紙の本
巨大闇権力に挑む男達を動かす一女性の愛の物語。
2024/01/26 21:55
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
巨大闇権力に挑む男達を動かす一女性の愛の物語。前半までは良くある闇社会と国家権力が癒着した犯罪小説と思ったが、話は更に深い闇へと深化していく。しかもその闇は法曹界も含む政府中枢部から湧き出て来てるらしい巨大さに震撼させられる。複雑に入り組んだ話をじわじわと現していく著者の真骨頂ですね。後半では、闇に迫る男たちがどんどん窮地に追いやられる中、出番は少ないが全てをある方向に導いていくヒロイン女性の謎の行動が牽引していく。全てが収斂した時に明らかとなる闇の深さと大きさに驚愕すると同時に、ひたむきに愛の為に闘い貫いたヒロイン女性の強さに感動。単なる闇勢力との闘いに留まらず、愛と友情の味付けも十分な重厚濃厚な人間活劇とも言える警察ものの傑作。
紙の本
真の真相は、純粋な強い想い。
2011/03/29 17:42
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
笹本作品の魅力の一つに、物語が後半に一気に昇華していくあの気持ち良さがあると思う。それは例えば名著「天空の回廊」や「太平洋の薔薇」などの冒険物に著しい。ラストの100ページは、読む者の息をも付かせぬ展開となるのだが。
本作品は冒険ものではなく、警察や検察の汚職をテーマとしている。しかしやはり、物語終盤の昇華の仕方は見事。警察検察、またネットの世界の魑魅魍魎が絡み合っての物語だけに、絡まった糸は中々に複雑怪奇であるのだが。ラストのラストに明らかになる「真の真相」というべき挿話で、全てがすっと腑に落ちる。結局は純粋でありながら、強い強い想い。それがこの物語の、真の骨子となっているのだ。570ページと読みごたえも十分、物語のリアリティもまた十分で、警察物好きも納得の一冊だと思います。
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この本は、事件の大きな流れは読みながら予測できるものの、それを解決するまでの流れが複雑になっていて、結構面白いなと感じました。
個人的に、映像化されることについて、あまり良いとは思わないのですが、この本は、映像化されたら面白くなりそうだなと珍しく思いました。
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王道の警察小説。権力者の腐敗と現場で働く者との対決という構図である。
散らばったパズルのピースが徐々に埋まっていくものの、事件が解決しても寂寥感が漂う。果たして秋川が望んだリベンジだったのか?おそらく、ラストシーンで新幹線のホームで飲んだ缶ビールの味は苦かったに違いない。
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2013.2.8 読了。
最初の方は難しくて参った!私の分からない事だらけで挫けそうになったけど、そんな理解しなくてもちゃんと楽しめる内容でした。途中からは止まらなくなったし、続きが気になる展開で、色んな話が絡み合って、繋がって面白かったです。警察小説、そんなに苦手じゃないのかな私。
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いろいろなピースが散らばり最後に集結する。楽しく読めました。マル暴一筋30年の主人公。だけどあまり泥臭さは感じなく警察小説としてスマートに感じ交換が持てた。映像化しても面白そう。
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連続テレビドラマのような…。
決して映画ではなくテレビ…。
ジワジワと背中に迫る来る感じは悪くないんだけど、
ちょっと虚構すぎるというか…。
少し醒めるんだなあ………。
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笹本稜平。初めて読みました。ハラハラドキドキする展開に、一気に読んでしまいました。
警視庁組織犯罪対策部の刑事、秋川は、マンションデベロッパーの吉岡興産に務める旧友、有森の自殺に疑問を感じる。有森の妻からは、彼は殺されたという電話を受ける。
独自の捜査を始める秋川は、ハイテク組織犯罪特別捜査室へ異動させられてしまう。しかし、やり手の捜査員のおかげで、当初は暴力団のネット賭博を調べるうちに、暴力団、総会屋、検察庁が絡んだ大手企業の機密文書が同じ海外のサーバーにあることに気づく。捜査をするうちに、内部からの横槍などが入る中、暴力団の組長が射殺される。秋川とともに捜査をしていた寺沢刑事が容疑者とされてしまう。
同時に、4年前に起きた少年による祖母殺害事件の捏造も見えてくる。
政界の大物、検察庁、警視庁の上層部、暴力団、総会屋が絡んだとんでもない事件を一刑事と仲間たちが追い詰めていく。
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著者の小説の魅力は、強大な権力や登攀困難な山岳に、過酷な戦いを挑む男を鮮やかに描いていることだ。
警察小説では、『素行調査官』シリーズに代表されるように、警察組織の中で、その権力の中枢の腐敗に敢然と立ち向かう。この作品も同じ系列。
友人の自殺に疑惑を抱いた警視庁組対部の主人公は、真相究明に乗り出す。左遷の異動命令にも屈せず、敵は警察組織と狙いを定め、巨悪に戦いを挑む。友人の妻は失踪し、仲間の中には裏切り者が。誰が敵で誰が味方か、疑心暗鬼に囚われながらも、決して妥協することなく、疑惑解明に突き進んでゆく。
一筋縄ではいかぬ展開に、読み手の心も熱くなり、文庫本586頁は、たちまち読み終えてしまう。
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きちんとまとまった面白い作品だと思います。普通に良作だと思います。
笹本氏の作品は、人間を上手に描き出しているなあと感じます。ハイテク技術云々は材料に過ぎません。基本的に技術を礼賛するでもなく、ひたすら各々の人間性を問うているというか。人間の所業の功罪について、それを問うているのだろうと。詰まるところは生き方を考えさせられるというか。
元々の題名は『影のない訪問者』らしいです。新聞の連載小説だったらしいです。個々の趣味により好き嫌いは分かれると思いますが、どうにもウケを間違えているように思いました。スキャンダラスな表題にしてしまい却って損しているだろうなと感じます。
終わり方もあっさりしているのが自分には良かったし、後味が残り続けるというか、こちらが考えさせられるというか。
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警視庁組織犯罪対策部の刑事・秋川は、自殺とされた旧友の死に不審を覚える。彼の妻から「夫を殺した連中に狙われている」との電話がー。直後、彼女は謎の失踪を遂げた!独自の捜査を始めた秋川の前に立ちはだかる検察の影、背後で暗躍する暴力団組織…。さらに浮かび上がってきた、四年前の殺人事件の真相とは?
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秋川が親友の不審な死とその妻の謎の失踪解明に捜査を始めますが
次から次に捜査の邪魔が入りなかなか進まないのに
少しイラッとしてしまいました。
捜査の邪魔をする悪役が多すぎて背景がぼやけてしまっているような
気がします。
物語の要となる失踪した妻が、最初と最後しか出てこないので
失踪していた理由が分かっても「ふぅ〜ん」という感じで感情移入できませんでした。もっと人を書いて欲しかったです。
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ぐわわ!クソ面白くなかったーそれなのに600ページ近くあったー。話があっちこっち行きすぎなのに犯人に工夫がねえ、せっかく魅力的な素材の凄腕女性サイバー捜査官が全く生かされてねえ、主人公に魅力がねえ、ハイテク捜査とか言ってるのにほんのオマケで生きてねえ、なにが面白いんだよーこれ!
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初読みの作家さん。中々読み応えのある作品でした。権力者の腐敗と現場捜査官の正義、仲間すら信用出来ないハラハラ感。他の作品も読んでみたいですね。