紙の本
2つの要素から見た本書の良さ
2021/08/26 08:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルに題した2つの要素とは、雑草という植物の凄さと『あとがき』です。
本書では雑草が他の植物と何が違うのか、どの様な生態なのかについて、詳述してあります。ダーウィンの「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である」に集約されます。また、雑草の中でも種子植物に言及した箇所があり、「胞子と違い種子は固い皮で守られている為、乾燥に耐えられる、水が得られる迄待つ事ができるタイムカプセルである」、とは言い得て妙です。植物にとって環境は大事であり、その環境は常に変化する、よって植物に安住の地はない、雑草になるためには特殊な能力が必要で、雑草はどんな条件であっても、最大限のパフォーマンスで種子を残すという事について生命の強さを感じました。
もう1つである『あとがき』ですが、この『あとがき』がズシリときました。本書は中高生向けに書かれたとありますが、大人に対しても言える内容です。雑草というこの植物の生きざまは人間にも通暁するものだよ、ということを優しく諭してくれていました。述べられた『あとがき』に井上ひさしさんの「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことをゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」があり、心を打ちました。
電子書籍
雑草というと
2019/04/02 22:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
子供の頃、土手に土筆取りにいった時に、周りに生えているアザミに触ってしまって痛い想いをした事を思い出す。だから雑草=アザミという印象しかないが、他の雑草のことも知りたい!
紙の本
中学受験の国語で取り上げられる著者の作品
2018/11/07 17:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:気まぐれネット購入者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の著者の作品は、中学受験の国語でよく取り上げられることで有名だそう。とりあえず、一冊なにか購入してみようと読んでみた。面白いので他の著書も読んでみたいと思わせてくれる本であった。
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
雑草魂などといいますが、本当に生命力があって、力強いんだなと驚きました。雑草を改めて、よく見てきたくなった。
投稿元:
レビューを見る
雑草は戦略が違うのであって、強い弱いではなさそうだ、どうやら根絶はどうにも難しそうだ。踏まれたら立ち上がらない、は確かにおっしゃる通り。頑張って2月中に芝生のネヒシバ抜こう。うう。
投稿元:
レビューを見る
雑草は遷移の初期段階にだけ生える植物。
耕したり、草刈りをすると、リセットされてしまう。
休眠
土の中でチャンスをうかがっている。
水、酸素、温度。
赤色光で周囲に他の植物がいないことを認識。
多様性
変えられるものを変える。
種子を結ぶことは変えない。
ミツバチ
頭が良く、働き者、飛翔能力が高い、紫色を好む、
紫色の花
たくさんの蜜、蜜標と細長く入り込みにくい花の形
自殖を避ける
雌しべの方が長い。
ウリ科は雌花と雄花、キウイは雄の木と雌の木。
種子植物
花粉と種子で移動
外来種:明治末期から日本に来たもの
日本の欧米化で帰化植物に有利な環境が増えた
西洋タンポポ:他の植物が生えない新しい土地で繁殖
家畜のえさがトロイの木馬に
アレロパシー:化学物質を出し周囲を抑制、一定期間は有効な化学兵器
除草剤
2,4-D:イネ科以外に効き、生理作用を混乱させ枯らす。
生物除去
アイガモが虫を食べ、泳いで水が濁り光が不足
鯉、ジャンボタニシ、ヤギに食べさせる
ナンバー1の棲み分け=ニッチ(生物的地位)
すべての生物はその場所でナンバー1のオンリー1
うまくいかないときは「ずらしてみる」
教えない力
投稿元:
レビューを見る
