紙の本
これまで光のあたらなかった人々に光を当てた感動のルポタージュです!
2018/07/12 08:59
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、人がいつかは出会う「死」というものに業務として携わっている様々な人々、例えば、葬儀社の職員、納棺師、復元師、火葬場の職員などに光を当て、なぜ、彼らがこの仕事を選んだのか、どのような気持ちで毎日の仕事を行っているのか、また仕事の中で忘れられない経験はあるのか、といったことを丁寧に聞き取りながら、一冊にまとめた書です。「死」と向き合うことに決めたこうした人々を追った感動のルポタージュです。
紙の本
取材力がすばらしい
2018/03/06 23:25
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投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
閉鎖的な世界の中、この内容を引き出した、取材力には脱帽です。
人の最期をおくる大切な役目。
ひとは必ずお世話になります。
仕事師の皆様にも脱帽です。
紙の本
いつかきっと出会う人
2023/02/27 13:03
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投稿者:ペンギン - この投稿者のレビュー一覧を見る
日常生活を送る上でお会いする機会は滅多にないけれど、一生のうち何回かはお世話になる葬送の仕事をされている方々を取材した本。こういう本でもなければ知ることのない舞台裏を身近に感じられた。中でも火葬場の職員の方の話が印象に残った。
ここからは個人的な独断と偏見であるが、火葬場の職員の方の話は火葬を原子分子のレベルで宇宙の一部になるプロセスと考えておられるように感じた。「きれいに焼く」の意味は、”まっさらな原子分子になるために、人間世界に特有の余計なものを落としてやる”ではなかろうか。個人としての存在を脱却することを目指している点で葬儀会社や納棺関係の人と違う方向性を持っているように思えた。個人からの脱却っていう生死観、私は好きだな。
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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
そこに人生観が現れる儀式で必要不可欠な死者への弔い。その赤裸々な現状がここに明らかにされている。死者への想いが良く伝わる。こうしたことは残された者のためであるという視点は欠けるが、身近な人が亡くなる前に読んでおきたいものだ。近親をなくした直後に読んだが同感する思いが込み上げてきた。
紙の本
仕事師の姿勢に胸が熱くなる
2023/11/07 11:06
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投稿者:kunkun - この投稿者のレビュー一覧を見る
葬送の仕事は一般的になじみがなかったですが、葬儀屋さんだけでなくエンバーミングなど葬送の仕事も裾野が広いと思いました。出てくる仕事師の方々の仕事に対する真摯な姿勢には胸が熱くなるものがありました。
電子書籍
焼けるまで
2024/04/21 23:08
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投稿者:うみべ - この投稿者のレビュー一覧を見る
人がほぼ最後に世話になる葬儀業界についてのノンフィクション。専門学校の存在や遺体を美しく送るための仕事があることも知ったが、いちばん興味深かったのは火葬場。あの中でどういう風にして焼いていくのかがよく分かった。旅立つ本人の為とは言え、あまり棺桶に遺品とか詰め込んだらいかんのやね・・・。
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
人生の一番最期に送る大事なお仕事。遺族のケアだったり、たいへんなお仕事だなと改めて感じました。ありがたいですね。
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葬儀に関わるいろいろな場面でお世話をしてくれる、その道のプロの人々へのインタビュー。
昨年前半に自分と妻の親3名が相次いで他界し、連続で葬儀を行うこととなったのですが、その際に、葬儀社のスタッフの皆さんにはとても親身で細やかな心遣いをしていただいたことを思い出します。また、納棺師さんのプロ技にも感心しましたし、火葬場スタッフの方の対応や説明も分かりやすく丁寧でした。
遺族・親族は大なり小なりオタオタしているので、こういう場で心強いプロの人々が支えてくれるのは、なんとも心強いものです。
・・・・・ま、しかし、戒名代はなぁ・・・(※宗派による ※個人の見解です)。
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葬儀社で働く人たち、湯監師、納棺師、復元師、エンバーマー、火葬場で働く人たちを取材したノンフィクション。
現場に行き仕事師たちに密着。
自死し、損傷が激しい遺体について、復元納棺師の木佐貫さんは「死にたいという人に言いたいんです・・・。
あなたが、こんなになっても、お顔を見たいというご遺族がいる。
あなたをなんとかしてさしあげたいと必死になる僕みたいなものもいる・・・一人じゃないんだって思えて、踏み留まれると思うんですよね」
故人と遺族にそっと寄り添い仕事をされている。
「火葬路の扉を越えたらみんな平等」
小さなお子さんを亡くされたご家族の話に胸が痛んだ。
読みながら亡父を思い出したり、読了まですこし時間が掛かったが
「死を迎えたら、結局みんな平等」確かにそうだ。
気持ちが軽くなった。
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葬儀業界で働く人々を題材にしたルポタージュ。ハードカバーの頃から気になっており、文庫化は正に渡りに船。葬儀社、湯灌師、エンバーマー、火葬場…と様々な【葬送】の仕事に密着取材した全六章構成の本作。誰しもに訪れる【死】と365日向き合う精神的にも肉体的にも過酷な業務ながら、故人と遺族に対し真摯に向き合う【仕事師】たちの姿に目頭が熱くなるばかり。自殺者の遺体を前に「救えたかもしれない命」と語る復元師とエンバーマー両名に大きく心を打たれた。怖気が立つほど壮絶な仕事師たちのプロ意識を語る言葉を今の私は持っていない。
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「死を迎えたら、結局みんな平等」
だからこそ生きている内に、微小で良いので何か後世に残る足跡を残したい。
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会社にある本。
朝早くいって10分ぐらい読み進めている。
志望校だった学校が出ていて、身近に感じた。またそこに書かれている授業内容もほぼ初めて知ることが多く参考になっている。
葬儀業界の見本市が描かれている。湯灌についての記述があり、最近あった御体の状態が悪い個人様とご家族を思い出した。ご家族は、湯灌前後の変化に大変喜ばれていたのが印象に残った。エンバーミングを実施できる施設は日本で数か所ほどとベテランの社員に聞いた。日本ではなくなってから火葬するまでの日にちが少なく、エンバーミングの必要性は低いかも知れない。しかし、外国の方で亡くなった場合長期輸送に耐えられるようにエンバーミングをする必要がある思う。外国人労働者の増加に伴い需要は今後増えていくのではないだろうか?
