ウェルカム・ホーム!(新潮文庫)
著者 鷺沢萠
血なんか繋がってなくても大丈夫。魔法のことば「お帰りなさい!」を大きな声で叫んだら、大好きなあの人は、たちまち大切な家族に変わるから。離婚し親にも勘当され、親友の父子家庭...
ウェルカム・ホーム!(新潮文庫)
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商品説明
血なんか繋がってなくても大丈夫。魔法のことば「お帰りなさい!」を大きな声で叫んだら、大好きなあの人は、たちまち大切な家族に変わるから。離婚し親にも勘当され、親友の父子家庭宅に居候しながら、家事と子育てに励む元シェフ渡辺毅と、再婚にも失敗し、愛情を注いで育てあげた前夫の連れ娘と引き離されたキャリアウーマン児島律子。それぞれの奮闘に温かな涙がとまらない2つの物語!
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おかえりなさい!温かな声がする。
2009/10/05 23:12
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ジーナフウガ - この投稿者のレビュー一覧を見る
流行作家と呼ばれる人の作品は往々にして、ある世代の「青春」を
鮮やかに切り取った内容である事が多いように思う。
村上春樹さんの【風の歌を聴け】しかり、吉本ばななさんの【キッチン】しかり。
鷺沢さんも又、80年代末から、90年代初頭に掛け、数々の傑作青春小説を発表している。
この年代は正に『バブル』が膨らみ、弾ける時期と符合しているので、
彼女の書く文章には、何時でも独特の熱と、危うい程に鋭く冷静な感性が同居していて、
大いに共感を覚えたのだった。良くも悪くもある時代の、
ある空気を纏った作家の1人だと言えるだろう。彼女の遺作とでも呼ぶべきこの作品にも、
バブルに、その後の人生を決定付けられた男女が登場して来る。
親から引き継いだ洋食レストランを、バブリーな感覚で、テキトーに経営した結果、
泡が弾け飛んだ後、全てを失い、実の両親からも「顔も見たくない」ということばを投げつけられた、
三十代バツイチ勘当息子、更にホームレスになってしまった毅(たけし)。
そんな毅に救いの手を差し伸べたのが、毅の学生時代からの親友で、
決してテキトーな人生を送って来た訳ではないのに、病気の妻に先立たれてしまい、
幼子憲広を抱え途方にくれていた英弘。渡りに舟で、シェフならぬ、シュフとして、
英弘の家に転がり込んだ毅。それからは幼い憲広を育てたり、シュフとして、とにかく、
ひたすら真剣に日々を過ごして来た。けれど、そんなある日、偶然の事故により、
読んでしまった憲広の作文。そこに書かれてあった自分の普段の姿を見つけ、毅は、
代理父親としての自分や、自分の中にも、『男の沽券』を気にしている部分があるのを
再発見してしまい、悩み始めるのだった…。端からみれば、
本当に細やかな悩みの様に思われる点を、1人ウジウジと考え続ける毅の姿と、
アッケラカンと「俺はお前意外の人間に憲を任せたくないもん!」と
言ってのける英弘との態度や考え方の違いに、「あぁ、こういうのもありだなぁ」って
不思議に穏やかな気分になれました。ラストの方で、毅が導き出した結論、
「自分が向いてない分野のことは、向いてるヒトに任せる。その代わり、
自分は自分が向いてる分野で役に立つ。それでいいんじゃないっすかね」って考え方には、
血の繋がりだけじゃない、新しい家族=ファミリーの姿に、思い切り、大きな声で、
エールを贈りたくたりました!!同時収録の『児島律子のウェルカム・ホーム』にも、
本当に家族の在り方について、色々と考えさせられます。夫の身勝手な借金と浮気によって、
離婚した児島さん。それによって、自分が手塩にかけて育ててきた義娘聖奈と
引き離されてしまいます。夫の家庭では、嫁は所詮他人、孫娘も結局は嫁ぐから他人という、
些か封建的とも言える考え方が根強く残っています。
娘にとっては、父親、母親で家族でも、夫と妻って最終的に家族たり得ないのかなぁ…?
なんて考えてしまいました。けれど児島さんの場合、産みの親より、
育ての親として可愛がってきた事実があるから。やがて、その事実が、
物語を大きく動かすのだから、家族の結びつき方、否、人と人との結び付きって不思議だなぁ、と
思いました。ある意味血よりも濃く、深い、情愛の絆を感じるラストは感涙物です。
『おかえりなさい』と迎え入れてくれる人や場所の大切さを痛感する、温かさに充ちた本です!!
もう少しで泣くところだった。作品や言葉は生き続ける。
2018/05/08 22:15
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
バツイチ子持ちの親友の家に転がり込んだ男は、家事を代行しながら子育てに関わります。気になるのは周囲の人々や恋人の視線。それが「オトコの沽券」問題だと気づきます。ユーモラスでまっとうな小説。35年の短い生涯の半分を作家として駆け抜けた鷺沢萠さん。「残るものを書いていきたい」と話されていた通り、「ウェルカム・ホーム!」が復刊されました。あなたが書いて下さった本を大切に読み継いでいきます。
変わった家庭
2023/05/25 07:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:lucky077 - この投稿者のレビュー一覧を見る
仲良く繋がった家族(家庭)の話かと思ったら、血が繋がっていないが一緒に住んでいる(ちょっと変わった)家族のつながりを描いた話でした。