紙の本
三行半のような日記
2017/06/02 15:43
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
初出といってもこれは「WEB平凡」とあるから本でも雑誌でもない。
それでも見る時は活字であるから、初出というのだろう。
何しろ人気コンテンツで、書籍化もこの本で5巻め。よく続くものだ。
小説ではない。エッセイに近いかもしれない。いや、単なるメモだという人もいるだろう。
唐突だが「三行半(みくだりはん)」という言葉がある。江戸時代に行われていた夫から妻への離縁状のことで、だいたい三行と半分、文が書かれていたという。
それに近いかもしれない。誰を離縁するということでもないが。
この本の「あとがき」で、川上弘美はこの本は「たいがい、ほんとうのこと」を書いているとカミングアウトしている。
それを本当と思うかどうかは読者次第だろうが、私は「まさかね」と少々怪しんでいる。
本書のタイトルにもなっているゾンビの話は9月の某日、雨の日に乗ったタクシーの運転手がよく喋るということ(これはきっと本当)で、降りる時にタクシー料金を生まれてはじめてまけてもらった(これもきっと本当)。だけど、青いゾンビにはなりたくないとかそんな話するだろうか、タクシーの運転手と。(このあたり怪しいのだが、段々自信がなくなってきた)
何しろ東京の日常生活だから、本当が嘘みたいに見えてもおかしくないし、嘘が本当に見えても納得がいく。
それをすくいとる能力が川上弘美の場合抜群に高いのだろう。
それでなくても、時々異界をさまよっているふうだし。
紙の本
日常or非日常
2017/05/25 20:49
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投稿者:真太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「東京日記」シリーズの5冊目をいきなり初読みです。かなりぶっ飛んだ内容です。あとがきにも書かれてますが本当のこともあると。ただ読者としては、つくりごととの線引きがわからなく、読み終えるとある物語のようにも思えてくる不思議な本です。
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あいかわらず面白い!ww
ホントに変!!www
まわりに変な人が多いとか言ってるけど
ホントは川上さんがヘンなんだと思ってますw
まあ、百歩譲って「類友」かな?w
もっともっと、ずーっと浸って読んでいたかったな~~!
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東京日記もこれで5冊目。今回もたくさん笑わせてもらいました。
川上弘美さんは相変わらず武蔵野地区に住んでいらっしゃって、ご近所なので親近感わくこの東京日記シリーズが大好きです。
今回特に笑ったのは、
沼の生きもの――おそらく井之頭公園の池のことを指してるのかしら。緑色の沼代表、泥沼代表、底なし沼代表、沼以下代表などなど笑
近所のカップル――え、ほんと? とつっこみたくなる話笑。毎週乗る同じバスに奇抜な男女がいていつのまにかカップルになっていて破局した感を川上さんが見てるというなんともシュールな日記
カメムシの人生――また夢を見る。消える魔球を、次々に打たなければならない。もし打ちそこねたら、カメムシにされてしまうとのこと。すぐに打ちそこねて、カメムシにされる。カメムシの人生ら、首がふとくてうしろを向けないのが、苦しかったです。爆笑した。
メタルブラジャーだとかパンツの定位置だとか、そういうのも相変わらず。大好きなのでずっと書いていて欲しい。
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ほとんど作り話だろうと高をくくっていると、ほとんど本当の話だと川上弘美は言う。でもそれは川上弘美という検知器を通して採録された事実であって、他の人に見える景色や文脈とは異なっているに違いない。そう言えば前にも同じようなことを考えたなと思い返し本棚を探ってみると、それは東京日記の第三集の感想に書いてある。六年前の感想にしては随分最近のことのように思われる。何とも変わり映えのしない話であることよ、と我ながら呆れる。
東京人での連載が終わりウェブでの連載となって、毎月本屋で立ち読みする習慣もなくなったなあと、過去を振り返って少しだけしみじみとする。第一集が出る前は日比谷のプレスセンターにある書店で、東京人とクウネルを毎月ささっと読みながら早く単行本にならないかなと思っていたなあ、などと感傷に耽る。あの時と同じような気持ちでウェブページをチェックしている自分にも驚くけれど、川上弘美の文書もまた大きく変わっていないことに、更に驚く。
とは言え、単行本になった文章は、やはり、雑誌やウェブに掲載された文章とは異なり、何か澱のようなものが沈殿し、流れた時が沁み込んで迫って来るものがあるようにも思う。さらさらと流れていってしまいそうな文章だが、後から振り返るとそこにほんのりとした時事性が感じられ、やはり川上弘美の言う通り、ほとんどが事実なんだということが肯ける。MONKEYに連載していた文章が椰子椰子的事実と虚構のないまぜであるのに対して、こちらは川上弘美的事実に基づく日記であるのだ。以前は良く登場した息子たちが最近は滅切り姿を見せない代わりに、家人なる同居人と思しき人が時折ひょいと出て来るのもまた事実なるが故のことなのだろう。
数えてみたら川上弘美も来年には還暦となる。佐藤愛子とは少し違った形の小言おばさんになる予感を孕んた最新刊だなと、ぼんやり思う。
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私は川上弘美女史と同い年ですが、「二年ぶりに、スターバックスに入る。」こともなく、というか一度も入ったことがなく、「乗り物でいつもおこなう数独を取り出し、粛々と解く。」こともなく、というか数独が何を意味しているか検索するまで知りませんでした。やっぱり作家はエライ!と思いました。
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+++
たんたんと、時にシュールに、そして深くリアルに……。2013年~現在までを綴ったライフワーク日記シリーズ、第5弾!
