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銀塩カメラ至上主義!
著者 著:赤城耕一
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銀塩カメラ至上主義!
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銀塩カメラ至上主義!
商品説明
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
デジタルカメラだけで本当にいいのですか?美しいデザイン、滑らかな作動感触、ささやくようなシャッター音…。誰よりもカメラを愛してやまない写真家が熱く伝える、35ミリ銀塩(フィルム)の伝説の名機たちの肖像。
目次
- 1 MF一眼レフ(ニコンF
- キヤノンEF ほか)
- 2 AF一眼レフ(ミノルタα‐9
- キヤノンEOS‐1N RS ほか)
- 3 レンジファインダー(ライカM3
- キヤノンP ほか)
- 4 コンパクト(リコーGR‐1V
- ライカミニルックス ほか)
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カメラ狂の詩
2007/01/23 07:56
11人中、11人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タカザワケンジ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いまどき「カメラを買う」といえば十中八九デジタルカメラだろう。ほんの数万円で、失敗もなく撮影できて驚くほどよく写るデジタルカメラが手に入る。実用的な撮影機材として考えた場合、デジタルのアドバンテージは大きい。
しかし、一方で、人気フォトグラファーたちの多くは銀塩カメラを使っている。あるいは、写真を趣味にしている人たちはしばしば「銀塩フィルムカメラでしか出せない味」について熱心に語っていたりもする。カメラ趣味、写真趣味を持たない人にとってはある種の「信仰」としか感じられないかもしれないが、人間の精神生活を豊かにするのは、合理主義で切って捨てられない魅力を持った道具とのつきあいではないだろうか。
赤城耕一の『銀塩カメラ至上主義!』は、まさにそのような道具とのつき合い方を教えてくれる一冊だ。
著者は写真家として雑誌、広告などで活躍する一方、カメラ雑誌でカメラやレンズについての論評を行っている。そのスタンスは、カメラを仕事のための道具としてシビアに批評する一方で、写真の歴史を作ってきた写真作家たちの作品づくりを参照することにより、カメラという道具の可能性を探るものである。そのカメラ評論に信頼を置くファンは多い。
本書は全84機種の35ミリフィルムカメラを取り上げ、それぞれの特徴、魅力を伝えている。赤城式カメラカタログとしての充実は、400ページを超えるページ数に現れている。
これまでの赤城の著書と比較して、まず、その登場するカメラの量に興奮させられるが、内容も充実している。「アサヒカメラ」の連載を元に加筆訂正されたものだが、長期連載という「場」の力なのか、ほかの著書よりも肩の力が抜けて本音が垣間見える。
たとえば、それぞれの項目の書き出しはしばしば、急速にデジタル化されていく仕事での撮影現場であったりするのだが、周囲の状況がデジタル化していくのに反比例するように、赤城は銀塩フィルムカメラへの傾斜を深めていくようだ。そこには失われゆくものへの郷愁など微塵もなく、ただ「写真を撮る」ことへとまっすぐに向き合おうとする著者の姿勢があるばかり。そのあたりも、この著者ならではのスタンスだろう。
とはいえ、真面目一方の堅苦しさだけではない。これまでの著書以上に、著者が根っからのカメラ好きであることをはからずしも「告白」しているのも本書の魅力だ。いわば、カメラへの愛を時には照れながら、時には大真面目に語っているのがほほえましい。
本書に収められている35ミリ判カメラ以外にも、連載には登場する。ぜひ続編を期待したい。加えて、版元にお願いしたいのは、一点でも多く、作例写真を掲載してほしいということだ。本文を読むと、そのカメラで撮影した写真が見たくなる。それはカメラ好き、写真好きなら共通する欲求ではないだろうか。
銀塩カメラファンはもちろん、デジタルから写真に興味を持って、銀塩カメラに入門したいと思っている人にもおすすめの一冊である。