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遺伝子―親密なる人類史(上)
著者 シッダールタ・ムカジー,田中 文,仲野 徹
「科学史上、最も強力かつ危険な概念のひとつ」――ピュリッツァー賞を受けた医師が描く「遺伝子科学」の全貌とは? メンデルのエンドウマメは、いかにダーウィンに出会い、優生学の...
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遺伝子 親密なる人類史 上
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商品説明
「科学史上、最も強力かつ危険な概念のひとつ」――ピュリッツァー賞を受けた医師が描く「遺伝子科学」の全貌とは? メンデルのエンドウマメは、いかにダーウィンに出会い、優生学の暗黒の歴史をへてゲノム編集へと発展したのか? 我々の未来を占う必読書。
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紙の本
遺伝学・分子生物学の歴史と未来を分かりやすく解説してくれている良書
2020/07/02 20:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:F - この投稿者のレビュー一覧を見る
メンデル、ダーウィンから始まってCRISPR/CASまでの遺伝学~分子生物学の歴史を網羅的にとても分かりやすく解説してくれている良書だと思うが、日本人だからというわけではないが、iPs細胞についての記述が薄いのが残念。
この本の主張するところはせんじつめれば上巻のp338-p339に書かれている次の文章に尽きる。「遺伝子はもはや単なる研究テーマではなく、研究の道具になった。---組み換えDNAは遺伝学の言語を再帰的なものにした。生物学者は何十年もかけて遺伝子の性質を探求してきたが、今では遺伝子が、生物学を探求するのに使われるようになった。つまりわれわれは、遺伝子について考える段階を卒業し、遺伝子を使って考える段階へと進んだのだ」
当たり前といえば当たり前のことを言っているわけだが、遺伝学が生殖系列にまで介入しようとしている今、もう一度、我々は遺伝子とどのように向き合うべきなのかを真摯に考えるべき時代にいるのだと思う。
もう一つ残念な点は、分子生物学の進歩は人類に素晴らしい(あるいは素晴らしくない)恩恵をもたらすに違いないとして、では誰がその恩恵に浴することが可能なのかということについて何の言及もないことだ。最新医学は高くつく。新技術によって救われる人間と救われない人間をどうやって選別するのか。この本の守備範囲ではなかったのかも知れないが、著者の意見を聞きたかった。
例えば出生前診断による生む生まないを判断すること、有害と思われる遺伝子は永遠に人間界から排除すべきなのか、生命維持装置の電源を切るのか切らないのかなど、確かに医学は進歩したが、それとともにあまりに難しい新たな判断を人間は求められるようになっている。こんなことは本来人間が判断すべきことだろうか?読後にいろいろ考えさせられる。つまりこの本はとても良い本ということです。