルジラ、無邪気なシエロ、クールなゲイル、と主要メンバーも生き生きしてます。
SF小説として完成しているのでゲームを経験しなくとも問題なし。
物語が進むにつれてゲームとの差異が出てくるのでプレイ済みの人も新たに楽しめます。
全五巻隔月刊です。
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やまだ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この作品の原作は裏ボスの強さが異常で有名なPS2のゲームです。
ゲームでは、主人公がしゃべらないのでかなり空気でしたが小説では主人公の考えもわかるので楽しめました。半分以上小説のオリジナルなので原作をプレイしていてもネタバレすることはありません。
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ゲーム「デジタルデビルサーガ・アバタールチューナー」の大ファンなので迷わず購入。
ゲーム原作ですがゲームと違う箇所も多く、楽しみながらラストまで読みきりたいと思います。
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原案小説、ということだがなにせゲームをやったのがはるか昔のこと。おおまかな内容しか覚えていないので問題なし。
でも読んでるとまたやりたくなるので困ったもので。
PS2は絶賛故障中(苦笑)。
そういえば、2のほうはそもそもクリアしてないじゃん。
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DDSATの原案ノベライズというわけでずっと楽しみにしていた作品。
元々ゲーム自体がとても好きなので一気に読めました。
キャラクターひとりひとりが深く掘り下げられていて、アバチュ好きとしてはもう本望なレベルの作品。
ゲームをやってない人にもぜひ読んでほしいですね!!
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(私は未プレイですが)ゲームの原案小説とのことで、確かにちょこちょこゲームのチュートリアルを思わせる展開がありました。SFとのことだけど、今のところあんまりそんな雰囲気はないし、仄めかされてる世界の真実も(合ってるかはわからないけど)多分こうなんだろうなと大体推察できる。あとがきにあった通り、確かにSFというより異能力バトルっぽいけど、その異能力も特に目新しいものは見当たらない。
この小説で面白かったのは「無感動で合理的だった(恐らくは)人造人類が、感情が芽生えて非合理的な行動を取るようになっていく」心理描写が丁寧に描かれてること。まだ話は始まったばかりで、面白さは変化していく(というかこの面白さは話の始まりでしか得られないもの)だろうけど、とりあえずは続きに期待。ただいたずらに「戦いたくない」という主張に終始するのではなく「大切なものを守るために本当は避けたい戦いも覚悟する」展開が嬉しかったです。
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うぶかたさんの帯に説得されてジャケ買い。大正解…!スッゴい楽しかった!続きが楽しみ!ハヤカワ編集長マジ神な…!遍歴がマルドゥックと似てるからうぶかたさん帯なんだー。SFとファンタジーのマリアージュ(笑)ですね!映像化したら綺麗そう。ゲームはしませんが…埋もれた作品を拾い上げてくれるハヤカワ、愛してます。
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発売当初からやりたいと思っていた、それでも機会がなく結構なネタバレをいくつか知っている、という状態のゲームだったので、やや迷ったものの評判が良くて買った。
ら、面白かった。ノベライズではなく原案小説ということで、原作をなぞりつつ別物、じゃなく別物として原作をこれでもかと設定や人物を掘り下げたり改編したり、という好きな種類の小説だった。
ひさびさに、あまり使いたい言葉じゃないけれどもライトノベル的にも楽しかった。キャラクターの一挙手一投足がとにかく楽しい、萌える、という種類の。
酷薄なサバイバル状況下での「お前ら仲良いな!楽しそうだな!」というやりとりはとても好きなので。
敵を食べることは敵を殺すこととなにか違いがあるか?とか、感情を持つことでどんどんうまくいかなくなっていく事どもとか(憎悪とか不信とか侮蔑とか弱みとか)、わりと言葉でしっかり説明されつつキャラクターがそれを体現しているのが、難解な割に読みやすいような、もっと放り出してくれても良いような。
読みやすいのがちょっと(作品の質ではなくて読み出のあるなしとして)もったいないという妙な感覚。わかりやすいぶん延々考え込むような没頭ができないのかもしれない。
非常に読んでいて楽しいんだけれども。
ゲイルとアルジラとバットが特に好きなんだが、ゲームの展開では全員えらいことになるようだった気が。隔月刊行がうれしい。
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II→Iと購入。これから読む!