雑草は普通の草では生育できないところに育つがそれは他の草と競争すると勝てないので、ニッチを見つけたということ。必ずしも「雑草魂」と言われるような強さではなく、賢さとしている。人間がその生息範囲を広げ自然を変えていくのに対応して雑草も適応してきた。
競争力、撹乱対応力、ストレス耐性の三つが植物の生存するキーとなる。通常の土地であれば、早く成長し他よりも養分の取れる植物が勝つが、毎年耕されている土地、砂漠などの気候の厳しい土地では、後者の二つが重要となる。
雑草の戦略は、土地が変化すると発芽、ランダム性の高い発芽確率、他の株がなくても種を作れる(自殖)、などなど。
新書なので内容はあっさりとしているが、著者の雑草への愛が伝わるので星一つプラス。
投稿元:
レビューを見る
これは目からウロコが何枚も落ちる既成概念を
覆す本です。
「雑草魂」と言うと、何となく強くてたくましい
イメージがありますが、本当の雑草は全く違います。
都会のコンクリートのスキ間にしたたかに生えてくる
「強さ」を感じさせるのは全くの誤りで、
要はそこでしか生きられないから、仕方なくコンクリートのスキ間に生えているのです。
つまり理由があるのです。
その理由や、その他の色々な植物の特徴など、
普段は気にも留めないが、素晴らしい仕組みに満ち溢れて
いる雑草の世界を説明してくれる一冊です。
投稿元:
レビューを見る
雑草、その生き様はたくましく生存を賭けて様々な戦略を駆使して生きている。
特に「ナンバー1になれるオンリー1を探すという生物の世界の営み」は人の生き方として参考になるとの記述があるが、興味深い指摘だと思う。
投稿元:
レビューを見る
他が生えないところに生える。芝刈りの高さに合わせて伸びる高さを変える。踏まれたら立ち上がらない戦略。
投稿元:
レビューを見る
タイトルに惹かれてつい手に取ったが、とても面白かった。雑草は植物としての競争力は弱いが、環境の変化に強く、同じ種の中でも多様性がものすごく大きいそうだ。
根性論や叩き上げの形容詞として「雑草魂」みたいな言い方をする事に違和感があったので、雑草の実態とはだいぶ違うことがわかり、溜飲が下がったな。ベタだけど、人間社会のメタファーとしても読みたくなる。
投稿元:
レビューを見る
第3章の"雑草の発芽戦略"は意外な事実が満載で非常に楽しめた.確かに言われてみると,援助なしに育つためには様々な選択肢を持っておくことが生き延びるために重要なのだ.また第6章の"繁殖戦略"はさらに面白かった.雑草の生き方は人のそれにつながるような気がしてきた.
投稿元:
レビューを見る
雑草に関する本。
今まで生きてきて、雑草とは学校のグラウンドや畑に生えるしぶとい草…くらいに思ってなかった。
しかし、どこでも生えているように見える雑草は荒れ地にしか生えないという事実に驚いた。緑化が進むと、雑草に日光が及ばないほど背の高い植物が生え始めるからだ。定期的に手入れがされ、環境がリセットされる人間の領域で雑草は生えやすい。だからこそ、人間にとって身近な植物になっている。その環境の中で、人間によって間引かれる植物は生き残るために、人間の活動に合わせた進化をしてきた。それが雑草という植物。
目に見える世界が全てではない。雑草を見たときに、それが草であることや、自分の身にとって直接的な脅威にはならないことを経験上知っている。しかし、それしか知らない。この本を読んで、自分が意識していないだけで目に見える世界のほんの一部分の世界は、とんでもなく深い世界の歴史や知識へつながっていることを自覚できた。
投稿元:
レビューを見る
タイトルに惹かれて購入。こういうシンプルな問いを立てることができるようになりたい。雑草の生存戦略はスタートアップのそれにとても良く似ている。まさにニッチな分野で独自の強みを発揮し、チャンスにあってはスピード感もって展開し、不利な状況では目を出さずじっと時を待つ。巻末に載っていた井上ひさしさんの言葉「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを面白く、面白いことを真面目に、真面目なことを愉快に、愉快なことはあくまでも愉快に」を知れてよかった。
投稿元:
レビューを見る
・雑草は弱いからこそ、環境に適応できるように様々な戦略を持っている。
・ただオンリーワンでは生き残れない。オンリーワンな環境の中でナンバーワンである必要がある。
・「雑草は踏まれても踏まれても、必ず花を咲かせて種子を残す。」
人生訓になる新書でした。折を見てまた読みたい。