- 販売開始日: 2018/08/03
- 出版社: 小学館
- ISBN:978-4-09-394234-8
猪瀬直樹電子著作集「日本の近代」第4巻 ピカレスク 太宰治伝
著者 猪瀬直樹
新事実と精緻な推理を駆使し太宰の遺書の謎に迫った傑作評伝ミステリー。日本文学史の固定観念に挑んだ「評伝三部作」のひとつ、『ピカレスク 太宰治伝』(2000年11月小学館刊...
猪瀬直樹電子著作集「日本の近代」第4巻 ピカレスク 太宰治伝
06/26まで通常1,100円
税込 770 円 7ptワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
商品説明
新事実と精緻な推理を駆使し太宰の遺書の謎に迫った傑作評伝ミステリー。
日本文学史の固定観念に挑んだ「評伝三部作」のひとつ、『ピカレスク 太宰治伝』(2000年11月小学館刊行、2007年3月文春文庫)を収録。
新事実と精緻な推理を駆使し、太宰の遺書の謎に迫った傑作評伝ミステリー。
当代一の人気作家・太宰治は、なぜ遺書に「井伏さんは悪人です」と書いたのか。関係者から得た。師と仰いだはずの文豪・井伏鱒二との確執や、度重なる自殺未遂に隠された目論見など、死のうとする太宰ではなく、小説のために目標の設定と破壊を繰り返して勤勉に生きようとした、これまでにない太宰像を彫琢。その勤勉な青年の軌跡に、日本の近代の軋みが浮かびあがる。
文春文庫版に収められた増補「『黒い雨』と井伏鱒二の深層」(『文学界』2001年8月号初出)のほか、巻末の「解題」には、井伏と太宰について縦横無尽に語り合った谷沢永一氏との対話「作家の沈黙 文学の終焉」(『Voice』2001年8月号初出)を収録。また、単行本刊行時に各紙誌に掲載された、鹿島茂、出口裕弘、佐々木幹郎、松永伍一、関川夏央、久世光彦ら各氏による書評を収める。
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もしこの本が50年前に出ていたら……。
2002/11/18 06:50
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Y.S - この投稿者のレビュー一覧を見る
じつは先に映画を観ていて原作を後で読む形になったのだが、原作が遥かに面白かったのでお奨めしたい。
例の「井伏さんは悪人です」の遺書がアップになっていた映画の冒頭のシーンはゾクッとする迫力を感じたが、原作でもその最初の謎かけの鮮烈さは同じで、その後はもう謎解きにぐいぐい引きずられるままにあっという間に読み込んでしまった。ミステリー小説として絶品である。
太宰は好きなほうなので、これまで評伝もいくつか読んでいたので太宰にまつわるエピソードはたいてい知っていたつもりだが、太宰の死の謎というど真ん中のテーマについて、こんな大胆な仮説は聞いたことがなかった。佐藤春夫のいうように「井伏さんは悪人です」は太宰一流の逆説的表現だとばかり思っていたから、それが実は太宰の本音でありそして当の井伏はそのことを十分認識していた、というのは衝撃的だった。この本が太宰の死後すぐに出ていたら、おそらくとんでもないスキャンダルとなっただろう。
世の太宰好きにはぜひ読んで感想を聞かせてほしい、と思う挑戦的な本である。
とにかくおもしろいミステリー評伝
2002/11/17 05:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「井伏さんは悪人です」と書かれた太宰治の遺書の謎説きをしながら太宰の生涯を描いた評伝ミステリー。
度重なる自殺未遂の真相や井伏鱒二の『黒い雨』に隠されたものなどはじめて知った事実に驚かされた。いつもながら猪瀬の綿密な取材と膨大な参考文献は、説得力を十分に与える。
事実に忠実に従いながらも、本の中で生き生きと動き回り、しゃべる太宰を描くその筆致には圧巻である。そこに謎解きの要素も加わって、かなりのボリュームにもかかわらず、一気に読み進めさせるだけの勢いある作品になっている。