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悪の猿

著者 J・D・バーカー , 富永和子

見ざる、聞かざる、言わざる――四番目の猿は死をもたらす。連続殺人鬼<四猿>が突然の自殺。遺されたのは謎の日記。邪悪で素晴らしいものを生みだす、才能ある作家。――ジェフリー...

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悪の猿

税込 1,100 10pt

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悪の猿 (ハーパーBOOKS)

税込 1,151 10pt

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商品説明

見ざる、聞かざる、言わざる――四番目の猿は死をもたらす。
連続殺人鬼<四猿>が突然の自殺。遺されたのは謎の日記。

邪悪で素晴らしいものを生みだす、才能ある作家。――ジェフリー・ディーヴァー

ここ数年読んだ中でも最高の始まり。その期待を裏切らない。――ジェイムズ・パタースン

J.D.バーカーはその独創性で、信じがたい悪役と予想を裏切る展開を作った。――ジャック・ケッチャム

シカゴを震撼させる連続殺人犯“四猿”。「見ざる、聞かざる、言わざる」になぞらえ被害者の身体の部位を家族に送りつけてから殺す手口で、長年捜査を進める刑事ポーターも未だその尻尾を掴めずにいた。だが事態は急変する――四猿と思しき男が車に轢かれ死んだのだ。しかも防犯カメラにより、ただの事故ではなく自殺と判明。所持品には四猿の日記が。日記を読み始めたポーターは、新たな歪んだゲームに呑まれていく……。大御所作家がこぞって絶賛する、スリラー界の新星登場!

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みんなのレビュー32件

みんなの評価4.2

評価内訳

紙の本

evilの正体に迫る力作

2018/09/17 03:11

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る

帯にはジェフリー・ディーヴァー、ジェイムズ・パターソン、ジャック・ケッチャムの褒め言葉が。あぁ、そっち系ですか、というのがわかりますが、もう2ページ目から不吉な感じ全開。主役であるらしいサム・ポーター刑事にまとわりつく不穏さは事件よりも嫌な予感を連れてきて、「あぁ、この作者は容赦がないらしい」と覚悟させられた。
そう思って読んだせいか、予想よりは読後感は悪くなかったような・・・いやいや、私の感覚が麻痺しているのかも。

4MK=四猿(しざる)なので、「悪事をしざる」としているのだろうけれど、「悪事をせざる」のほうが文法的にも正しく語感も慣れているので、「悪事をしざる」には最後まで違和感あり。また何回も出てきちゃうんでね。
そのあたりが翻訳の難しさなんでしょうけどね・・・。
地元マスコミが三猿について「日光東照宮に由来」と報道してますが、それ以外は特に日本ネタはなかった。訳者あとがきによれば「三猿の思想は東南アジアを中心に、インド、中東、アフリカなど多くの文化に存在」とあり、もともとの由来は古代エジプト、ということにびっくりしつつ納得。
ちなみに英語では、“hear no evil,see no evil,speak no evil”。
そういえば高校の英語でやったような気がする。日本語では「何を」の部分が省略されているけれども、英語ではそれは通じないからevilが必要なのだと。でも「見ざる聞かざる言わざる」の内容が「悪いこと」だという意識は自分の中では薄かったというか、もっと広範囲の意味だと思っていて、evilだと“邪悪”みたいに意味の強い言葉が連想されるのでたじろいだ、ような記憶が。
あぁ、日本語って曖昧だなぁ。
本書ではしっかりevilの意味で使われています。

ポーター視点で物語は主に語られ、合間に4MKの日記(ポーターがここまで読んだ、という感じで)と被害者の視点が。
600ページ近い長編でありながら章立ては短くて、構成はとてもテレビドラマ的。捜査途中に判明したことを列記するボードまで出てくるので、「まさにリンカーン・ライムものをお手本に書かれたのでは?」という感じで、そりゃ、自分のフォロアーだと思えばジェフリー・ディーヴァーは褒めるよね。途中でいろいろぶっこんでくるあたりもそれっぽいんだけど、そういうのを当たり前に読んでる身としてはツイストがだいたいわかってしまう哀しさ(これが麻痺の元かもしれない)。
しかしうっすら感じたことを「やっぱりそうか!」と示すにはいろいろな下準備が必要で、そこはちゃんとしているなぁ、と。厚さの割には、そして初めての作家なのに意外に早く読み終わった。
とはいえ仕掛けが大きくなればなるほど動機が薄くなりがちというか、いや、この事件に関してはしっかり描かれているんだけれども、じゃあこれまでの7件の事件はなんだったのだ?、という気がしないでもなく。シリアルキラーだから、というだけではちょっと・・・。
ポーターはじめシカゴ市警の方々はキャラ立ちしており、シリーズ化してもらってもよい勢いだが、このあとの話は難しいかな。

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2020/04/07 16:00

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