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投稿者:とも - この投稿者のレビュー一覧を見る
ここまで自分の心情、生活を赤裸々に綴れる作家はいないと思う。
近づくECDさんとの別れが読んでいて辛かった。
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ーーーひとってどらまじゃないから、どんなことがおこるかわかんないよねーーー
発売日から読み始めてきょう読了した。
読み終わりたくなかった。
読み始めたときからSNSで白いページの箇所が〜という声を何個か聞いていて、白いページにたどり着くのが怖かった。何が書いてあるのか、ドキドキした。
日々のことを書くのは相当に覚悟がいるし、このひとは潔く気持ちのことも書くので、真似したくとも真似できない。
面倒くさいくらい女性で、その素直な筆致に溺れそうになる。
読んでいて、下の娘、えんちゃんの発言にドキリとする部分がたくさんあった。上の娘、くらしちゃんが子どもらしい自我の通し方をする一方で、石田さんを思いやってお泊りに行かないところなんかも大人びている。将来大物になりそう。
他人である家族と暮らす、生きていくということを、あらためて考えさせられる。
どんなにうまくいっていて穏やかな夫婦、パートナーであっても、血縁のない者同士が寄り添うことってどういうことなのか。血縁関係にあったってわかりあえないことがたくさんあるのだから。
わたしの他者たち。
降伏の記録。
ひとを惹きつけてやまない書き手さんなので、書いてほしいとおもってしまうのは読者としての我儘です
でも、いつかまたシミのように残るものがあったらそれを見つめて書いてほしい。
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かなわない、家族最後の日を読んで、その作者の三冊目。
読後感が悪い。今までの三冊の中で 一番悪いかも。家庭環境が自分と同じようなものだから(自分=石田さん)、作者がそう考えてしまうんだろうとか、分かるけど、でもそれはやっぱり、作者は1種の病気何だと思う。
何でそんなに自分のことしか考えられないのか。相手の気持ちを考える時も考えるのは自分の事をどう思っているかだけ。相手から自分が何をもらえるかを考えているだけ。
自分が相手に何をあげられるか、相手はどういうことに幸せを感じるのか、どうすれば幸せ
にしてあげられるのか、などは何も無い。
作者の写真や本に対する感想も、評価として受け取っているだけに見える。感動してくれたことによる、純粋な喜びが感じられない。
最後の書下ろしで、やっと発見できた、自分が何をしてきたのか分かったみたいに書いていて、だから「逃亡の記録」何だろうけど、でもこの先もずっと気がついた!分かった!と言い続けるんだと思う。身近な人が、いつもわかったような気になって、また同じところにハマる。その繰り返しをやっているのを見ると、同じだと思う。すでに三冊の中で起きているし。
余命を宣告されている人に、それも10年過ごした夫に、今なせこれを開示しなければならないのか、まるで理解できない。それは全く自分の都合であり、そこに相手に対する気づかいはまるで無い。
カウンセラーみたいな人も、夫がなぜそうしていたのか、それは相手=作者に対する思いやりであり、そこで夫が錯乱すること取り乱すことは、破局を招くからだ、みたいな発想がなく、ただひたすら作者を肯定するのは、カウンセリングの常なのかもしれないけど、どうなのか?
