紙の本
武器としての知的生産術の習得方法を紹介した稀有な書です!
2017/12/14 13:19
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、仕事で成功するための知的生産術を身に付けるためのノウハウが詰まった画期的な書です。特に、著者の経験からでしょうが、こうした知的技能は独学で身に付けられると強調されているところが本書の魅力となっています。どのように知識を身に付け、それをどのように活用していくのか。著者は、それを戦略、インプット、抽象化・構造化、ストックという4つのステップを用いて体系化し、知的生産システムと称して、詳細に解説してくれます。とても興味深い内容となっています。
紙の本
「記憶する」と「知る」は、時代遅れ
2020/03/13 12:36
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
1) 知識を得て記憶するより、得たものでもって実践する。つまり、アウトプットが重要である。
それを言っているのがショーペンハウエル。
「知は力なり」とんでもない。極めて多くの知識を身につけていても、少しも力を持っていない人もあるし、逆に、なけなしの知識しかなくても、最高の威力を揮う人もある。138ページ
2) 一番衝撃を受けたのは、「濫読の時期のなかった人は、大成しないと極言してもいい」である。109ページ
3) イケスに活きのいい魚を入れるために、キンドルを活用するといい。早速やってみよう!
電子書籍
「独学」というと、社会人として資格試験や昇進試験と言った勉強に必要な要素というイメージがあるかもしれませんが、
2019/09/18 08:42
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:アルファ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本はそういったものとはちょっと違い、現代的な「正解のない問題」にどう立ち向かうかという観点から書かれた本です。
専門知識を深め、管理技術力を高めることも社会人になると大切ですが、そればかりでなく、この本のキーワードの一つとなっている「リベラル・アーツ」、つまり幅広い知識を、単なる「教養主義」だけでなく、実務的に役に立てる方法が提案されています。
面白いと思ったのは、「冷蔵庫と生け簀」という例えです。
つまり、学生の受験勉強のように暗記中心の勉強は、魚を冷蔵庫に保存するようなもので、「分からないことに出くわしたら、何をどうやって調べたらいいのか」を知るための勉強が、魚を生け簀に放しておくということですね。
もうひとつ、表紙にも書かれている11分野ですが、ここに「音楽」があるのが、なかなか新しい発想だと感じます。
すぐれた音楽にあるリズムやストーリー感などと言うことを通して、「全体構想力」を磨くのに優れている分野なのだそうです。
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
地意識というのは武器になるなと感じながら、なかなか身に付かないですが、自分も頑張ろうかなという前向きな気持ちになりました。
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独学 戦略、インプット、抽象化構造化、ストック
変化の激しい時代であれば、インプットされた知識の多くは極めて短い期間で陳腐化し、効用を失うことを前提にして独学のシステムを組む必要がある
独学が必要な理由
知識の不良債権化、産業蒸発の時代、人生三毛作(動労時間は長くなるのに、企業の旬の寿命は短くなる)、クロスオーバー人材
書籍やインターネットの情報というのは他の誰かの情報ですから、いわば劣化コピーでしかない
そうした情報を組み合わせて、その人ならではなお示唆や洞察を生み出すことも、独学システムの重要な役割
ショーペンハウエル 読書は、他人にものをかんがえてもらうことである。本を読む我々は、他人の考えた過程を反復的にたどるにすぎない
フランシス・ベーコン 信じて丸呑みにするために読むな。話題や論題を見つけるためにも読むな。しかし、熟考するために読むがよい
新しいアイデアとは新しい組み合わせによって生まれる
知識は整理されていないと使えない
老害というのは知識のアップデートに失敗した人、知識のクオリティと権力の大きさのバランスを崩した人が引き起こす問題
レヴィストロース プリコラージ 何の役に立つかわからないけども、なんかあるきがする
人生でどこかインプットしている時期がある 内田樹
人生において他者からアウトプットを求められていない時期、インプットのための機会費用の小さい時期にしか、大量かつ無節操なインプットはできない
人と話す=もっとも効率のいいインプット
小室直樹 モデルとは本質的なものだけを今日を強調して抜き出し、あとは棄て去る作業です。抽象と捨象といいます
抽象化は場数を踏むしかない
転記を9箇所に限定する
あとで検索できるようにストック エバーノート
感じ方、考え方が多様になることで、最終的に意見が多様化する
