電子書籍
「南京事件」を調査せよ
著者 清水 潔
なぜ、この事件は強く否定され続けるのか?戦後七十周年に下された指令は七十七年前の「事件」取材?「知ろうとしないことは罪」と呟き、西へ東へ南京へ。いつしか「戦中の日本」と、...
「南京事件」を調査せよ
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「南京事件」を調査せよ mission 70th (文春文庫)
商品説明
なぜ、この事件は強く否定され続けるのか?
戦後七十周年に下された指令は七十七年前の「事件」取材?
「知ろうとしないことは罪」と呟き、西へ東へ南京へ。
いつしか「戦中の日本」と、言論の自由が揺らぐ「現在」がリンクし始める……。
伝説の事件記者が挑む新境地。
解説・池上彰
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紙の本
南京事件
2019/07/27 02:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「南京事件」について調査するという、とても重い内容の一冊ですが、文庫なのでそれほど気負わなくても読めるのではないでしょうか。
紙の本
南京大虐殺はあった
2022/02/23 21:44
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は「南京大虐殺」という事件があったのか、なかったのか、数多くの文献に目をとおしているつもりです。そこで感じるのは、なかったと主張する人の多くが右翼陣営の人で、日中戦争当時、まだ生まれていなかった人が多いなということ、戦中、戦後すぐに書かれている作家の作品に描写されている戦地での日本兵の中国人、朝鮮人の扱いが蔑視に満ちていること、そして、この本を読み終えて、やはり虐殺はあったとしか考えられない、もちろん、その数まではわからないが
電子書籍
いくらか著者本人の叙情的というか感情面のようなところが見え隠れする
2022/03/26 18:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:matsuzaka - この投稿者のレビュー一覧を見る
テレビ番組にもなった南京虐殺事件のドキュメンタリー。
記録をどうたどるか、どういった責任で取材等を整理して発表するか、本件に限らず、いつまでも無くしてはならないものと思う。
スタンスとか主義主張とか思いとかは、事実に基づいていないと、何の重みも無い。
時間が経つと、人の記憶は少しずつおぼろげになってしまう。
しかし、時間が経たないと、取材が難しいことがあるのも、社会の中に生きる人間の、一つの側面と思う。
いくらか著者本人の叙情的というか感情面のようなところが見え隠れすると、ドキュメンタリーや事実としての側面として、読む側が寄せる信頼の拠り所が少し揺らいでしまう気もして、そこが★5of5にしきれなかった点だけど、それも人間が取材して本やテレビに仕上げる、人間だから、それでいいのだと思う。
何より、「戦争はいかん」と、戦争を経験した人が言う姿が本書にもいくつも見られて、
当たり前だが、改めて、戦争はいかん、ということを、さらに今後もずっと当たり前にしていかねばならない、そう痛感した。
紙の本
大手マスコミが触れたがらない「南京事件」の真相に迫るノンフィクション
2018/05/01 19:15
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
日中戦争において日本軍が南京で中国の一般市民を虐殺したとされる南京事件。未だに「中国のねつ造だ」「中国のプロパガンダだ」と主張する人も多く、某大手新聞社もその見解を支持しています。著者の清水氏は従軍兵士の日記を基に可能な限り「事実」を追い求めて取材を進めています。そのプロセスは理詰めで飛躍がなく、非常に説得力のあるものです。本書を読んだ個人的な印象としては南京事件は”あった”と言ってよいのではないでしょうか。
南京事件の取材の延長上に、日清戦争で起こったもう一つの虐殺の件にも触れています。日本では教科書にもほとんど取り上げられることのない出来事であり、私も初めて本書を読んでその存在を知りました。
太平洋戦争を顧みる報道では「原爆・空襲・沖縄戦」などが多く、これは戦争によって被った被害者の視点と言えますが、日本が加害者となった事象についての報道はまだ数少ないのが現状です。その状況に一石を投じる一冊であることは間違いないと思います。次の一文が印象的でした「どれ程に長い時間が過ぎ去って、加害者側からはもはや消し去りたい歴史であっても、被害者たちは決して忘れることはない。戦争とは、つまりそういうことなのであろう」
紙の本
今日は、終戦記念日。戦後を永遠に続けるために、今日ぐらいはみんなで過去の戦争の真実を見つめることが必要だ。
2018/08/15 08:28
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くりくり - この投稿者のレビュー一覧を見る
「調査報道とは何か」、「安倍政権が集団的自衛権を成立させた理由と過去の戦争が始まった経緯の酷似」、「日本の若者に過去の戦争責任が有るのかどうか」この3点について深く考えさせるものがあった。
いま、日本のマスコミは政府発表の広報を垂れ流す、ていたらくに陥っている。はては、「南京の虐殺はなかった」というプロパガンダ報道もある。もちろん安倍政権を支持する人たちと言えば言い過ぎだが、その中でも最右翼のような人たちは「なかった」と言うことを主張する。「戦争だからそういうこともあっただろう、しかし虐殺の数が誇大」というような主張だ。
77年前に起こったこの虐殺行為を調査報道で明らかにする試みが本書だ。
虐殺を「観た」「行った人」を徹底的に取材していく。現地に行き当時の写真と比較する。その裏をとっていく。
こうした記述の中で、日本のおどろおどろしい戦争犯罪は暴かれていく。
本書の横軸は、著者も持っていた「中国はどうしようもない」という偏見だ。その偏見がどこから来るのかが明らかになる。著者につながる人が日清戦争に参戦していたことが明らかにされる後半は、なぜこの事件が強く否定されるのか、「知ろうとしないこと」の恐ろしさについて考えさせられる。
今日は、終戦記念日。戦後を永遠に続けるために、今日ぐらいはみんなで過去の戦争の真実を見つめることが必要だ。
紙の本
「蒋介石秘録」はどこの版元なのか?