火葬場の話も参考になった。
本の中で今後の未透視について、市場は縮小するのではないかという内容があり、確かにと思った。
今日は会社の最終出勤日、さいごにこの本を読み終えてよかった。葬儀業界に就職して良かったと思った。
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癌になりたくはないけど癌になるかもしれない、その時、治療するのかしないのか、するとしたらどの程度か、自分が決断すること。死にたくはないけど死は避けられない事、自分が死んだとき、どんな葬儀を希望するのか。そんなことを考えながら読了しました。井上理津子 著「葬送の仕事師たち」、2018.2発行です。葬儀のプロを志す若者たち、それぞれの葬儀屋稼業、湯灌・納棺・復元の現場、エンバーマーたち、火葬場で働く人々、超多死社会に向けて の6章立てです。余談ですが、葬儀業界市場は1兆6千億円、ペット関連市場とほぼ同じとか。
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人をお看取りするまでが我々の勤めであるが、きれいに亡くなる方ばかりではない。
病気のために亡くなった方でも痩せてしまったり顔色が異なる様となってしまった方を戻す技術、また遺族と亡くなった方を繋ぐ技術と思いがあることを学んだ。
読み返す度8/10
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ある日ふと目に留まり、
気になっていたものの手に取るまでに
ある程度の月日を要する。
購入したのは父が亡くなり10年目の年。
読み始めるまでに時間がかかる。
大事な大事な友人が亡くなり、
この本からまた遠ざかりたくなったが
「読まなければならない」ある日ふとそう思った。
葬儀社社員、湯灌師、納棺師、復元師、
エンバーマー、火葬場職員…
旅立ちを支える人たち。
彼らは日々「死」と真正面から向き合い、
悲しみに打ちひしがれる遺族だけではなく
亡くなった人にも寄り添う。
きれいな遺体ばかりではない。
家族や友人に囲まれて旅立つ人ばかりではない。
どんな場合であろうと、真摯な姿勢は変わらない。
そこに仕事と割り切っている人はいないのだ。
「辛くて読めないかもしれない」
そう思っていたわりに比較的冷静に読み進められたけど、
火葬場職員の話のところは相当苦しかった。
火葬場のひんやりとした空気、
さらに冷たい炉前に並ぶ無機質な火葬炉。
全て鮮明に残っていて、
何度か本を閉じては開くの繰り返し。
「きれいに焼く」
言葉だけ聞けば過激でもあり誤解され、
不愉快に思う遺族もいるだろう。
でもそうじゃない、わたしも今だからこそ、
その言葉の本当の意味と重みがよくわかる。
火葬場職員の方々を考えてみたことがあっても
わたしは浅いところしか考えてなかった。
こんなにも沢山の「作業と苦労」があったなんて。
そして職員たちの思いの強さも
わたしの想像をはるかに超えていた。
火葬場職員だけじゃない。
葬送を生業としている人たち。
彼らがこれほどの想いだったなんて。
この本を読まなければわたしはずっと
気づけないまま、知らないままだった。
「死」を語ることはタブーとされている風潮は
今だに根強いと感じる場面も少なくない。
でも「生」と「死」は切り離すことはできない。
この本を「読んでみて」など決して言えないし、
言う意味もないと思う。
必要な人には自然と手に取る時がくるかもしれないから。
父が亡くなった頃、映画『おくりびと』が大ヒットした。
どんなに好きな俳優が出ていても
「絶対観られない、観たくない」と拒絶したし
この先も観ることはない。
だからこそ、この本を読むことができて本当に良かった。
父を大事に送ってくれた
葬送の仕事師たちに感謝しながら。
父、祖母、叔母、そして友人を想いながら。
追記。
大人の事情、取材相手に対する誠実さなのだろう、
取材先の歴史なども詳しく書かれている。
それがやや過剰な印象。
同じ書くにしてももう少しシンプルな書き方だと
気持ちがぶつ切りにならず、
入ったまま読み終えることが出来たように思う。