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「つくりごととほんと」の境目が至極曖昧な著者の思考回路であり、行動パターンである。読者が明らかにつくりごとと思って読んでいる事々も、実はほうとのことかもしれない、と思わず読み返してしまうような雰囲気がある。そして、どちらにしても、そのときどきの著者の姿を容易に想像できてしまうのである。うつぶせで打ちのめされている姿とか、来る日も来る日もドラクエに明け暮れている姿とか、柱や建物の陰に身を潜めて、街で見かけた知り合いと出くわさないようにしている姿とか、である。それをそっと背後から覗き見している心地になれるのが、本作を読む醍醐味でもある。ともかく、愛すべき一冊なのは間違いない。
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(2017/11/2読了)
東京日記シリーズ第5弾。もちろん全て読んでるけど、覚えてるのは、妄想の入り混じったエッセイだという感想だけ。もれなくこちらもそうでした。
徒然なるままに書かれたものを、徒然なるままに読みました。少し笑って、少し嫌な気持ちになって、少し憧れて。
シリーズの次作が出たら、また読むんだろうな。
(内容)
ネットで、「あなたが一番もてる年齢」というものを調べてみる。川上弘美は、六歳。あなたの身の回りでも、不思議なこと、愉快なこと、実はいっぱい起こっていませんか?「事実は小説より奇なり」。もはやライフワークの人気日記シリーズ、第5巻!二〇一三年から二〇一六年収録。
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色々な作家さんのエッセイを読んでいますが、川上さんの面白エピソードは普段の何気ない日常からご自身が引き寄せているのかなぁ、と。類は友を呼ぶ的な・・・。普通なら見過ごしてしまう些細な事を気に留め、そしてすくい上げているからこその面白さみたいな、そんなエッセイでした。
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面白かった~。なんてことない日常も著者の手にかかれば
クスッと笑えるなんともいえないユーモアが漂う。
でも、いつのまにか離婚していたんだ…
松葉杖に名前をつけて(まっちゃん・性別男、年齢36歳 趣味、競艇他にももっとプロフィールあり)
会話してみたり、”暑いですね””ああ、暑いよな”というやりとりのみで終わる。ふふふって笑ってしまうよ。
つくりばなしが事実か判別がつかないけど、あとがきを読むとほんんどがほんとのことらしい。
東京日記6も読もうと心に決める。←ちょっと川上弘美風に締めてみた。
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川上弘美さんの作品で久々に脱力して読めました。可笑しくて何度か吹きました。頭の中がぐるぐる悩まなくていい作品は好きだなぁ。
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東京日記5とあります。
人気のシリーズなんですね。川上さんの日常を日記にしてあります。
近所を歩いていて遭遇したこと、雪の日に雪ダルマを作ったこと、雑草を食べてもらうためのレンタルの山羊の話、飲み会での話、こうしてみるとまあ私たちにもある話しかなと思いますが、内容を読んでみるとぎょっとしたり、えっ?と思ったり、とにかく面喰います。
半分くらいは作りごとですよね?って、やはり読者の多くが思うらしく質問があるそうですが、たいがいは本当のことで、読者の皆さんも体験しうることですなんて信じられません。
ユニークな川上弘美さん。
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四月某日の平和な吉祥寺。朝、電車にのると就業規則を読みながら会社に入ったばかりの娘さんがパンツ丸出し大股開きで座っている。昼、散歩をすると短いシャツにレギンスだけでお尻丸出しのぽっちゃり娘さんが歩いている。夜、ジムに行くとバスタオルをまきつけた60代のおばあさんが両方のたれたおっぱい丸出しでのしのし歩きまわっている。いつも丸出しの吉祥寺。おどろおどろしいタイトルとはまったく裏腹で全て世は事もなし。
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あなたの身の回りでも、不思議なこと、愉快なこと、実はいっぱい起こっていませんか? 2013〜2016年の日々を、たんたんと、時にシュールに綴った記録。『WEB平凡』連載を単行本化。
たんたんとどこまで本当か分からない,けど一気に読み終える。
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めっちゃおもしろかった。。
川上弘美さんってエッセイもさいこう。
また読みたい。
読んでない分のエッセイも読みたくなった◎
図書館で出会ったのだけど、これは良い出会い。