紙の本
主婦病?
2022/06/13 10:23
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投稿者:kotep - この投稿者のレビュー一覧を見る
主婦病という題名を見たときはどのような内容かはわからなかった。単に専業主婦の話題かと思いました。内容は全然違いました。主婦ではなく、あくまで一人の女性として描かれているところが、ちょっと驚きでした。でもこのような内容の作品を読むことは面白くていいですね。
紙の本
連作短編集
2020/10/30 15:31
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投稿者:MILKy - この投稿者のレビュー一覧を見る
主婦の観点、だとか夫婦が描かれているのかなと。思っていたソレとはまた異なる。明るさを求めて読んではいけない。白でも黒でもない、激しさはないけど、生々しさとか、性とか清々しさの対極にあるような。どろっとした感じ。6話の主婦に関連する複雑な順不同の連作のような。しかも、大半の話で誰かが亡くなったり。由紀乃荘という古いアパートに住む金髪男子がキー。だけどこの男が結局よく分からない、辻草汰。ちょい役なのにキー。1話目4話目が逆走完全リンクしている。後味は良くない
20200911
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投稿者:タタ - この投稿者のレビュー一覧を見る
どれにも金髪の男というのが、魅力的な男性という雰囲気ででてきます。普通の素敵な主婦でも悩みがありそう。
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最近、まわりに主婦が増えてきて、相談とかもしていただくので買ってみたが、想像とは違った。
短篇集。どの短篇にも金髪男が魅力的な男性として出てきて、その存在に主婦たちは妄想したり翻弄される。
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主婦が主人公の短編集(その子どもが主人公のものもあるが…)。
夫への愛情、子どもができないことへの劣等感、嫉妬や妬み、セックスへの欲望、いろんな感情が込められていた。
それぞれの話に登場する金髪の男が意味深で幻想的。微妙に絡み合う話もあって、とてもよかった。
愛されたいという思いが主婦病なのだろうか。
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久しぶりの小説
なかなか根のある話。
日常でありそうで、なんだかそこに自分も含まれているように感じました。
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ただの短編集だと思って読んだら、圧倒される。
重い、悲しい、これ以上読み進めてもきっと良いことは書いてないんだろう、そう思うのについつい読み進めてしまった。
主婦というカテゴリーって、一体なんなんだろう。と
思ってしまった。
この世界の中では、準備がものすごく孤独な存在感として描かれている気がして、そこは少し疑問。
個人的に、シニアでガツガツしている男の人が苦手なのですが、この本の中ではそういう男性が多くて、その辺はちょっと気持ち悪かったかな。。
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主婦達の短編集。
夫という生き物は妻に無関心になっていく。男は肉が好きなのだ。
アンニュイで息苦しく狂気も感じられる。わりと好きな雰囲気。
中でも"さざなみを抱く"が印象に残った。妻として戸惑う気持ちも分かる。ご主人も辛そう。どこか切なく、やるせない。
他の作品も読みたくなるような一冊。
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眠る無花果
母との永遠の別れがまだ受け入れられないのに、
新しい母親を受け入れるのにこの歳ならではの葛藤がありながらも
戸惑いつつ受け入れるのが意外と早かったのが驚きでした。
この母親と父親との関係も何だか生々しくて
お互いに密やかな裏の心がありそうで、
様々な余韻を想像させられました。
無花果の花言葉のように生前の母は女であり
純粋であったようにも思えます。
けれどそこにはまた夫婦しか分からない愛情や絆などが
この短い中に秘められているのでただの短編とは思えなかったです。
まばたきがスイッチ
この主婦の仕事がまた生々しいけれど仕事として割り切るところが潔かったです。
夫とのことは割り切り、次のステップに徐々に移行しているところがしたたたかでスリリングでした。
こんな事は現実にはできないと思いますが、
誰でも密かに願望はあるのかと思ってしまいます。
いざという時の100万円は用意すべきか?
この100万円は高いのか?それとも安いのか?
