死を悼む動物たち
著者 著者:バーバラ・J・キング , 翻訳:秋山 勝
動物たちは家族や仲間の「死」を悲しんでいるのか。これまで科学は、人間の感情を安易に動物に投影することを禁じてきた。だがこの数年、死をめぐる動物たちの驚くべき行動が次々と報...
死を悼む動物たち
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商品説明
動物たちは家族や仲間の「死」を悲しんでいるのか。これまで科学は、人間の感情を安易に動物に投影することを禁じてきた。だがこの数年、死をめぐる動物たちの驚くべき行動が次々と報告され、自然人類学者である著者も数年にわたる実地調査によって、その考えを変えざるを得なくなったという。死んだ子を離そうとしないイルカ、母親の死を追いかけるように衰弱し死んだチンパンジー、仲間の遺骸のうえに木の葉や枝をかぶせるゾウ。さらに猫や犬やウサギ、馬や鳥などきわめて多くの心揺さぶられる事例が本書では紹介される。
死を悼むという行動は、人間だけのものなのだろうか――。
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個体の性質を捉えること
2021/03/23 17:01
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投稿者:かわも - この投稿者のレビュー一覧を見る
わたしたちは動物にも感情があり、仲間の死に悲嘆することもあるというロマンチックな理想を抱きがちです。ディズニー映画さながらに。確かに動物の行動を観察すると、かけがえのない仲間と死に別れた動物が示す様子が消沈し、異常行動を取るケースも見受けられますが、果たして本当に悲しんでいるといえるのでしょうか。
著者は、動物の行動が間違いなく厳密に悲しみを表しているわけではない。しかし、だからと言って、悼む行為は人間の特異性と考えてはいけないと指摘します。
目が覚めた思いがしたのは、『犬が悲しんでいたとしても、それはその犬ならではの個性であり、どんな環境のもとで生きているかによるものなのだ。だから、なかには悲しみには縁のない犬も存在する。同じことは、人間にもそれとわかる様子で悲しむチンパンジーやほかの動物にも言える』という一文です。
人間の感情表出をめぐっても同様であるように、『動物にうかがえる感情表現は、個体を超え、その種全体に対して無条件で一般化できるものでない』のです。犬、猫、ゾウ、馬、カメなどは体の大きさや種、陸と海という点で異なるだけでなく、本能を超えるかたちで行動している。つまり、一匹ずつの性質があるということです。
ロマンチシズムに陥ることなく個体の性質を捉え敬意ある接触が必要なのです。それは、マネジメントでも同様です。