ゲームは一番進んだデータをうっかり消してしまい未完。
ゲームを思い浮かべながら読んでいましたが、
エンブリオンのメンバーとセラとおぼろげにルーパ位しか
覚えておらず、ゲームを再びプレイしてみようかと思ったり。
小説後半にも出てくる地下水路。
流れたー死んだー土偶で逃げたー蠅男に会って死んだ…とか
嫌な思い出が色々と蘇って参りました。
ちょっとリーダーになってくる。
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評価が難しい。①一冊読みきった②結末は知りたい③シリーズ5巻全部を読むのは躊躇する、ってところです。原作ゲームは未プレイ。
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ATLUSのアバタールチューナーの小説版。
というか、こっちが原作?
ゲームの1と2を先にクリアしたので
登場人物たちがストーリーの後半に気付くはずの秘密を結構冒頭で口に出していたり、
ゲームだとテンポのよかった戦闘シーンが活字だとカタカナのオンパレードでただ疲れたりと細かい設定に若干の違和感があるものの、
別物として読めば面白い。
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ゲームは2の途中までプレイ済み。
ゲームの原案者さんが作者ということで、ゲームを元にしたノベライズとは違ってキャラ設定や心理描写、世界観等で深い掘り下げがたくさんありました。
ストーリーはゲームとは違ってきていますが、それでも共通点はあるのでゲイルのフードの意味やビショップの能力、ヒートのマッチョメン具合、アルジラの変身能力への嫌悪感と敵を食べることへの抵抗、シエロの活発な少年らしさ、サーフのリーダーとしての采配…などゲームと照らし合わせながら「ほぅほぅ!」と大変興味深く読みました。
変身した皆がこんなに餓えと葛藤していたなんて思わなかったから驚きでしたね。エンジェルの「餓えから逃れ生き延びるすべは他にない」っていうセリフがリアリティを帯びていたといいますか。
一巻はジナーナがかわいくて好きになりました!ジナーナは一人称がジナーナな時点でかわいかったりするけどねw
さぁ続き読むべ。
※2011-11-25~2011-12-09
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ふと気まぐれに手に取ってみた。……メガテンの原案的小説なのね。ゲームから離れていた頃に発売されたやつだから気づかなかった。だが、面白い…すでに完結しているらしいが、のんびり読もうと思う。
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PS2ゲーム『デジタルデビルサーガ アバタールチューナー』の小説版。
というか、原作小説?
ゲーム本編とは異なる展開で進行していますが、それほど気になるところではありません。
原作ゲームⅠの前半部分くらい。(展開が違うのでちょっと違うかも)
原作に名前を持って登場したキャラクター達の意外な人間関係もちらほら出て来ます。
SFの中に悪魔や神話、変身系の異能力が混在する、女神転生系のゲームらしい空気だと思う。
悪魔の本能とヒトの理性の間で揺れる登場人物達に引き込まれて一気に読めた。
多分原作を知らない人でも楽しめると思う。
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「変身ヒーロー大暴れもの」だったハズなのにどんどん話が膨らんで、ついには全能の存在や悟りの世界にまで突き抜けてく、超長編大河SF。
「自分が生きる世界が、実はさらに上の世界が作り出した実験室だった」という古典的なSFの発想を上手く利用しつつ、「AIデータが生命になれるかどうか」という命題が、切なさたっぷりで描かれています。
さながら未来版『妖怪人間ベム』。
1・2巻は箱庭世界内での変身バトルもの、3巻は箱庭世界が生まれた経緯と謎解き、4・5巻では箱庭世界から上位世界に具現化したAIデータたちと、実際の人間の軋轢と交流と大きな戦い…というのが大まかな流れ。
特に物語の発端が描かれる3巻は必読。ふたりの男とひとりの女の、愛と友情と裏切りと死と蘇りという「ハイパーインフレドリカム状態」だから、読みやすく感情移入しやすい。滅びゆく上位世界の倦怠感と焦燥感(さながら『北斗の拳』!)も、ジャンプ世代的にはしっくりハマります。この3巻1冊でもひとつの物語として成り立ってる。
全編を通じて「ふたりの男の友情」と、「そのふたりの男を基にした、AIデータ同士の友情」という、双子的な友情が描かれ、しかもそのふたつの友情が(姿形は一緒なのに)まったく違った関係性になっていくのも見どころ。
そして…人類が、悪魔や天使や地獄や神といった「明らかに上の存在」に進化することは可能なのか? という、紀元前から続く野望のひとつに対して、「AI世界で長時間に渡り、擬似的に上位存在になるための修行をする」ことで、肉体の限界を超えて精神を鍛え、“次のステージ”へ行ける可能性を提案しているのが非常に東洋SF!
ラストの読後感には、こちらまで擬似的な悟りを開いたかのような、清々しさがあります。