なんて思ってしまいました。
さざなみを抱く
夫をやっと自分に振り向かせるチャンスだったのに
こんなラストになってしまうなんて切なすぎました。
夫婦としてはダメだったけれど、
人間同士だったら良い仲間だったなのかと思えました。
それが救いかどうか・・・
彼女らしくぶれない人生を送って欲しいと思ってしまいました。
このタイトルのさざ波というのは一見すると爽やかですが、
後から考えてみるとかなり意味深なことに思えます。
森と密
眠る無花果の続編というべきか、母親の視点で描かれています。
封印されていた過去を振り返りながら夫とのことも描かれていますが、
あまりにも過去の事が生々しいので読んでいるのが
少し苦しい気持ちになりました。
母であり妻ででありその前に一人の女であったということ。
それが強く印象に残る作品でした。
まだ宵の口
「それぞれの女の悲しみがある。
どんな母親だって、母親じゃない自分を夢見るよ。」
これは良いことなのか、悪いことなのか。
この作品では女性の立場として二極に分かれるかなと思えた作品でした。
けれどいくら女であったとしても
子供のことは二の次にしてというのはちょっと人としては
失格だなと思ってしまいました。
月影の背中
お金持ちで何不自由のない生活をしていた女性が、
結婚した相手が普通ではない人でなかったばっかりに
人生の歯車が少し狂い出したように思えました。
元々持っていた気質や性格のようなものもあるのかもしれないですが、
それが自分と合わなければ合う人を
求めてしまうのが性なのかもしれないです。
偶然にも行き着いた先で激しい恋に堕ちてしまって
この先がどうなるかも分からないけれど、
それでもそこにしがみついていくというのはやはりこれが
本望なのかと思ってしまいました。
「いつか一緒に天国に行こう。」という台詞は決まり事のような
言葉でもあるけれど、���れもある意味での意味深言葉です。
六作品のうち前半の三作品は女性の秘めたる想いを中心に描かれていて、
読んでいてもまだそんなには苦痛にはならなかったですが、
後半の三作品はかなり積極的な女性の想いを中心に描かれていて
かなりリアルで生々しい表現があるので少し苦痛気味でした。
全作品の中に必ず金髪の若い男というのが登場してきますが、
これは何か深い意味があるのかなと思いましたが、
風貌が金髪の若い男という方が想像力をかき立てられるみたいなので
こんな風に出てくるのかと思いました。
この本のタイトルが主婦病となっていますが、
主婦病というと少し主婦を偏見した見方に思えるので
違うものが良いかなと思えました。
森さんの作品は初めてですが女性の心底に秘めているものを
リアルに生々しく描かれていると思いました。
なかなかこのような事を心のどこかで思っていても
いくら女性同士でも堂々と会話にして出来ることではないので、
そういった意味では余計に切実な問題だなと思ってしまいました。
何よりも女性はいくつ歳を重ねても女性なんだなと思わされて、
ちょっと女性とは?そして夫婦とは?と普通の観点からではなく、
裏の方向から見ることで考えさせられました。
R18受賞作品というだけあるのであまりリアルにレビューも書けないので
ややオブラートに包んで書いています。
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主婦にとっての付き纏う病とは何なんだろう?
それは女や母親としての悩みと=なのだろうか?
金髪の男という不穏さが連作短編の中に
暗示的に漂っているが
それは見た目の派手さだけに騙されるなよということだろうな
いい主婦を演じている、なっている人だって
心の内は人に語れないことを1つや2つ持っている。
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連作短篇?
普通に暮らしているはずの主婦たちが、夫や日々の生活から、ふと踏み出す時、金髪の男性が現れる。
彼の正体は、最終話で明らかになる。
全体的に暗くてどんよりとした作品だった。
2018.12.24
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劇的なことが起こるわけではないが、いつの間にかガン細胞が身体を蝕んでいくように、ひっそりと犯されていく心の病。タイトルが意味深な短編集。
ちょっと毒のある小説が読みたくて手に取った。期待は裏切らないが、それ以上もない。どんでん返しや異常性がないため、また淡々と展開が進むのに物足りなさを感じた。
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主婦というカテゴリーに属した孤独な女達の連作短編。
特殊な性癖を持った夫、夫の不倫、不妊、テレクラのサクラなど、主婦の秘密が目白押し。
随所に登場する謎の金髪の男は、最後の話で初めて少し好感の持てる存在になります。
結婚24年、のんきに暮らす私には、へーと感心する話ばかりで、共感共感出来る人はいなかったけれど、興味深く一気に読みました。
R18文学読者賞受賞作「まばたきがスイッチ」が好み。
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評価の難しい本。作者の力量はズバ抜けていると感じる。解説で三浦しをんも恐ろしい才能と書いているけど、日常に潜む小さな感情の泡立ちをすくいあげて文に、それが段落に、短編に、短編集にとからみあって世界を織りなしていく様子には背筋が寒くなる。
凄味がありすぎて楽しめない、美しすぎて正視できない、といったらいいのか。
小説の主人公たちの狂気ともあいまって、読んでいて怖くなる。
ホラーサスペンス?が好きな人なら楽しめると思うけど、私はダメだった。
繰り返すけど、文章は本当にうまい。灰色の日常生活に差し込む緋色のマフラーや金髪の兄ちゃんといった色のコントラストはポスターみたいだし、ベランダの上と下で唇の形だけで交わされる無言のメッセージはドローンで撮影されたようなシーンだし、だんだん入り混じってくる回想と現実には狂っているのが誰の何かわからなくなる恐怖があるし、ほめるところしかない。
この小説を必要としている人はいると思う。この狂気によってしか救われない人もいると思う。単に、今の私がそうでないだけ。
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2019/01/27読了
正直こう、もっとドロドロした女の世界が見たかった、、、
というのもあるけど、これはこれで十分恐ろしい
「女」の話。
主婦で妻で母親で、でも根底には「女」があり、満ち足りない 満たされない「性」がある。愛とかよりウェイトがある。
それでいて現状でありながら満たされない存在である「日常」の中で狂って壊れてしまう。
分かる部分もあるし、壊れてしまった箇所もあるし。
そういう意味では、主婦という立場において漠然と存在する「恐怖」であるでしょう。
短編であり連作でもある、物語のどことどこがリンクして
という読み方もできるのだけど(きっとそのリンクを味わうのが本来の読み方)
あくまで日常の中の女の話なので、渦巻く性への渇望以外はストーリーのスパイス程度にしか読めないし見られない
・・・というのが、私個人の読み方になります。
「いざ」
は、まさにこのときである