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南の島の新幹線―鉄道エンジニアの台湾技術協力奮戦記
著者 田中宏昌
1997年に優先交渉権をえた欧州連合(ユーロトレイン)と、2年後、「敗者復活戦」で機電システムの優先交渉権を獲得した日本連合。どちらの鉄道がより台湾にふさわしいシステムな...
南の島の新幹線―鉄道エンジニアの台湾技術協力奮戦記
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南の島の新幹線 鉄道エンジニアの台湾技術協力奮戦記
商品説明
1997年に優先交渉権をえた欧州連合(ユーロトレイン)と、2年後、「敗者復活戦」で機電システムの優先交渉権を獲得した日本連合。どちらの鉄道がより台湾にふさわしいシステムなのかをめぐり、技術力はもちろん知力、政治力、交渉力など、もてる力をすべて振りしぼっての「知的格闘技」がはじまった。開業予定は2005年10月。そしてなにより一番大切なのは、安全で安定輸送が可能な高速鉄道を開業させること。さあ、この勝負、どうなる?
目次
第1章 年の瀬の台湾高速鉄道紀行
第2章 台湾高速鉄道受注競争
第3章 知的格闘技
第4章 車両とインフラのシステムインテグレーション
第5章 機電システムのシステムインテグレーション
第6章 機電システム 新幹線との技術的相違点
第7章 機電システム 実績ある技術への変更努力
第8章 台湾高鉄の要員養成
第9章 運転士の海外調達と開業延期
第10章 走行試験
第11章 高雄にて
<著者プロフィール>
田中宏昌(たなか・ひろまさ)鉄道エンジニア、工学博士。1939年広島県呉市生まれ。1963年東京大学工学部卒業、同年日本国有鉄道に入社。構造物設計事務所次長、国連ESCAP運輸通信観光部鉄道課長などを経て、1990年東海旅客鉄道に入社。専務取締役新幹線鉄道事業本部長、代表取締役副社長などを歴任。現在は同社顧問。著書に『「国連運輸部鉄道課」の不思議な 人々』(ウェッジ)がある。
※この電子書籍は株式会社ウェッジが刊行した『南の島の新幹線―鉄道エンジニアの台湾技術協力奮戦記』(2018年2月20日 第1刷)に基づいて制作されました。
※この電子書籍の全部または一部を無断で複製、転載、改竄、公衆送信すること、および有償無償にかかわらず、本データを第三者に譲渡することを禁じます。
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紙の本
インフラ輸出は大変
2018/05/10 22:47
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は台湾新幹線の建設・運営を支援した元JRの技術系役員である。台湾新幹線は、当初欧州規格(フランス・ドイツ連合)でプロジェクトが進められていたが、ドイツの高速鉄道が脱線、死者101名という大惨事をきっかけに、日本の新幹線方式が採用されることになった経緯がある。日本方式が採用されたとはいえ、既に欧州方式でプロジェクトは進められており、欧州方式と日本方式混在の安全輸送を確保する上で、極めて不都合な鉄道になろうとしていた。著者は、日本方式導入に向けて、台湾新幹線をビジネスと考えず、大切な隣人に新幹線で培ったノウハウを無償で提供、技術支援する立場で台湾側に説得を試みるが、それがなかなか受け入れられず、まさに隔靴掻痒の思いであった。日本に対して比較的友好的と思われる台湾のプロジェクトでさえ、このありさま。海外へのインフラ輸出には、大きな労苦とリスクを伴うことを改めて思い知らされた。本書は、プロジェクト進行中に各種専門誌に投稿された原稿に基づき編集されている。このため、台湾新幹線完成後11年が経過しているにも関わらず、例えば「騒音対策を念頭に置いたパンタグラフの新規開発は時間がかかることを説明して理解を求めている。」、「日本側は従来どおりの手歯止めを使用するよう推奨している」というようなプロジェクト進行中の記述がそのまま用いられている箇所があり違和感を覚えた。そのアドバイスが受け入れられたか否かの結論が記述されていないのが、少々残念である。