哲学を学ぶことの意味 自分で考える力を鍛える
人間は合理的ではない
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①戦略
何をインプットするか考える。それは、何をインプットしないかを定めることにもなる。戦略には差別化が必要。人と違う力。それには、取捨選択が必要。何をしないかを決めるのは、何をするかを決めるのと同じぐらい大事だ。
自分をプロデュースするつもりでジャンルを選ぶ。他の人にはない組み合わせを。
グローバル企業の幹部が哲学や文学などの教養をあらためて学び始めている実態があるが、彼らがそのような教養を学んでいるのは、変化の激しい世の中に引きずられて価値を失うことのないよう、礎になるような知識を求めているからだ。
②インプット
本が最もわかりやすい例だが、日常の生活を通じて様々なものをインプットする事が大切だと言う。
情報は量より密度。筋のいいインプット、テーマに沿ったインプットがキモ
③抽象化・構造化
歴史小説の生情報を抽象化し、現在にも通じるような示唆や洞察を得る。
④ストック
抽象化・構造化した知識をいつでも引き出せるようにストックしておく。
知ることが難しいのではない。いかにその知っていることに身を処するかが難しいのだ。司馬遷『史記列伝』
フランシス・ベーコン
血は力なりという名言で有名。
信じて丸呑みするために読むな。話題や論題を見つけるためにも読むな。しかし、熟考し熟慮するために読むがいい。
クランボルツ
成功する人は、さまざまな出会いや偶然を、前向きに楽しめるという共通項がある。
スティーブ・ジョブズ
創造とは、新しい何かを生み出すことではなく、新しい組み合わせを作ることだ。
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内容的には同じ著者の「読書を仕事につなげる技術」とほぼ同じ内容であり、この本を読んだことがある人なら復習として流し読みできる。
本書にもブックガイドはあるが、「読書を仕事につなげる技術」の方は初学者を対象にしたチャートがついておりこれが活用しやすい。
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インプットして、咀嚼して、外部記憶化。このメソッドはずっとやってきたことでもあったので、自分の独学の仕方に根拠が持てた様に思います。ブクログはブログというのもその外部記憶化の一環だったりしますね。最後のおすすめ本リストも良かったです。名前は知っていたけど読めてない、、、という本もけっこうあったので、「次に読む本リスト」が溜まっていきました。
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独学を、「戦略」「インプット」「構造化・抽象化」「ストック(化)」の4つのシステムとして取り入れることで、学んだ知識は忘れることを前提に、学んだ要素を抽象的にどう引き出し活用していくか、に力点を置いた本
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独学というか、読書法の本でした。9割は忘れると書かれていて安心した。いつでも呼び出せるようにしておく事が大事だと。結合することで新しい事が生まれる。アンラーンも必要。読書に対する姿勢を学んだ。
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久しぶりに読んでよかったなと心から思えた1冊です。
ビジネス書もひととおり関心のあるものは、読んできたのですが、 最近は新しい「気づき」がなかなか得られないと感じていました。
本を読むことは自己啓発として有用ですが、この本を読むと自身の「学び方」に課題があり、これまで読んできた書籍からも本質を得られていなかったのかもしれません。
本書では、「知的戦闘力を高める独学の技法」とテーマを掲げ、 そのプロセスと具体的な方法、独学すること自体の価値、必要性をとても分かりやすく解説してくれています。
書籍の読み方に終始する書籍とは一線を画し、独学をシステムと捉え、①戦略、②インプット、③抽象化・構造化、④ストックというプロセスを通じることで、将来に渡り活用できる「知的戦闘力」を高めるというものです。
また、現代を生きるうえで、いま「独学」が必要となる理由を ①知識の不良資産化、②産業蒸発の時代、③人生三毛作、④クロスオーバー人材と4つの観点でまとめられており、この点も、すっと腑に落ちるもので共感できます。
これらを踏まえ、独学の方針は「ジャンルではなくテーマで決める」、 目的は「新しい"知"を得るよりも、新しい"問い"を得るため」としています。
また、最終章では将来に渡り不変の知識となるリベラルアーツ・教養を 学ぶことの重要性に関する解説と、11ジャンル計99冊の書籍の紹介があります。
本書を通じ、独学のコツを教わることができたのと、
モチベーションにも繋がりました。お勧めできる
1冊です。
序章 … 知的戦闘力をどう上げるか?
第1章 … 戦う武器をどう集めるか?
