羊と鋼の森
著者 宮下奈都
第13回本屋大賞、第4回ブランチブックアワード大賞2015、第13回キノベス!2016 第1位……伝説の三冠を達成!日本中の読者の心を震わせた小説、いよいよ文庫化!ゆるさ...
羊と鋼の森
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商品説明
第13回本屋大賞、第4回ブランチブックアワード大賞2015、第13回キノベス!2016 第1位……伝説の三冠を達成!
日本中の読者の心を震わせた小説、いよいよ文庫化!
ゆるされている。世界と調和している。
それがどんなに素晴らしいことか。
言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。
高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律の世界に魅せられた外村。
ピアノを愛する姉妹や先輩、恩師との交流を通じて、成長していく青年の姿を、温かく静謐な筆致で綴った物語。
解説は『一瞬の風になれ』で本屋大賞を受賞した佐藤多佳子さん。
豪華出演陣で映画完成!
外村青年を山崎賢人、憧れの調律師・板鳥を三浦友和、先輩調律師・柳を鈴木亮平、ピアニストの姉妹を上白石萌音、萌歌が演じています。2018年6月8日公開。
「才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り当てていくしかない。(本文より)」
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とても静かなお話
2018/06/29 10:42
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:touch - この投稿者のレビュー一覧を見る
ピアノは、「羊」毛のフェルトで「鋼」の弦を叩いて音を奏でる。
そのピアノの調律という「森」に入り込んだ青年の話。
何ともおしゃれなタイトルだ。
このタイトルが表すように、内容も、とても静かで優しい世界。
ふとしたきっかけで、調律の世界に足を踏み入れた青年が、迷いながらも成長していく姿をゆったりと描いている。
いわゆる職人の世界なのだが、ストイックになり過ぎず、でも自分の世界を追い求める様子が、読んでいて心地いい。
何かに魅了され、夢中になって行く様は、ちょっと羨ましくもある。
調律や音楽に関する専門的な話も出てくるが、説明的な表現でないため、スッと理解することができた。
今度、コンサートに行くとき、ピアノの聴き方に楽しみがひとつ増えた。感謝。
うっかりすると涙が出そうなくらい
2018/05/21 23:03
10人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮下奈都『羊と鋼の森』を手したのは、話題になったからではなく、なんとなく表紙に惹かれたから。
読んでみると、調律師の物語でした。
タイトルは、ピアノのことなんですね。
音楽の素養がないので読みこなせたかどうかはあやしいのですが、読んで幸せな気持ちになれる本でした。
「本屋大賞」に選ばれるのも頷けます。
心に残ったフレーズ2つ。
「才能っていうのはさ、ものすごく好きだっていう気持ちなんじゃないか。」
少女の弾くピアノの音色について、「ただ、やさしくて、美しくて、うっかりすると涙が出そうなくらい素直に胸に響く。」
自分の選んだ仕事の役割
2019/03/27 10:51
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ジミーぺージ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本屋大賞作品です。
ピアノの調律にたった一度立ち会っただけで、それに魅せられて調律師になった
青年のお話しです。
ピアノの調律は、ピアノの置かれている場所、広さ、演奏者の技量、演奏者の
欲する音色、鍵盤やペダルの感触など、それらを反映して行われていることを知り
ビックリしました。
主人公は調律師の仕事を次のように言っています。
『ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、七つの音が(正確には半音も入るから十二の音だが)
抽出され、名前をつけられて、星座のように輝いている。それを膨大な音の海の中
から正確に拾い上げ、美しく揃え、響かせるのが調律師の仕事だ。』
この本に登場する人物はみんな心が綺麗な人ばかりで、気持ちに清潔感が溢れて
います。純粋な人たち。
もし、今の仕事に迷いがある人は是非読んでみて下さい。
きっと、自分が選んだ仕事を深く考えるきっかけになると思います。
瑞々しい青年の成長記でもある。再読の価値ある小説です。
2021/05/08 17:41
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トッツアン - この投稿者のレビュー一覧を見る
単にピアノの調律師の物語と片付けるには惜しい小説です。
「のだめカンタービレ」では天才的な主人公のドラマでしたが、実はピアノには調律師がいかに欠かせないかということを、よくよく実感させられる内容でした。
人生観、仕事観の異なる個性豊かな先輩に囲まれ青年は自分の道を探りながら成長していきます。勿論、個性豊かな先輩方も、テンでバラバラなのではなく山の頂を目指す事にかわりなく、道が異なるだけ。だから、分かり合えるのだと思います。
瑞々しく、清々しい表現により文章も活きています。
読んで良かったと思いました。
また、間をおいて読みます。
この夏にこそ!一読かも。
2018/07/19 22:12
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:neko - この投稿者のレビュー一覧を見る
映画の予告を観て、その映像、世界観に惹かれてこの本を購入した。そして音楽の知識がないので、まずは映画を観てから書籍を読んでいる。
映画で感じた、深緑の少し冷たい澄んだ空気。
本書を読むと、更にしっかり味わえる。
そして、静かに流れる透明な空気を全く損なわず映像によくなったと感心してしまった。
とても稚拙なコメントですが、
この猛暑の中でも、涼しくしっとり静かな世界を充分にお楽しみ頂けます!
