メガヒットを生み出すノウハウを紹介した書です!
2018/10/13 12:17
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、情報社会の中で、メガヒットを次々に生み出してきた企業やクリエーターと呼ばれる人々のノウハウや手法を解説した書です。現代世界では、インターネットが浸透し、無料コンテンツが容易に手に入るようになっています。もう口コミではなく、ネットでどんな情報でも、欲しいと思った時に、瞬時に入手できる時代です。そんな中、ヒットを飛ばすことは、非常に難しくなってきていることは事実です。では、ポケモンやトランプ現象といったメガヒットを生み出す源泉はどこにあるのでしょうか。本書は、そうしたことを丁寧に教えてくれる書です。
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①人は馴染みのあるものを選ぶ
馴染み感
「露出度」が「馴染み感」を生み、「馴染み感」が情報処理の容易な「流暢性」を生み、流暢性が「好き」という感覚を生む
人々は一般的に、すでに賛成している考え方、はっきりした映像、わかりやすいストーリー、解決しやすい謎を好む
=流暢性
流暢性を感じさせる大事な要素の一つ=馴染み感
馴染み感は、ゴールではなく、出発点
MAYA
Most Advanced Yet Acceptable
馴染み感と好奇心
計画された時代遅れ GMのモデルチェンジ
馴染みすぎてはいけない
人々は同じ刺激を繰り返し与えられて、何かを強要されているようだと気づくと、「なじみ感」の効力が急減する
人間は「解決できそうな難問」を好む
非流暢性が流暢性に変化する瞬間=アハモーメント
話し言葉を一定の間隔で繰り返すと、音楽のようになって聞こえてくる=言葉の歌化錯覚
馴化を避けるには? マウスの実験 違う音を聞かせる
BBBBC-BBBC-BBC-BC-D
基本メロディ、基本メロディ、サビー基本メロディ、サビー別のメロディ(ブリッジ)
エピストロフィ(結句反復) Yes, we can.
アナフォラ(首句反復)
トリコルーハン 一つの分の中に3つの語を繰り返す
人民の人民による人民のための政治
エピジュークシス(畳語法) The Work.The Work. The Work.
ディアコープ 他の語に挟み込んで繰り返す
ドリル・ベイビー・ドリル(サラ・ペイリン)
アンチテーゼ それは一番いい時代であった。そして、一番悪い時代でもあった(チャールズ・ディケンズ)
パラレリズム(対句法) 文構造自体の反復
アンチメタボレー(倒置反復法) AB:BA
It's not the size of the dog in the fight. It's the size of the fight in the dog. (犬のケンカにおいて大事なのは、犬の大きさでなく、闘争心の大きさだ)
人類は戦争に終止符を打たねばならない。さもなくば戦争が人類の歴史に終止符を打つ(ジョンFケネディ)
論より韻
人は、耳に心地いい言葉を聞いたときには、あまり真剣に考えない。単純に、その言葉が本当なのだろうと思ってしまう
人は韻の心地よさをまず受取り、それから理屈を探る
④物語の力
ローラーコースターが楽しいのは、死の恐怖が迫っているからではない。「死んでしまうかと思わせられる」ことと「終点があって生きて降りられると分かっている」ことの間にある緊張感が楽しいのである
人はだれでも入ってくる情報を易易と処理したい
⑧バイラルの神話
闇のブロードキャスト
人は影響される生き物
⑨シェアの心理学
人は自己顕示する生き物
「得体の知れない現象」を「わかりやすく納得のいく物語」として理解したいという欲求、それ自体が「脳にあまり負担がかからずに情報を処理することができる」ことへの欲求に他ならない
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あの作品がヒットし、逆にあの作品がコケたのは何故なのか?そんな疑問を徹底考察した一冊。バイラルとブロードキャストの違いを解説した第8章が目から鱗で特に面白かった。日本でも多くの作品が口コミでヒットしたと言われているが実態はそう単純ではない。同時に作品の質をヒット規模だけで語ってはいけないと改めて思い知らされる。
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『ヒットとはカオスである』
ということが、何度も強調されている。
カオスゆえに明確なテンプレのようなものは存在せず、ヒットは予測不能である。
