紙の本
茶の歴史は深い
2016/02/28 23:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ねったいぎょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
千利休が茶道を大成し、お茶を飲むという行為が文化となった日本。それに感銘を受けた西洋人がいて、イギリスで紅茶を飲む習慣が広まりました。そのことは知っていましたが、この本にはもっとこまかい知識が載っています。これだけ茶について詳細に調べた本は、なかなかないでしょう。食品の中では、コーヒー、チョコレート、茶は深い歴史があっておもしろいと思います。個人的には茶に一番興味があるので、この本は読んでいて新しい発見がありおもしろいです。
投稿元:
レビューを見る
通勤時間の暇つぶしに購入。
コーヒーと違って、お茶って頭で飲む割合が多い気がします。
お酒に例えると、コーヒーがビールで、お茶がワイン。
うまくいえないけど、そんな感じ。
投稿元:
レビューを見る
緑茶と紅茶、東洋・西洋における「茶」の認識の違いを知ることが出来ます。
東洋では、茶道に代表されるような精神・文化として。西洋においては、飲料・嗜好品として。
「茶」を通して見る世界史の本とも取れました。
投稿元:
レビューを見る
2部構成。第一部では主にヨーロッパ、特にイギリスにおける紅茶の話、第二部では日本における緑茶の話。
西洋史を専攻している私としては、やはり第一部の方が興味深かった。
特に印象に残っているのは、「茶」という文化にヨーロッパが初めて触れたのが日本との関わりの中だということ。また次第にヨーロッパ世界に浸透していく「茶」の文化は、まず貴族社会にて広がる。淑女たちの間ではティーパーティーにおいて、音を立てて飲むのが招いてくれた者に対する礼儀だったらしい。日本の「静」の文化がヨーロッパでは通用しなかったのだろうか。
全体を通してどれも興味深い内容だった。だた、第二部における漢字と片仮名の文を読み取るのが困難であった。…自分の学力の問題のせいか。
投稿元:
レビューを見る
植民地時代の壮大な世界史。こんなにも植民地時代と重商主義と紅茶の成立が深く関係してるとは知らなかった。
投稿元:
レビューを見る
これは面白かった!
世界史の本として良かった。
「茶」がいったい歴史上どのように人々に関わって来たのか、
文明の中心が、東洋文化圏からヨーロッパ圏に
移り変わっていく様子がわかりやすく書かれている。
産業革命以後の西欧の非西欧文明圏に対する傍若無人さと
言ったらないのであるが、特に清をアヘン戦争に追い込み、
富をもぎ取っていった大英帝国のやりくちの汚さは、
改めて読んでもひどいものです。
もしかしたら、清国が紅茶の一大産地でなかったら
あんな風に攻め込まれなくてすんだのかも。
かつてはお茶自体に文化・精神が宿っていたけど、
西欧で一般に消費されるようになり、単なる商品と化してからは、
その精神性が失われてしまった、というところに考えさせられた。
ほかにもこういうもの、沢山ある、と思う。
昔、自分たちが持っていて、失われたものもあれば、
近年、失わせてしまったものも、あるんだろうな。
**************************
西欧文明圏の、非西欧文明圏に対する気持ちの変化
が納得の図式。
深い歴史と高い文化に感動・憧れ、真似をする
↓
追いつき、追い越せ、で頑張るも、原料も技術もなくムリ
↓
しかし産業革命により、今までにない新しい力と技術を得た
↓
これ、もう自分たちのが上じゃない?
↓
新しい力と技術を持たない国は自分たちより下とみて、
見下し、攻め込み、奪い取る
↓
その見下し感を継続したまま、今に至る
投稿元:
レビューを見る
○○の世界史シリーズを読み初めて、記念すべき第一作だったはずなんですが、、、これがなにげに強敵でした(汗 読んでも読んでも終わらない。新書なのに一か月近く読んでた気がします(汗 他のワインとかコーヒーに比べると情報量が多いせいかもしれません。正直疲れましたorz
2009/7/12(日) 読了
投稿元:
レビューを見る
わび、さびに象徴される日本の精神文化としての緑茶と、砂糖、ミルクを入れる飲み方に象徴されるイギリスの物質文化志向を持つ紅茶。
広東語のcha(陸路)と福建後のtay(海路)
1609オランダの東インド会社が日本からヨーロッパに初めて茶を輸入した。
イギリスに於いて茶は、ジャーナリズム、文筆業、王立科学院を生んだコーヒハウスで一般に広まった。はじめは薬として飲まれていたが、やがて砂糖とミルクを入れた嗜好品となる。砂糖を入れる飲み方をはじめてしたのがポルトガルから嫁いだキャサリン王妃であり、当時銀と同等の価値を持っていたポルトガル植民地ブラジルからの砂糖を用いた。のちにイギリスは西インド諸島のバルバドス島を砂糖植民地として開発し、どれに伴い奴隷貿易が急速に発展する。三角貿易。茶の輸入元の中国に対するアヘン戦争、中国の市場の自由化という搾取。インドのアッサムでの茶栽培の成功。ボストン茶会事件。
茶によって植民地主義が進行し、茶が戦争の引き金となった!