深く入ってくる話
2018/07/07 13:03
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にゃんこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分がピアノを少し弾くので、惹かれて購入しました。昔、イギリスでとても美しい演奏をされるピアニストからピアノを習ったことがあり、その先生のような美しい音を出すことが、自分の生活の目標・道しるべでさえありました。その思いを、調律という立場から見ているように感じ、100%同じではないにしろ(100%同じ感じ方というものはあり得ないと思いますが)、とても共感しました。美しい小説だと思います。好きになりました。
出会いは偶然であり必然でもある
2018/05/25 12:58
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なお - この投稿者のレビュー一覧を見る
出会いとは突然である。人であれ物であれ、それは必然的なものなのか偶然なのかはわからないが、主人公は調律師に出会いとても衝撃をうけ、影響をうけて同じ道を歩んでいくこととなる。そういったその後の人生を左右するような出会いはなかなか見つけることは難しいものであり、もしかする気が付かずに通り過ぎているかもしれない。この物語がいろいろな賞を獲得するのには理由はいろいろあるのだろうが、自分としては、主人公がどんどんと技術的にも人間的にも成長する過程において応援したくなるようなパーソナルティがあるのではと考えます。
美しい小説
2024/10/23 12:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なのはな - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんて美しい小説なんでしょう。調律師という特殊な職業の魅力を余すところなく伝えるとともに、繊細さが要求される厳しい現実にも触れられています。全編素晴らしい物語なのですが、特に終盤のクライマックスの描写は感動ものです。文字がキラキラ光るような躍動感と心の昂りを味わえるまさに奇跡の小説だと思います。単なる音楽小説と呼ぶにはあまりにもったいない見事な物語でした。
「形容詞」で出来上がった作品
2023/01/01 09:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
今の時代には珍しいほど「形容詞」で出来上がった作品である。ピアノ調律師というややマイナーな職業を選んだ主人公が、先輩 顧客との関わりを通じて成長してゆく という、ストーリー構成そのものもしっかりとしていて面白い。しかしこの作品の特徴は、多くの文字数を費やして表現されている 音のイメージの表現である。ハードボイルドのような形容詞が少ない作品を好んできた私にとって、とても新鮮な作品であった。
『羊と鋼の森』を読んで
2022/06/22 17:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きよ - この投稿者のレビュー一覧を見る
これはピアノ調律氏の青年の成長物語であり、青春小説です。
音楽に疎いぼくでも、楽しく読めるか心配でしたが、そんな心配は無用でした。
主人公の葛藤が胸に迫り、主人公と一緒にピアノ調律を、恋を、一緒に楽しんだり苦しんだりできました。
ヒロインに双子の女子高生が出てきますが、最初はこっち狙いだろう、と思っていたら違う人を主人公が愛したのが意外でした。
天才板鳥さんの存在が、私の知人のピアノ調律師と重なり、余計に愉しく読み進めることができました。
素晴らしい作品をありがとうございます!
宮下奈都さんのファンに…
2021/06/30 23:50
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:rabbit@ - この投稿者のレビュー一覧を見る
友人から勧められて読んでみました。宮下さんの作品は初めてですが、全く知らなかったピアノの調律師さんのお仕事を通して 新しい世界を見せてもらえ、すっかり宮下さんのファンになりました。音楽のことも造詣が深いご様子と読みながら感心しておりましたら、作曲家の笠松泰洋氏からも取材された旨を最後の謝辞で見て、驚き納得いたしました。楽器を学んでいる娘やその友人にも是非 勧めてみようと思っています。
明るく静かに澄んで懐かしい
2021/02/28 13:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の先輩が原民喜の「明るく静かに澄んで懐かしい文体、少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えている文体、夢のように美しいが現実のようにたしかな文体」という言葉を引用していますが、まさにこの言葉通りの本でした。ピアノにも調律にも全く興味や知識がなくても引き込まれて静かな感動に包まれました。
ピアノ
2020/04/30 19:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぱーぷる - この投稿者のレビュー一覧を見る
羊と鋼の森の実写映画を見て、この作品の世界が好きになり原作を読みたくなりました。何かとの出会いってすごいなと思いました。出会いを大切にしていきたいと思いました。
主人公のこれからも応援したい
2019/01/28 22:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
直前に読んだ「進化の時計」がタイトルで難しい本だときめつけて読んでみたら・・・、と書いていたらこの本はその逆で「羊と鋼の森」というから羊にまつわる軽い話が連続するのかと、本屋大賞受賞ということがよけいにコミカルな内容と勘違いしていたのかもしれないが、私にとっては重い話だった。ピアノ調律師になったばかりの外村を囲む人たちがいい。神様板鳥や先輩柳さんもいいが、私はやはり一癖ある素直ではない秋野さんがいい。私は彼の印象を俳優の滝藤氏にだぶらせて読んでいた(映画版では光石研氏が演じていたらしい、それもあり)。自分が何に向いていたのかと50をすぎて思う私には、この主人公はまぶしすぎる
1ページ目から引き込まれました。
2019/01/14 03:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:言音 - この投稿者のレビュー一覧を見る
表現がとにかく綺麗だった。主人公が初めて調律と出会う場面で、ピアノの音色を森の風景に喩えていたのが衝撃的だった。その表現に感動して、1ページ目から物語の世界観に魅かれた。「ピアノの原風景」という言葉が印象的だった。
主人公の成長の過程もリアルだった。彼は才能は無く、一つの出来事によって大きく成長する訳でもない。ひたすらに経験を積んだり先輩の話を聞くことで少しずつ成長していく。地道な努力がとてもリアルで共感した。
美しい風景描写と新人調律師という現実的な立ち位置との落差に不自然さは無く、最後まで損なわれることのない美しさが魅力的な作品だった。