この作者も絶対病気(精神病)だし、そのストレスが夫をガンに追いやった可能はあると思う。そんなことを作者は考えもつかないのだろうか。
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追悼ECDさんと思い、家族最後の日に続き植本さん二冊目。
前作よりも状況がわかっている分若干読みやすいが、後半1/3は読むのが苦しくて、眉をへの字にして読んでいた。
読み終えてから、自分自身の日記に書き綴るのではなく、こうして人の目に晒すことの意味ってなんだろうと考えている。これを読んで救われる人がいるからと書いてあったが、私にとっては救われるというよりは、なんだろう、自分自身の中に確かに共鳴する部分があり、でもそれは必ずしも気持ちの良い感情ではなくてそっと蓋をしておいたり、べたべた何かで塗り固めたりして普段人目には晒さない奥底にあるものが呼び覚まされるような感じ。だから、苦しい。
これって心理学の領域なんじゃないかな、と思った。不用意に蓋を開けると、溢れ出すようなパンドラの箱。ただ、生きている生身の人間らしさに溢れているのは確か。そして、新鮮な感情というものはその時にしか感じ得ないもので、記録しておくことは絶対に意味があると思った。
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わずかばかりの渡した日記原稿を初めて読み返して、覚えてないことばかりで驚く。ここに書かなければ一生思い出すこともなく、誰にも知られることのなかった日々。こう考えると、記憶は端からこぼれていくものだし、こぼれたものはもう二度と救えない。でもシミのように残るものがあったら、わたしはそれを見つめて書くんだろう。
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もう、私が何か感想を述べるようなものではない。
最後、紙の色が変わってからはじまる「降伏の記録」という名の手記。すごいものを読んだ。
ここまで正直に文章にした一子さん、読ませていただいてありがとうございました。
そして、私は、これから先の一子さんの綴る日記を読みたい、石田さんがとうとう亡くなってしまった時、どうだったのか、すごく読みたいと、残酷にも思ってしまった。
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あと数十ページのところでものすごいパンチが飛んできてやられた。でも止められない恐ろしさっていうか、ページを折りたくなるとこもあったりして、読みたいのか読みたくないのかわからんかった。
本編と後半(白いところ)の差がすごい。ベクトルの違う辛さが書かれてる。次出たら読むかなぁ。自ら進んで読む自分が酷い人間のような気もするけど、たぶんそれは思い上がりだ。ここまで来たら見届けたいような。
「責めたい・共感できない」があるんだけど、その逆もある。
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「記録していないと、全てを忘れてしまいそうになる」
正にそれで、自分も日記をつけようかと思った。
批判的な感想も多々見受けられるこの本だけれど、読んでいてそういう気持ちにはならなかった。共感できる部分もあったし、理解できない部分もあった。
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相変わらず賛否両論ある方。諸手あげて賛!ではないけれど、わかるなーとか心当たりがあるな…という部分結構ある。居ると思うよ、こういう人。あたしは違うけどね。うちの旦那さんもこんな部分持ち合わせてる。文中で石田さんが言ってる「わからないことをわからないままにできない人がいる」からあーだこーだ盛り上がるんだろう。著者本人も自分と同じような、そういう人に向けて書いてると言っているんだし、何より石田さんが彼女をそのまんま受け止めてるんだから良しとしよーよ!ただ、ちょこちょこ本人も心配している、娘たちがこれを読んでどこまで共感したり理解してくれるか…こればっかりはなー。同じ環境で暮らしていたって娘たちも「個」ですから。著者にとって最悪の反応、結果も覚悟はしておかねばねとは思うかなー。これで2冊目、かなわない他も読んでみます。
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「かなわない」から続けて読んでいるが、子供達が成長し落ち着いてきたようにも思えたところの夫の闘病生活。そして、巻末のページ。体力、気力があるときに読まないといけない本だったことを思い出した。
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時々登場するカウンセラー(?)の先生の言うことをそのままなぞってるのかな?と思うところもあるけど、著者の夫である石田さんを含む身の回りの人々に対する「肯定」も「否定」もすべて著者の本心だと思うので、やじろべいのように揺れる自分自身を「否定」してほしくない。
