紙の本
『つながりの蔵』
2018/05/13 20:23
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
事故で不慮の死をとげた昔の恋人のことや父の一周忌、祖母の法要について思いをめぐらせていた瞭子は、小学校の同窓会の知らせを聞き、三十年ぶりに同級生に会いにいくことに...
...クラス替えをした5年生、瞭子は美音、四葉となかよくなり、四葉の家で遊ぶようになった
幽霊屋敷といわれるほど広くて趣のある四葉の家、その庭にある古い蔵で三人は特別な体験をする
それぞれに思いをかかえた少女たちが、蔵でのできごとをきっかけに“死”とも向き合いわだかまりを解き、結びついていく
《椰月美智子の名作『しずかな日々』の少女版!》──帯より
子どもの本のような大人のための物語
紙の本
つまらなかった。
2018/07/18 23:40
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投稿者:暴れ熊 - この投稿者のレビュー一覧を見る
どんな小説であろうとも、作者がそれなりに心血を注いだものだろうから、酷評したくはないというのが私の姿勢なのだが、ここはあえて率直に書かせていただく(ネタバレを含む。)
書評や読書メーターなどで好評だったので、買ってみたのだが、読んでみてがっかり。
まず、設定が厳密でない。現在は主婦をしている遼子が30年前の事を回想する話なのだが、今2018年なので、30年前と言えば1988年。その時代に高校生がパソコンで映画をつくったりするという設定はあまりに不自然ではないか。
あと、小説の語り手は小学5年生の遼子だとおもうのだが、小学5年生が知っているとは思えないような難しい語句が散見される。甘いと思う。
物語の内容は、入ってはいけないと四葉の母から言われていた蔵に入って、死者や生者とスピリチュアルな交流をするという話。それ自体はいいのだが、それだけだという気がした。
大人が読んで面白い本というより、小学生が生や死、あの世とこの世について考えるための本としておすすめというなら分かる。
テーマ自体はいいと思うが、私には上記の点で合わなかったのだろう。
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大切なひとがいる人
大切な人をうしなった人、うしなったことがある人、
大切な人をうしなうのが怖い人
すべてのひとに。
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+++
祖母から母、そして娘へ。悩める少女たちに伝えたい感動の命の物語。
41歳の夏、同窓会に誘われた遼子。その同窓会には、蔵のあるお屋敷に住むの憧れの少女・四葉が来るという。30年ぶりに会える四葉ちゃん。このタイミングで再会できるのは自分にとって大きな一歩になるはず――。
小学校5年生のある夏。放課後、遼子と美音は四葉の家でよく遊ぶようになった。広大な敷地に庭園、隠居部屋や縁側、裏には祠、そして古い蔵。実は四葉の家は幽霊屋敷と噂されていた。最初は怖かったものの、徐々に三人は仲良くなり、ある日、四葉が好きだというおばあちゃんの歌を聞きに美音と遼子は遊びに行くと、御詠歌というどこまでも悲しげな音調だった。その調べは美音の封印していた亡くなった弟との過去を蘇らせた。四葉は、取り乱した美音の腕を取り蔵に導いて――。
少女たちは、それぞれが人に言えない闇を秘めていた。果たしてその心の傷は癒えるのか―。輝く少女たちの物語。
+++
41歳の遼子の現在から物語は始まり、同窓会に誘われたことで、小学校5年生の頃の遼子と美音、四葉の日々へとつながっていく。彼女たちにとって、その先の人生の見え方が変わるような、かけがえのない時だったことが伝わってくる。三人それぞれが抱える苦悩や試練も、あの日があったからこそ乗り越えてこられたのかもしれない。そして、同窓会当日、三人が再開したところで物語は幕を閉じる。その先の彼女たちのおしゃべりを聞いてみたい気がするが、そこは読者それぞれが、物語を想像するための余白なのだろう。ちょっぴり怖くて、清らかで、じんわりあたたかい一冊だった。
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「魂というのはね、ずっと存在するの」
その人に思いをはせて祈ることが出来れば、いつか心は穏やかさを取り戻せるのだろうけど、受け止められない気持ちは暴れると手が付けられなくなるから、この言葉は心のよりどころになり、いつか平穏をもたらしてくれる気がする。
よくある「この手の話」にして、あらず。
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んー、これは反則www