第2章 … 生産性の高いインプットの技法
第3章 … 知識を使える武器に変える
第4章 … 創造性を高める知的生産システム
第5章 … なぜ教養が「知の武器」になるのか?
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なぜ勉強するのか、何を勉強すべきなのか、どうやって勉強すべきなのかについての著者の考え方が紹介された本。
大まかには下記のような進め方を提案していて、取り立てて目新しいものではない。しかし歴史的エピソードや偉人の名言などをたくさん引用しているため、説得力があり読んでて楽しかった。
1.勉強する対象について、戦略をたてる
2.効率よくインプットする
3.インプットを抽象化・構造化し、自分の考えを持つ
4.3の考えをいつでも取り出せるように保管し、忘れる
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漫然と勉強していたことを改めて整理。
①戦略
・何をインプットしないか
・ある分野で一定の見通しを持つためには、10冊程度のインプットが必要。
・一年間で学べる分野数を意識する。
・ジャンルではなくテーマを中心に立て、且つ一対一ではなくクロスオーバーさせる。
・欲しいものではなく自分がすでに持っているものに着目し、ユニークな掛け合わせで立ち位置をつくる。
②インプット
・ソースを限定しない。
・共通情報から差別化できる洞察を引き出すか、差別化できる一次情報を得るか。
・目的で読み方を変える:
・専門ビジネス目的→読書カード不要、適時・部分
・専門深化・教養目的→読書カードで示唆を明確化
・何を読むかは目先の関心で(長期は予測できない)。
・イノベーションは予測できない、しない→善し悪し、要不要は事前に判断できない。※悪しにどう対処?
・長期的にインプットとアウトプットは一致。好奇心を失わず無目的なインプットを続ける。
・喜怒哀楽は自分の中にある。 ※怒りを感じたとき、自分の中の何に関わったのか考える。
・深く読む本を見つける。ゴミは途中で捨てる。
・問いをメモすることを習慣化する=問いを立てることが習慣化する
☆ブクログのタグ付け、要再読本のフラグ付けをする
③抽象化・構造化
・問いを持つ。
・感覚経験→仮説(問い)〜経験の束〜→公理系
④ストック
・面白いがいつ使えるかわからないものを、必要なタイミングで引き出す。
・デジタルによるタグ管理
・事実、示唆、行動にアンダーライン
・反感を感じたところにもアンダーライン→自身の価値観を知る
・アンダーラインはたくさん引き、9つ(示唆)だけイケスに入れる(書籍別エバーノートに転記する)。
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読了:2018/5/15
(1) 「戦略」は必然的に差別化を求めます。つまり、他人といかにして違うインプットをするかと言うことが、独学の戦略の最大のポイントなのですが、ここで重要なのが、「何をインプットするか」よりも「何をインプットしないか」と言うことなのです。
(2) 「インプット」
書籍やネットの情報と言うのは、「他の誰かの知的生産プロセス」を通じて出力された情報だから劣化コピーのインプットでしかない。一方で、自分の目や耳といった五感を通じて得られたインプットは、他の誰でもない自分だけのものだから、そうしたインプットをもとに知的生産を行えば、容易に他者と差別化することが可能になる。
(3) 「抽象化・構造化」
抽象化された定理は別に真実である必要はなく、仮説で構わない。仮説というのは「× ×ではないか?」と言う「問い」として設定されるが、このような「問い」が、さらにインプットの感度を高め、独学システムの生産性を高める大きな要因となる。独学の目的は新しい「知」を得るよりも、新しい「問い」を得るためだと言っても良い。
抽象化された仮説は、次に構造化によって別の情報と紐づける。
(4) 「ストック」
精度の高い検索ができること、が必須条件。
ジャンルではなく「テーマ」を決めて読め
クロスオーバー=掛け算が唯一無二の戦闘力を作る
・リベラルアーツ×テクノロジー→アップル
・神学×外交・諜報→佐藤優
・安価なジャージ素材×オートクチュール→シャネル
掛け合わせるジャンルについては「自分の欲しいもの」ではなく「自分が持っているもの」を主軸に選ぶべき。
リベラルアーツの意味:ヨハネ8.31 真理はあなたを自由にする
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漫然と似たようなジャンルの本を読みがちなので、テーマ(仮説)を持って、ジャンルをクロスオーバーさせて読書すべしというのは納得感があった。
ただ、筆者の別の著作と被る内容が多かったのは、ちょっと残念。