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彗星夜襲隊
著者 渡辺洋二
昭和二十年四月、沖縄が決戦場となり、陸海全軍特攻の嵐が吹き荒れる只中で、強固な信念のもとに正攻法を採り続けた日本海軍芙蓉部隊。夜襲戦法を発案した指導官美濃部少佐と隊員たち...
彗星夜襲隊
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彗星夜襲隊 特攻拒否の異色集団 新装版 (光人社NF文庫)
商品説明
昭和二十年四月、沖縄が決戦場となり、陸海全軍特攻の嵐が吹き荒れる只中で、強固な信念のもとに正攻法を採り続けた日本海軍芙蓉部隊。夜襲戦法を発案した指導官美濃部少佐と隊員たちは、不利な戦況をいかに戦い抜いたのか―戦場を熟知する搭乗員と整備員たちが結集し、熾烈な沖縄戦に挑んだ最後の戦いを描く。
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紙の本
感銘を受けました
2015/10/12 21:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なっとう - この投稿者のレビュー一覧を見る
特攻を拒否し、正攻法で戦った部隊の戦記に感動しました。戦記はかなり読んでいる方ですが、部隊の成り立ちから始まり、戦いぶりの緻密な描写が迫力をもって迫ってきます。人の上に立つ者はかくあるべしというお勧めの本です。
紙の本
称賛
2018/05/02 18:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦時中の困難な時期に正しい行動と判断を下し実行していくことができた組織が損じしたことに驚きを覚える。この本を紹介した鴻上尚史氏の「不死身の特攻兵」と併せて読むと良い。これから訪れるであろう時代にも知っておくべき内容。
紙の本
読後所感:彗星夜襲隊 著者:渡辺洋二
2019/07/25 20:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:般若泡とネクトル - この投稿者のレビュー一覧を見る
断続的にだらだらと読んだ後、一週間程度の時点で記憶を頼りに思い浮かぶままに記した。
力と力のぶつかり合いとなる正規戦を制するのは、共和制の終わりに向かって勢力園を拡げる紀元前のローマの闘い、典型的には「ガリア戦記」で見たカエサルの闘いなどに顕著であるが、往々にして、以下の要素が雌雄を決する。それは、地勢の活用を含む指揮官の戦術立案・執行能力、武器開発・基地構築などに於ける技術力、軍団の機動力、ロジスティックス能力、兵士個人個人の戦闘能力とその養成および最前線に於ける指揮官のリーダーシップ。戦闘においては、これら要素は、一つも欠くことが出来ず、これらに総合的に秀でた方が必ず勝利する。これは、太古より変わらぬ普遍の真理であり、近いところの顕著な例としては「電撃戦や北アフリカに於けるロンメル」あるいは「イラク侵攻時の米軍」等を挙げることができる。本書を振り返り、最初に思い浮かんだのは、これであった。
本書に於いては、ある海軍の航空戦闘部隊の、主としてレイテの闘い終盤からの苦闘が取り上げられている。その時点では、上記の勝利に必須の要素が日本側からは、ほぼ失われている状態であるのだが、その様な果てしない制約下に於いて、もっとも貴重な資源である、能力を持った航空機搭乗員を闇雲に死地に向かわせるのではなく、継続的な戦闘に必要な能力の養成、体力・気力消耗時の養生(前線基地と後方基地の活用)、圧倒的な敵勢力下で実施可能な戦術の立案(長距離夜間爆撃及び夜間迎撃)、それを可能足らしめる武器の評価・選択及び調達(彗星、斜め上方銃、ロケット弾、地表炸裂弾等)、それらを整備・維持するための能力を持った整備員の選任および養成(液冷エンジンライセンシーによる研修)、徹底した前線基地に於ける陣頭指揮と作戦の執行等、施作の数々。思考停止に陥った上層部が理屈を超えた力を振るう中、勝利に必須の至極当然のルールを真摯に追い求め、貫き通し、戦果をあげながら終戦まで組織的に闘い抜いた一指揮官と航空戦闘部隊があったことを初めて知る事になった。数多の知るに忍びない時局の戦闘記録群の中に於いて、本書は儚く脆くではあるが、強く美しい光を静かに放っている。
この本は、この地に住まう我々の思考回路の中に潜む、ともすると鎌首をもたげる危険なDNAが何であるか、また、我々がそのDNAに囚われてしまわない為に、どのように自分を磨き、どう考え、そしてどう生きるべきなのかについての示唆を与えてくれる。
(‘19,Jul.23)