だって、うるっときちゃうもの。
たぶん、日本人ならね。
ま、いいお話ではあった、な。
誰かの「救い」にもなるかもしれない。
でも、私の読みたい「物語」とは違うんだなーw
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小学生の頃に出会ったほんの少し不思議な
友達と、友達の家にある蔵。優しくて温かい
お話(*´ェ`*)
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小学5年生の女の子3人の少し不思議な物語。現象として不思議な部分はあるが、それよりも3人のそれぞれに抱えている思いや悩みがその年齢ならではのリアル感があって、じわりと伝わってきた。特に主人公の遼子の素直な詩がとてもストレートに心に入ってきた。大人になると小さい頃にあった不思議なことも曖昧になるというのは誰にでもあることなのかもしれないなと読み終わってふと自分の幼い頃を振り返ってしまった。
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小学生の女の子の日常と、少しの非日常、友だち、学校、家族、小さな世界にも悩みや喜びがあるのがよい。
生きてること、大切な人との別れと、その後の生き方…。
蔵の出来事がファンタジーすぎないのがよかった。
大人になり、同窓会で再会の様子をもっと見たかったような、でもこれでいいのかな。
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小学5年生の遼子、美音、四葉は同じクラスで次第に仲良くなっていく。ある日、四葉の古い屋敷でひいおばあさんの御詠歌を聴くうち、美音は幼い弟を死なせたのは自分だと言い出す・・・。
子供にとって、死とはどういうものなのか、小学5年生の気持ちに沿って物語は進むのだけれど、急にファンタジーな展開になって、ちょっと戸惑った。残念、といえばそうだし、物語としてはそうかもと思うし。この後3人が40歳過ぎて出会うことになるが、それはどんな意味を持つのか。物語はここにあると思ったのだが、そこで終わりだった。
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忙しい日々を過ごす遼子は、小学校5年生のころ仲の良かった友達に思いを馳せる。介助が必要な祖母。家族を亡くした友達。きれいごとや、優しい言葉が並ぶだけでなく、終始、何事もバランスよくストーリーは進む。四葉ちゃんに惹かれるわ。ステキな一冊。
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良かった!
大人の私が読んでも心を揺さぶられるものがあった。
幼くして亡くなった子の賽の河原の話は辛い。
だけど、前に進もうというメッセージ。
会いたい人と繋がる事の出来る蔵があった、なんていうのは子供にとって最高の贈り物だね。
この年代の人達に是非読んで貰いたいと思う一冊。
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【図書館】はじめて読む作家さん。表紙が岡田千晶さんだったので、借りてきた。41歳の主婦が主人公。不思議な体験をしてもその記憶って忘れてしまうものなのかな?四葉ちゃんって不思議な子だけど、こういう何か分かる子、女系一家の家族。蔵をつないだあの日の思い出の体験。好きなお話でした。この作者の他の本も読んでみたい。
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大切な人を亡くして苦しんだことのある人には
すり傷に優しく軟膏を塗り込んでもらえたような
ぬくもりが味わえる物語だと思う。
主人公である小学校5年生の遼子ちゃんが
とても素敵だ。
自分の頭でしっかりと人の気持ちを考えて
言っていいことといけないことがきちんとわかっている。
ボーっとしたまま大人になってしまった私は
遼子ちゃんにたくさんのことを教えてもらえた気がしています。
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アラフォーの遼子は、特別な思い出を共有した四葉ちゃんが小学校の同窓会に来ると聞いて、遠い新潟から懐かしい東京へ30年ぶりに友だちに会いに行くことにした。
それがきっかけで、30年前の小5の頃に記憶は戻っていく…。
誰もが経験する身近な人の死、それを受け入れて前向きな気持ちになるきっかけを与えてくれる話だった。小5の少女たちの友情。かつて少女だったオバハンの胸に懐かしさがリフレイン。2018.9.1