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電子書籍
【期間限定価格】贋作師
著者 篠田 節子
生き過ぎた――この言葉を残して日本洋画界の大御所は自殺した。遺作の修復を依頼された成美は、彼の弟子となるため彼女のもとを去った美大時代の恋人の死に疑問を抱くようになる。危...
【期間限定価格】贋作師
03/28まで通常619円
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贋作師 (講談社文庫)
商品説明
生き過ぎた――この言葉を残して日本洋画界の大御所は自殺した。遺作の修復を依頼された成美は、彼の弟子となるため彼女のもとを去った美大時代の恋人の死に疑問を抱くようになる。危険をかえりみず、真相を究明する成美。彼女の心の中にあるものは、美術界のタブーヘの挑戦なのか、昔の恋人への愛なのか!?
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紙の本
グロテスクな最高傑作
2006/04/19 02:16
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:由季 - この投稿者のレビュー一覧を見る
篠田節子の「贋作師」は、まさに奇跡の作品だった。
しかし、私がこの作品に対して持った印象は、「おもしろい」とか「感動した」とかではなく、あくまでも「グロテスクな物語」だ。
主人公は美大を卒業後、模写に関しては抜群の才能があったものの、自分が追い求めていた”個性”のある絵が描けず、キュレーターに転向し、現在それなりに名を馳せている女性、成美。
そしてショッキングな物語は、主人公が、美大時代に同じ闇(模写しか出来ない)で苦しんでいた彗が弟子入りした、亡き有名な画家の絵画修復を依頼されたところから始まる。
その画家を取り囲む、血生臭い人間関係、金、欲望。
それらを、主人公は絵の修復という作業を通じて暴いていく。
文章でこんなにも迫力ある生臭い描写が出来るんだとびっくりし、描かれている奇妙で恐ろしい事件に、私は夢中になり気付くと喉がカラッカラに乾燥していた。
しかしその中にも、修復の作業の細かな描写や、成美の友人のオカマの男性の存在が、心地いい妙なインパクトを与えていて、きわどいギリギリな物語に、わずかなぬるま湯のような安心感を与えていた。
作者の篠田節子を写真で見ると、穏やかで優しそうで小綺麗な女性という感じなのに、この作品から受ける印象は全く真逆!
ダイナミックで面白くて欲にまみれていてグロテスク。
しかしラストは思いもよらない方向へ。
重要アイテムは、成美が終始イラ立ちを見せていたあの気まぐれな機械。
ちょっと刺激的な本を探し求めている人にかなりオススメの一冊!