『元来、<文化>であった茶が<商品>になり、イギリスを中心に世界の日常の飲料となったとき、飲茶から思想が抜け、美が消えた。近代化は茶から思想や芸術を奪い、茶を物質におきかえたのである。そうすることによって、茶が国際性を持つことになる。』
投稿元:
レビューを見る
いろいろ違和感を感じる作品である。
極東の島国の「茶の湯」文化や海洋帝国の「紅茶」文化について論じるときその担い手として言及されるのは王侯貴族と上流階級たちなのだが、一方その文化とぴったり対応するものとして仮定されている茶の消費について論じるときには暗黙の内に近代のネーションが想定されている。
「東洋文化のシンボルとしての茶」が西洋人──とりわけイギリスをして中国へのコンプレックスをかきたてさせて、その帝国主義的姿勢を惹起したというくだりには、まったく説得力を感じない。というかむしろ著者の論述一般への不信感がつのる。
プランテーション経営に関する議論のなかで著者のことばとしての(つまり史料の引用ではなく著者の生の言葉としての)「インディアン」とか「ニグロ」といった表現があらわれることは、本書の執筆が1992年に先んじること10年以上まえのことであるからもう「仕方のないこと」として諦めるべきなのだろうか?
──とまあそういうわけで、ブリテン島社会に徐々に茶が普及していく過程の概説としてはともかく、本書にそれ以上の何かを期待できず途中でリタイアしてしまった。
投稿元:
レビューを見る
「茶の世界史」というより、「経済史に見る茶」。プロローグに釣られて買ってしまったけれど、期待していた内容と全く違った。
期待してた内容
茶の原種分布や農作物としての栽培の歴史、農作物としての伝播について。植物煮出し汁?を飲む習慣の歴史。茶の精神とその成立過程についての解説…等々。
実際の内容
西洋の東洋に対する憧れの象徴、文化としての「茶」が、資本主義の商品としての「茶」になるまでの歴史。大航海時代から19世紀の帝国主義時代が主で、資料は貿易の記録と飲茶風俗を伝える雑誌などが中心。
これで題に「世界史」と銘打つのは大袈裟だと思う。
あと、間延びした構成で読みづらい。「本論の構成と目的」の様な説明があればよかったかも。
投稿元:
レビューを見る
お茶の流通経済史として読めば面白い本。お茶を流通、経済からの側面から書いた本を読んだのが私は初めてだったので、興味深く読めた。
お茶の動きを読めば、近現代史の新たな一面が見えるというのがおもしろく感じられた。
投稿元:
レビューを見る
大航海時代を通じてインドや東アジアとの交易が盛んになったヨーロッパ。 かつてオリエント文化が流行した様に、人々は未だ知らぬアジア文化への強い憧れと好奇心に突き動かされるまま、アジアの代表的な文化である「茶」が浸透していったのである。 さて、くだらない前置きはおいておくとします。 本書ではイギリスでは日常的飲み物として堂々たる地位を築いた「紅茶」について取り扱っています。 茶の発見から始まり、何を引き金にヨーロッパ、特にイギリスで紅茶が普及したのかについて解説されています。
投稿元:
レビューを見る
茶で世界を語った最初にして最高の本。茶業研究を始める人間は、角山榮を通らずして先に進むことはできない。膨大な領事館文書を駆使したその研究には、ただただ敬服するのみです。
投稿元:
レビューを見る
紅茶、緑茶、中国茶の歴史を記した本だが、当時の現地の背景もとても詳しく書かれている良本だった。
日本が開国した当時は、緑茶は貧乏人が飲むお茶として、アメリカやカナダに輸出されていたと聞いてびっくり。さらにお砂糖やミルクを入れて飲んでいたと聞いてまたびっくり。着色までされていたと聞いてぞっとした。きっと不味いから、こうやって味をつけて飲んでいたのだろう。
確かに、外国のメーカーのお茶を買うと、緑茶がベースになった甘い香りのお茶があったりして驚かされる。日本人の私としては、緑茶に甘いフレーバーなんて気持ち悪いと思ってしまうが、本書を読んで、なぜ緑茶がこのように変化して世界に広まったのかということが良く理解できた。
お茶が「茶の湯文化」から「商品」へと変化していった過程を追うことができ、興味深い一冊だった。
投稿元:
レビューを見る
約200年前、交易品の中で茶は高級品であり、そして独自の紅茶文化を発展させたイギリスは交換品の銀の流出を防ぐため中国にアヘンを広めアヘン戦争になったのですか。むごい。紅茶のお供である砂糖も。奴隷貿易を制するものは、砂糖を制する。う~む。そしてインドでも茶は発見され、開国した日本は緑茶は英国紳士には適さないということで広まらなかった。そして男たちは立ち上がった。(プロジェクトX)面白かった。たまには急須でお茶を飲みますかな。