紙の本
六篇の極上ドラマ
2023/05/30 16:59
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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
本を読む習慣のない人が「何か読んでみたい」と言ったら薦めるべきなのはこういう本!古典の分厚いのとかだめ!50ページくらいでさくさく起承転結あるので読みやすいし達成感があるよ。
紙の本
読後感の爽やかなミステリー
2019/01/18 12:29
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投稿者:暴れ熊 - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまでミステリーというジャンルは敬遠していたのだが、この本を読んでみようと思ったきっかけは、産経新聞の書評欄であった。
ミステリーというとどうしても人が死んだり殺されたり、と思いがちだが、この短編集ではそのようなこともない。
そして、ストーリーのキレがとてもよく、最後にああっ、そうだったのか、となる展開。
ほんとによくできていると思う。
最後の「夏の終わりの時間割」だけはちょっともやもやしたものが残ったが、どのストーリーも、「救い」があるように思う。概してとても爽やかな読後感である。
一篇一篇早く読みたい反面読み終えてしまうのがもったいないようで、いとおしむように読んだ。
読んでみて本当によかった。感謝。
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“誰かを救うため”という動機が鍵になる、六つの物語をおさめた短編集。
うーん、いつもキレのある短編を安心して読ませてくれる長岡弘樹さんにしては、ちょっとごちゃごちゃした感じ。面白くなかったわけではないけれど、期待したほどではなかったということ。
六篇の中では、冒頭に置かれた「三色の貌」と、ラストの「夏の終わりの時間割」が良かった。
「ガラスの向こう側」では親子の刑事が登場するが、ふたりの関係は、ここでは余分な感じがしてしまった。親子の刑事が主人公になる連作ものの中の一篇なら、なんとも思わなかっただろうけど。
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長岡弘樹さんの新刊は、やはり短編集である。前作『道具箱はささやく』は、全18編という豪華版だったが、今回は全6編と通常通りか。
「三色の貌(かたち)」。老舗の漬物メーカーを退職後、仕事が長続きしない青年。その原因となった出来事とは。ひねりはあるけど、違う方法はなかったのかと思ってしまう。「最期の晩餐」。簡単に抜けられないヤクザの世界。弟分の不始末は、兄貴分が責任を負う。すごいはすごいけども、これで大目に見てくれるのだろうか?
「ガラスの向こう側」。キャリアの息子と、叩き上げ刑事の父という奇妙なコンビ。父が一枚も二枚も上であることは、認めざるを得まい。それにしても、こういう男は実際にいそうだ。「空目虫」。舞台はグループホーム。施設長の命を受け、高齢者に寄り添う若手職員。単に心温まる物語だと思っていたら、最後にやられた。
「焦げた食パン」って普通は捨てるだろう。なるほどと感心するけれど、それだけ切実だったということだ。この泥棒氏には、わかるはずもなかった。「夏の終わりの時間割」。こういう不幸なケースはあるのだろうか。あくまで思いやりで動いただけに、結果の皮肉が悲しい。どうかしっかりと立ち直ってほしい。
『救済 SAVE』というタイトルがつけられているが、あまり救済された話はないような…。いつもながら、限られた長さでひねっているのは確かだ。
しかし、全6編で200pほどというのは、ボリューム不足なのは否めない。すいすい読めるだけに、もう終わりかと思った読者は多いのでは。
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この作家さんの作品は、何を読んでも、感心する短編が1つや2つあるのだけれど、今作は特に心を打たれる作品は1つもなく…
タイトルの「救済」の意味も分かるような、分からないような、微妙な内容だった。
感動作がないせいかな…
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ノンシリーズの短編集。
うーん。面白い。「短編の名手」と言われるだけの事はあり、全6話、いづれも傑作だった。
謎解きミステリでは無いけど全話に伏線があり、意外だが大いに納得出来る結末。そして登場人物一人一人が「生きている」感じがする。巧いなあ、全く。
強いてあげれば、この本の薄さ。ながら読みでも1時間ちょっとで読了。これでボリュームさえ有れば・・・。
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いやもう、ホントに毎度毎度、よく考えるなぁ~!と・・・
無理矢理感が今じゃ楽しみ!
え?読み方間違えてるって!?www
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「救済」をテーマに集められた6つの短編。
ヤクザ、元警察官、介護福祉士、ノビ師・・・それぞれの犯行動機に隠された思いとは。短いながらも巧妙に仕掛けられた伏線からくる、ラストの衝撃はクセになる。
どの作品にも相手を救いたいという思いがあり、そこが長岡作品ならでは。
特に「空目虫」のラストは「そうきたか!」と膝を打った。
ただ、2010年から2018年までに雑誌に掲載された短編を集めた作品なので、統一感に欠けるうえ、短くて本としては物足りない。「そろそろたまった短編を本にしときましょうか」的な編集者のやっつけ感が感じられてなんだかもったいない。せめて、書き下ろし短編を加えて作品としてのまとまりを与えてほしかったな~。
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誰かが誰かを助ける物語が6編。だから本の題名が「救済」なのだろう。いつもながら伏線を張り巡らせ謎解きへと誘うストーリーには感心させられる。気の利いたひねりや人間関係の味わい深さはうまいとは思うがインパクトに欠ける感も。ないものねだりかな?
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ミステリ短編集。どれも小粒ながらもラストで驚かされたり、納得させられたり。バラエティ豊かな読み心地だけれど、全体的に読後感は穏やかなものが多いです。謎が解かれることが「救済」に繋がるのかなあ。
お気に入りは「空目虫」。正直、ラストまでどこが謎になるのか気づけませんでした。まさかそういうことだったとは! と思って読み返すと。なるほどそうなのね。じわじわ来ます。
「夏の終わりの時間割」もじわじわと来る作品。少ししんみりさせられる部分もあるけれど。これもまた、これでよかったんだよねきっと。
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ミステリ短編集。キラリと光るものが、それぞれの作品にある。時間潰しには良いかも。
この作家の長編ものを読んでみたい。
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どの短編もスラスラと読めた。
特に「空目虫」の結末に、胸が温かくなった。
長岡さんの作品はいくつか読んだが、いつも結末を楽しみに飽きることなく読みすすめられるのでお気に入り。
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*警官、ヤクザ、ノビ師…犯行動機に隠された「想い」とは?巧妙に仕掛けられた伏線、トリック、ラストに驚嘆!『教場』『傍聞き』の著者が紡ぐ最高のミステリ集! *
相変わらず緻密なストーリー展開と意外な結末で、どのお話もお見事な仕上がりです。誰かが誰かを救うと言うテーマなので、読後感も優しい。
特に秀逸だったのが、空目虫。”昨日「得意なこと」をしたのは、本当は誰だったのだろう…”の回想には泣けて泣けて。時間を置いて、またじっくりと読み返したい。
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放火犯として刑事に疑われた知的障害のある少年。夏休みの予定を時間割として書くことに容疑と関わりが? 「夏の終わりの時間割」ほか、心を揺さぶられる短篇6篇を収めたミステリ集。
短編の名手と言われる長岡弘樹らしい、最後に必ず意外なオチのある短編が並ぶ。私のように通勤電車で読むにはもってこいの軽さと言える。でも筆力も構想力も十分あるのにどうしてもっと長編を書かないのだろうか。
(Ⅽ)
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短編6話で、スラスラと一気読み(^^)
教場の印象が強いせいか、裏の裏を読んでしまいがちですが、案外シンプルで少し拍子抜け(笑)
オススメは「夏の終わりの時間割」ですね♪