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松本清張 「隠蔽と暴露」の作家
著者 高橋敏夫
社会全体に陰鬱な雰囲気がひろがりつつあるこの時代に、松本清張が再び求められている。本書は清張の表現の核にあった「隠蔽と暴露」の方法をたどる。そして、清張の作品をとおして、...
松本清張 「隠蔽と暴露」の作家
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松本清張「隠蔽と暴露」の作家 (集英社新書)
商品説明
社会全体に陰鬱な雰囲気がひろがりつつあるこの時代に、松本清張が再び求められている。本書は清張の表現の核にあった「隠蔽と暴露」の方法をたどる。そして、清張の作品をとおして、わたしたちが日常で感じる社会や国家への「疑い」を称揚し、そこにひそむ秘密を見抜く方法を明らかにする。戦争、明るい戦後、政界、官界、経済界、社会的弱者、宗教など、清張が精力的に描いたテーマは多くあるが、戦後最大の隠蔽装置ともいえる「原子力ムラ」にふみこまなかった清張の謎にも迫る。 【目次】はじめに 松本清張がよみがえる/第I部 松本清張、人と方法/第一章 松本清張とは誰か/第二章 「隠蔽と暴露」という方法/第II部 隠蔽する力に抗う試み/第一章 戦争 『球形の荒野』、『半生の記』、『黒地の絵』/第二章 明るい戦後 『ゼロの焦点』、『砂の器』、『顔』/第三章 政界、官界、経済界 『点と線』、『けものみち』、『黒革の手帖』/第四章 普通の日常、勝者の歴史 『或る「小倉日記」伝』、『父系の指』、『無宿人別帳』/第五章 暗い恋愛 『天城越え』、『波の塔』、『強き蟻』/第六章 オキュパイドジャパン 『小説帝銀事件』、『日本の黒い霧』、『深層海流』/第七章 神々 『黒い福音』、『昭和史発掘』、『神々の乱心』/第八章 原水爆、原子力発電所 『神と野獣の日』、『松本清張カメラ紀行』、「幻の作品」/おわりに 松本清張とともに/主要参考文献
目次
- はじめに 松本清張がよみがえる/第I部 松本清張、人と方法/第一章 松本清張とは誰か/第二章 「隠蔽と暴露」という方法/第II部 隠蔽する力に抗う試み/第一章 戦争 『球形の荒野』、『半生の記』、『黒地の絵』/第二章 明るい戦後 『ゼロの焦点』、『砂の器』、『顔』/第三章 政界、官界、経済界 『点と線』、『けものみち』、『黒革の手帖』/第四章 普通の日常、勝者の歴史 『或る「小倉日記」伝』、『父系の指』、『無宿人別帳』/第五章 暗い恋愛 『天城越え』、『波の塔』、『強き蟻』/第六章 オキュパイドジャパン 『小説帝銀事件』、『日本の黒い霧』、『深層海流』/第七章 神々 『黒い福音』、『昭和史発掘』、『神々の乱心』/第八章 原水爆、原子力発電所 『神と野獣の日』、『松本清張カメラ紀行』、「幻の作品」/おわりに 松本清張とともに/主要参考文献
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紙の本
戦争は隠す
2019/05/01 19:28
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
松本清張というと過去の大家のように思っていました。
かつてはいろいろ読んだけどね……みたいな感じです。
集英社新書の『松本清張「隠蔽と暴露」の作家』を読むと、清張が追求し続けた対象は、つまるところ戦争なんだな、と思いました。
隠蔽されたさまざまな悪は、すべて戦争につながる、弱い小さいつまりはふつうの人々を苦しめる戦争に。
「戦争は隠す。始まる以前から、その最中はもちろん、終わってからも、戦争は隠しつづける。隠しつづけて、人びとの戦争への態度をゆがめ、戦争批判を許さず、そして人びとを次の戦争に送りこむ。戦争こそ国家的社会的「隠蔽」の最大級の装置」そのものなのである。」
この部分に、著者の意図が一番明確に表れているのではないかな。
紙の本
松本清張を呼び戻すミステリー
2022/12/12 10:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
松本清張が現代に「呼びもどされている」として、清張作品を「隠蔽と暴露」の切り口から、再評価していく一冊。
さまざまな作品を紹介し、読み解いていると共に、なぜ、あれだけ社会問題に切り込んだ清張が、原発の問題に踏み込まなかったのか、という命題を掲げ、謎解きをし、迫っていく。
清張作品の論評本であり、この本自体がミステリーでもあるような読み応えのある一冊である。