ここのレビューを少し読んでから覚悟をして読了しましたが、著者に嫌悪感を抱くことなく読めたのは私が先生の言うところの「傷つけても傷ついてくれないモンスター」の部類の人間なのかもしれない。このモンスターが傷つき苦しむことが著者と向き合うことになるのだろうか。
著者とお母さんとの関係はまだ書いていないこともあるのでは?と推測します。
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マックグリドルみたいな一冊。賛否あれども「あ、これは、なんというか、分かる。理解できる。そうだよね」ってなる。
「およそ全ての文章は誰かに読まれる為にある」というフレーズをどこかで見たことがある。書くと読むは表裏一体にあるもので、決して人に見せられないような日記ですらいつかは誰かに読まれたいって心の根っこでは思ってる、だからリスクを負ってでも書いて残すんだって。人は誰かに自分を分かって欲しい、言っちゃえば認められたいし、愛されたいし、求めて欲しい。ただこの植本さんはその気持ちが人より強く出るし、そして出続ける。
当たり前のことだけど、自分の人生を徹底して第一優先に考えることができる人だなぁと思う反面、自分が他人によって損なわれるリスクがあるのにも関わらず、きっつい暴露本を出版しつづけるのはなぜなのか。いろいろとイレギュラーゆえに心無い書評に容赦なく傷つけられる描写だってあるのになぜ?きっとそれは、多くの人に意識してもらえるという点で炎上すらをも心の奥底で求めているからなのかなぁ。
仕事も育児も恋愛もすべては自分の人生を豊かにする手段であり、自分が認められる為の言ってしまえばコマ。 当たり前のことなんだけど、みんなそりゃあえて言おうとはしない。なんというかそのキッツイ部分が結晶化したものを、黒い泥の中からボンと引きずり出してきたもんだから、目を背ける人や嫌な顔をする人も多いのかなって一冊。
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この次の「台風一過」も既に読み終わったから、感想はやや難しい。
文中によく出てくるスエイさんって、末井昭さんのことだよね?次は末井さんの本を買おうと思っているけど、お勧めある??
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2017年刊行。2016年11月から2017年8月くらいまでの期間のことが書かれている。
夫である石田さんが家にいる期間いない期間を通して、その都度その都度どんなことを感じ、一体著者にとって石田さんはどんな存在だったのか考えていく過程を見せることが本書のひとつのポイントなのだと思う。
学生時代のエピソードを読むと、目標を実現するための行動力と戦略性に長けている人なのがよくわかる。それと、人とのコミュニケーションの取り方も場数を踏んでいるだけあって、自分なりのやり方が確立できている人なのだと思う。生きる力がすごい。そして、うらやましい。
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青山ブックセンターで平積みしてあって著者のことを知り、夢中になって一気に読んでしまった。読んでいると辛くなり、読んでいない間もずっとこの本のことを考えてしまった。
ガンの闘病生活を送る家族に対する葛藤を、ここまで正直に書いた人は他にいなかったのではないかとおもう。普通は葛藤を書いても、もっと自分を擁護する言い方をしてしまうから。自分の醜い部分を曝け出す一方、周囲に対する批判が少ないのは、著者自身の懺悔の気持ちからではと思った(そんな自分を認めてほしいという気持ちや、商売上手な方なので、インパクトを狙ったというのもあるのかもしれないけど)。
それにしても惹きつける文章で、素晴らしい才能の人を発見してしまったという感じ。実際の本人も、きっと人を惹きつける、魅力的な人物なのだろうなあと思う。
ただ、第三者としてはやはり読んでいてECDが可愛そうになってしまうので、星は3。
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また読んでしまった・・・
読み終わるたびに『もうこの人の本は読みたくない!』と心から思うのに
忘れた頃にまた、新刊を手にしてしまう。
今回も彼女の心の中は『わたし』で満員だ。
どうして思い通りにならないことがあるたびに
人ばかり頼るのだろう。
丸ごとの自分を人に預けようとする人がいたら
私なら全力で逃げる。
誰といたってどんなに信頼する人がいたって
人間は基本ひとりだ。
自分の感情のお守りを人にさせてはいけない。
でも心をザラつかせながら、
私はまたこの人の本を読んでしまうのだろう。
そのくらい彼女の文章には人を惹きつける魅力があると思う。