紙の本
音楽嗜好によって好き嫌いが分かれる本
2023/01/22 14:53
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投稿者:MACHIDA - この投稿者のレビュー一覧を見る
テレビでよく見かける中野先生の別な面に親しめる。音楽に焦点を当てて自身の少女学生時代の告白も混ぜた、他の脳心理学系解説とは一線を画した異色の評論。いささか偏ってのめり込んでいる感もあるが、メタル好きの分析など興味深い。但しこの手の音楽に関心がない向きには「?」かも。自分は世代が上なので、レッド・ツェッペリン、ディープ・パープルなどと読み替えてみた。クラシックとヘヴィ・メタルの共通点とか、大いに納得した。
紙の本
多様性を認めよう!
2019/04/24 13:24
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:むらくも - この投稿者のレビュー一覧を見る
メタラーです。
すっごく共感できる部分もあれば、ちょっと「?」と思う部分もありました。
でもそれでよいのだと思うのです。
多様性を認めて、「ふ~ん、こういう見方、考え方もあるんだ~。人はいろいろでおもしろいな~」くらいに受け止める度量の大きさこそがメタラーなのでは!
ただ1つ。この本、非メタラーの人には全く共感出来ないのでは?
ま、そもそもメタルに関心ある人しか手に取らないと思いますけど…。
…と、「解かる人だけ解かればいい」と思ってしまうあたりがまたメタラーのメタラーたる所以なのかも…。
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「天才は残酷な音楽を好む」/著者中野信子は、残酷な音楽であるメヴィーメタルを好む/だから脳科学者中野信子は天才の一人である、、といった自惚れた本ではない(笑)。
前半、自身の性格とか辛かった過去を赤裸々に告白しながら、メタルという音楽によって救われてきた体験を語り、メタルという音楽の影響力を自身の体験を通じて語る。
この時点では、単なる著者のこだわりからくるコジツケなのか、脳科学の分析に基づく客観的発言なのかが不明であった。
ただ、著者が述べるメタルファンの特性のとらえ方は、自分(メタルの一世代前のハードロック世代ではあるものの)に当てはめてみてもかなり共感できる部分があったのは事実だ。
さて、後半に入ると、徐々に脳科学者の本領を発揮してくる。
著者自身、過去に「脳と音楽」についての研究を真剣に行っており、本書についてはずっと書きたいと思っていたテーマだったようだ。
大学や学者の「音楽のジャンルと個人のパーソナリティ」の関係性の調査結果などをもとに、クラシックのファンとメタルのファンの共通する特性を明かしたり、またはメタルファン独自の特性を明かしたり、脳の部位の働きとパーソナリティとの関係性を述べたりしている。
さらには、世界中で台頭しつつあるポピュリズム(=端的に言えば付和雷同的な風潮)を著者は、民主主義崩壊の危機と懸念しており、それにストップをかけられるのは、大衆迎合を嫌うメタル的な思考であるとまで論旨を広げている。
本旨の受け取り方は、読者様々だろうが、世間にウザい音楽と認識される傾向の強いメタルこそが、実は若年期の傷つきやすい心をケアするものであり、嘘を許せない正義感の強いものが好む音楽であり、これからも期待されるべきジャンルなのだというビュアな訴えに好感をもって読むことができた。
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冒頭から迸るメタル愛。そして脳科学的な観点から分析し、社会との関わり方にまで話が及ぶ。
私自身もメタルを聴くことはやぶさかではない人間なので共感する箇所は多かったが、メタル以外のジャンルに対しては主観による浅い断定が目立ち、片手落ちの印象。
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テレビでもよく見る脳科学者・中野信子先生が、自身も好きなメタルが好きな人達を脳科学的に分析した本。2019年作品。
まず最初に、孤独感を感じていた少女時代の先生がメタルに出逢う、という自分語りから始まっています。それがあまりにも感動的で、1ページ目から泣きそうになりましたよ。第1章は、こうした中野先生の中高生時代の音楽体験が書かれていて、偏差値高め少女のメタル話はボンクラ男子のメタル好きしか知らない自分には、非常に新鮮で興味深く読みました。
第2章以降では、メタル好きな人達に特有の気質を見事に言語化してくれていて、所々で脳科学の専門用語が使われる難しさはありましたが、色々と納得する事が多く楽しめました。
中野先生の冷静に分析した文章も良かったですが、それ以上に感動したのはメタル好きだという中野先生の知人の言葉。
ミュージシャンとファンの絆を「メタルミュージシャンたちは、デビューアルバムを出したときにすでにファンと“盃”を交わしているんだ」と言い、自分が好きになったバンドを誰かに勧めて気に入ってもらいたくなる衝動を「まるで離れ離れになった家族を捜しているような気持ちになる」と言う熱さ。
こうしたメタル好きの熱さが不思議に思う人は、是非この本を読んでいただきたいですね。
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おもろいです。「メタルの嗜み」を文章化した初の試みって感じ。ちょっと俺と守備範囲が違うのだが、メタル好きの雰囲気がよくでている。「脳」関係ある?って気になるところだが、それもギャグ。文章自体にリフが利いてる。
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【自分はやっぱりメタルファン】
中野氏のチョイスは自分の範囲よりディープでコア、あまり踏み込んでない領域。良いバンド知ることができた!