この本を読んでヒットする仕組みや背景を知ることはできるが、じゃあ自分がヒットを生み出せるかどうかは予測不能。
タイトル詐欺に思うかもしれないが、本書を読んでも設計図は得られない。
しかし、本当に大切なことは設計図そのものではなく、"設計図を知りたいという気持ち"だと末尾の解説に書いてありしっくりきた。
変化する世の中で必要なことは、柔軟に臨機応変に答えを追い求める(終わりのない)旅なのかもしれない。
また、ヒットのヒントは本書のあらゆるところに散りばめられており、気付きを十二分に与えてくれる。
良い本だと思う。
(ただ、紹介されている実例が欧米でヒットしたドラマや音楽の話題が多いのでピンっと来ないところが多々あった←私が無知なだけ)
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約390ページ。文字も小さめで脚注も入ったりするため、かなり読み応えあり。
絵画に始まり音楽、映画とヒットについて様々な角度から見ており、あの作品にそんなエピソードが!というものも多く読んでいて面白かった。そしてコレを読むと、ヒットの出方はあまりに多種多様ということを再認識させられた。
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レビューはブログにて
https://ameblo.jp/w92-3/entry-12430196806.html
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印象派のカイユボットの話が面白かった。
ちなみにウォーキング・デッドについては一言しか触れていない。
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・消費者のほとんどは「ネオフィリア(好奇心が強く、新しいものを発見したいと思う)」であると同時に、重度の「ネオフォビア(あまりに新しいものを怖がる)」である。優れたヒットメーカーとは、新しいものと既存のもの、あるいは不安と理解を組み合わせて「意味がわかる瞬間」を作り出す天才たちである。「どこかなじみを覚える驚き」を作り出す人たちといってもいい。
・みたことのある動物や植物というのは、前に出会ったときに自分を殺さなかったもの
・好みというのは人がそれまでに出会ったすべての総合である
・Most Advanced yet Acceptable
・なじみのストーリーに関する新しい進展を届けてくれるニュースチャンネルとなることで視聴率が大きく上がった
・ユーザはこのサービスを信用したいけど、まず相手が自分のことをちゃんとわかっているという証拠をみたい(プレイリストに完全に新しいものだけでなく、なじみのあるものが入っていることで、ユーザは安心する)
・自分に与えられている時間は特典
・人が何かを好きだと決めるときは、自分だけで決めるのではない。今何が主流で何がそうでないのか、何が過激で何が適切なのか、仲間が何をしているか、ほかのグループが何をかっこいいと考えているか、などを認識した上で「かっこよさ」を決める。消費者は常に習い、変化し、周りの人たちの判断に影響される
・小さな濃い結びつきの顧客は、大きく拡散したグループよりも強い
・友達の友達、フォロワーのフォロワーを知る必要がある。何かを大きくヒットさせるためには、直接の聴衆を面白がらせるだけでは足りなくて、そのまた聴衆も面白がるものでないとだめ。
・人の脳は常に、相手が何を売り込もうとしているのかその目的を探ろうとする
・たやすく影響される人の集団を見つける
・顧客の求めに応じるには、彼らが「口にする要求」と「行動に現れる好み」のほかにもうひとつ、「自覚していない好み」を知る必要がある。「友達になりました」という表示をみて「友達を増やしたい」と思うようなこのみ
・「わたしはあの男が好きではない。だからもっと彼をよく知らなければ」リンカーン
・ディズニーのグッズは「映画の宣伝」のものではなく、「流れを作り出すもの」
・キャッチーとは「どこに注目すればいいかわかる」こと(中田ヤスタカ)すなわち流暢性が高く、シンプルで繰り返しが多く、それゆえ脳に負担がかからずに情報を処理することができる
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さまざまなヒットはどのようにして生まれたのかを分析した本。
冒頭に出てきた、なぜ印象派の中でもモネやルノワールが人気なのか?という裏話がとにかく意外で面白かった!