2022/02/27 23:42
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昭和12年の「南京事件は幻だった」という「歴史戦」の「主張」を吹聴している某新聞があるが、自分達が鳴り物入りで刊行していた「蒋介石秘録」で「南京事件はあった!」と書いているではないか。「凍土の共和国」で言及されている「北朝鮮の記録」で某新聞の記者の訪朝記が掲載されていて、「帰国船」で活用されている。何もかも「朝日新聞の責任」だと吹聴するなら、自分達が書いてきた事に対する「責任」を取ってほしい。「スーホの白い馬」が中共の「浸透戦術」だという本を出すなら何故、「謀略本」に賞を贈ったのか?
秦郁彦の「南京事件」で聯隊長の子息が書いた「東方の夢」にあるフランス軍による虐殺事件が引き合いに出されているのを連想してしまう。
紙の本
今の日本人がしっかり考えるべき問いかけ
2019/04/03 16:14
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
書名を見ただけでは、どれだけ信頼のおける本か判断に迷いました。
読み進めると、事実を突き詰める取材で、信頼できることがわかりました。テレビマンの番組作りはすごいなと思いました。
真実の追求とあわせて、「否定派」のやりくちがよくわかり、性懲りもなくそんな事を繰り返す連中にあきれました。だれやらがよく使う「印象操作」というのは彼らのためにある言葉なんですね。
後半で、筆者の祖父の足跡と日本の戦争の歩みが重なり、話が深まっていきます。自分ごととして戦争をとらえなおしてゆく筆者の姿には共感を覚えます。
終章の「過去を封印してしまうことが国益で愛国心なのか?」という言葉は、今の日本人がしっかり考えるべき問いかけです。
紙の本
「調査報道」で歴史を読み解く
2018/11/10 12:44
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:y-okj - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の歴史問題の象徴ともいえる南京事件を扱うことは近年益々リスキーになりつつある。国家が自己正当化のために語る歴史が国ごとに異なるのはある意味当然だが、感情的な歴史観を展開し続ければ他国と共存できない。それらを捨象し事実を冷静に受け止めるために調査報道が必要とされる。本書はそうした調査報道ひいてはジャーナリズム本来の役割を最大限に発揮し、ジャーナリズム精神の復権を世に訴える重要な作品であると思う。
紙の本
調査報道で歴史に迫る
2022/12/02 10:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
自国にとって都合の悪い出来事、特に負の歴史は、修正主義者によって闇に葬られやすい。この本が取り上げる、南京大虐殺/南京事件はその代表的な一つだろう。
これまでにも体験者や歴史家たちによって、さまざまに本などが出版されてきたが、本作は、元雑誌記者でその後日本テレビに移籍してからも、地道な調査報道でスクープを飛ばし続ける清水潔さんが、同じ手法で歴史に迫った異色の一冊。
番組もすごかったが、その番組ができるまで、できてからの裏話、苦労話なども含め、存分に読者を楽しませてくれる。歴史や戦争などを専門としてきた人ではなく、事件記者ともいえる清水さんが、さまざまな疑問をつぶしながら一次資料に当たり、何が起きたのかを浮き彫りにしており、説得力がある。
興味深いのは、番組の制作秘話で終わっていないところだ。清水さんが、自身の祖父や父の体験をたどりながら、戦中の日本と今の日本社会の歴史の連続性に気付いていく。生まれる前の出来事に対し、「私は戦後生まれで戦争とは無縁。そんなものを背負わせないでもらいたい」と思っていた清水さんが、その思いは「あの戦争とは何ら関わりのない~」といった安倍元首相の70年談話と同じだと気づき、「そうなのか?それで終えてしまっていいのか?」と自問する。
忘れてはならない教訓を、素直に突き付ける素晴らしい一冊だ。