メタルは「非社会性」の音楽であり、排他的な面がある。カラオケに行って歌うものがない、流行歌を歌う人とは違うのだよと思う。
自分はメタルファンだと感じる典型的な場面だ(笑)
自分が人と違うことの「快感」を後押ししてくれる音楽がメタル。エナジーをもらえる音楽がメタル。
今年の目標はライブに行って「毛穴」で体感してきたい!
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中野さんがメタル好きっていうのはよくわかる。けど自分にとってはただそれだけだったかな。一般の方向けであるという前提はあるとはいえ、メタル好きの分析はこの本の記述だけみてるとかなり主観的であるし、他ジャンルとの比較についても根拠が薄弱な上に他ジャンルの認識があまりにも一方的な捉え方で浅い。これならいっそのことエッセイとして出版されてる方が納得がいく。
ブログだったらまぁ面白いとは思うけど、本にするにはなぁ…
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非社会性が大きなテーマになっていますが、側からはとても社交的に見える人も本人に聞くと本当は人に合わせたりするのは苦手と言う人が多い気がします。
本書は、メタラーのメタラーによるメタラーの為のメタルアルバムような本Deathlml
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著者とメタルとの関係性が50ページ弱あるのは流石に長すぎる。「自分の経験から、一般化へと導く」という手法を期待したのであろうが、それにしても本題に入るまで長すぎる。
「メタラーは非社会的」というのが前提で論理が展開しており、その根拠は3章になるまで出てこないので、てっきり著者はステレオタイプ的に(一応自らの論理は示して入るものの)非社会的である、という風に示しているのかと思った。そういう意味で、本書の構成はちょっとおかしい。
それと、「ノースウエスタン大学の研究では」などのように、「○○の研究では×という結果が出てます」と言ってるものの、出典が明記されてないのは流石に擁護しかねる。
総評すると、「メタラーが、タダで読めるなら読んでみても良い」レベルの本。
メタルは日本的な音楽、という主張にはちょっとおもしろいと思った。
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「脳科学から見たメタルとは」という本を出しただけで、勝ち誇っていいと思う。
内容は「メタル脳」というよりも「脳科学的鋼鉄魂」という感じか。冒頭の「著者が語るメタル」は、この著者が書かれたこれまでの著書ではなかった姿勢の書き方でこれはこれでたのしいと思う。
「あ、サミー・ヘイガーの声が苦手なのね、俺は好きだけど」とか、これこそ音楽を語る楽しみのひとつなのだから。
肝心の「メタル脳科学」は読んでいて思わずドキッとするようなところが随所にあっておもしろい。
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元メタラー(今コンスタントに聴いているのはアイアン・メイデンとメタリカくらい)なので、タイトルに興味を持って読んでみた。
本書は音楽本というよりも、脳科学と心理学(特にパーソナリティ理論)の解説本。したがって、メタルという音楽とアーティストを脳科学の観点から掘り下げる本だと期待して読むと、期待外れと思う可能性が高い。
つまり本書に対して何を求めるかによって、評価が全く変わるということである。メタルという音楽についての深い洞察を求めるのであれば、伊藤政則氏の本を読んだ方がはるかに満足できるだろう。
読んで思ったのは、脳科学と心理学には非常に密接な関係があること。おおよそメタルとは関係ないことを本書から感じ取ってしまった。
ただ著者のメタル愛は強く感じるし、メタルという音楽に対するステレオタイプを打破しようという意気込みも感じる。
一つ「なるほど」と思ったのは、落ち着こうと思って静かな音楽を聴くとかえって落ち着けないというくだり。たしかに落ち着こうと思ってバラードを聴くとかえって落ち着かなくなる一方で、ハードな音楽、バンドで言えばアーチ・エネミーや、メタルではないがラモーンズなどを聴くと気分が落ち着くということは多々ある。
おそらく、パーソナリティ理論でいう「最適刺激」が関係しているのだろう。
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読んでいて頭を過ったのが、戸塚ヨットスクールの戸塚宏校長が説く「脳幹論」であった。人には苛める快感がプログラムされているという件など当に戸塚先生が以前より力説している論と被る。
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著者は、これまでに脳科学という学問領域から得た知見を
一般向けに分かりやすく解説してきた。
過去には
「ヒトはいじめをやめられない」
「不倫」
等、時流に乗ったテーマを脳科学の視点から
学者らしくロジカルに分析している。
しかし。
今回、「ヘヴィメタル」と意外な領域を取り上げた。
それは何故か。
著者は思春期にヘヴィメタルの「洗礼」を受ける。
周りの女子が光GENJI等、流行りの音楽に熱中する中、
とても「ヘビィメタ」とは口にも出せない自分に
苦悩を抱える。
実はそんな時期が自分の「個」を形成したプロセス
だったと振り返る。
「内面性の高さが、同時に社会からの影響の受けにくさ
であるなら、それはこれからの社会を生きるうえで
強力な武器になるでしょう。
なぜなら、いまの時代というのは社会そのものが
リスクだから。」
ロジカルな著者が、今回は非常にエモーショナルな
一面を見せてくれた。
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まぁ、自分が好きなことを脳科学者が論理的に説明するので、分かりやすく、腑に落ちる。自分の感情を覗かれているようで不思議です。
誇大化しすぎてると思うけど、他人からの干渉を嫌がり、とは言え他人にも共感してもらいたい、育てたという誤った感覚を持ち新境地にはアンビバレントな感情を持ちならが否定する、孤独を受け入れている
うーん、その通り。メタル好きはそういった傾向にあるね、特に日本は、と思うなぁ