色々と勉強になる点が鏤められていたけれど、特に印象に残ったのは2点。
・人は、安心感(既視感)があるものを好むと同時に、見たことのないものを見たいという相反する欲求をもつ
・そのため、既視感をもたせるために、露出を増やすことが必要。さらにそのためには、多くの人とつながっているブロードキャスト的個人とのつながりをなるべく多く持つ必要がある
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世の中に音楽,テレビ番組,本,ゲーム,アプリなどの文化商品はあふれている。場合によっては同じようなアイデアなのに,ヒットしたりしなかったりするのはなぜか,その秘訣は?複雑に絡み合う要因をシンプルに読み解こうとする意欲作!
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●なかなか読み応えがあり、テーマとその論点も面白かった。ヒットのメカニズムについて、多くの事例を分析して、解説している。
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音楽や本、アート、映画、商品、そして人物に至るまで、様々な分野におけるヒットの秘密を分析した良書。
ヒットの要因のベースにある「なじみ感」という指摘は確かにその通りで、音楽であれば耳馴染みの良いコード進行、映画であればストーリー展開などは、やりすぎるとただのパクリとして片付けられてしまうが、微妙なエッセンスとして散りばめられている場合や、オマージュとして作り手のオリジナルに対するリスペクトが込められているようなケースは、幅広い世代でのヒットにつながっていく。
そしてハリーポッターが最初多くの出版社から見向きもされなかったなど、ヒットの芽がどこにあるかは予測は難しい。
ギリシャ神話に登場するトロイの王女カッサンドラの話(未来を完璧に予言する能力に恵まれたが、誰にも信じてもらえないと言う呪いをかけられ、その残酷な能力に絶望してしまう)は特に印象的で、ビジネスシーンでも現代のカッサンドラであったとしても批判に負けずにグリットできるかも重要だ。
それができたのがジョブズでありバフェットだったのだから。
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ブルーハーツの甲本ヒロトだったと思う。売れているものが良いものなら、日本で一番美味しいラーメンはカップラーメンという事になる。
質の良いものと、売れるものは違う。「質の良さ」とは何か。製品で言えば、作り手の思い込みもあるだろう。玄人がこだわっても素人である大衆に響かない事などよくある。流暢性という言葉が用いられるが、要は、親しみ易さ。そして、売れる最大要因は、流通への露出。ヒット、売れるとは数の大小。結局は、ポピュリズムの擽り方なのだろう。
人の見た目で言えば、あらゆる顔の平均的バランスが美しいのだと認識されるらしい。これは、質の良いものとは何か、何故そう感じるのかという議論。良いものとは、と売れるものとは、を切り離して分析した良著。
売れたものが、良いものだ。こう言い切ったのは、誰だったか。白い猫でも黒い猫でも鼠を捕れる猫が良い猫だと。資本主義における数のヒットは、真の豊かさを運ぶのだろうか。この点に関して、私は鄧小平より、甲本ヒロト派だ。
余談だが、こうした質と量の思考を踏まえて尚、これを両立した意外性のあるヒットとして、RadioheadのKID Aが例に挙げられていた。量や露出やヒットチャート、大衆迎合も捨てたものではない。
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タイトル通り、ポケモンGOからモネ、テイラースウィフト、フェイスブック(Meta)など、映画、音楽、絵画、SNSまで大ヒットしたコンテンツや企業、人について「なぜヒットしたのか」の過程が解説された一冊。全体的にその時の時流に乗って、広告宣伝にお金をどれだけかけれたかにかかっている感じがした、とくに現代のネット時代は簡単にコンテンツをコピーできてしまうので、ヒットを出すのは難しい。アイデアや商品のヒットと失敗を分ける要因を詳しく知りたい人にオススメ。
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なんとなーく感じていたことを言語化されていて気持ちよかった。
なるほどというところもたくさんあった。「流行」はウイルスのように広がっていくと感じていたのだが、大きなブロードキャストから一発で多数に届くから広がっているという考え、確かによく考えたらその通りだ。なるほど。
「なじみ感」と「少しの驚き」
YouTubeのおすすめとかインスタのおすすめ見ているとよく感じる。
最後がカッコよかった。