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幼い姉弟を殺害して山に埋めたとして、望月が自首し死刑となる。
しかし、その後、殺害された姉弟の両親が惨殺され、その娘も重体となる事件が発生。
この二つの事件は確実に繋がっているはずなのだが、その繋がりは全くの不明である。
この謎解きが、じわじわと明らかになる過程が、このミステリの醍醐味である。
キーとなるのが望月が収監中に詠んだ短歌である。
残念ながら私には短歌に対するセンスも知識も無いのだが、きちんと解説がされているので、ある程度は理解できる。
ラスト明らかになる真実は、想像よりイレギュラーなものであったが、望月氏の心理がいまひとつ理解できないのであった。
あと、掲載されなかった残りの歌の謎は、自分で読み取らねばならないのでしょうか?
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二人の子供が殺害された事件と、一家が殺傷された事件。一見無関係に思えた二つの事件に見える繋がり。子供たちを殺した犯人は、いったい何故そんな凶行を起こしたのか。「悪魔」はいったい誰だったのか。ルポルタージュの形式で語られる事件の謎は、徐々に真相に肉薄していくのですが。そのじわじわ感がたまらない読み心地です。
しかし。これで果たしてすべて解決しているのか。「隠された真相」とは一体何なのか。ううむ、すべて読み切れた自信がありません。とりあえず和歌に隠されたメッセージは読み解けたのだけれど。まだ何かがありそうな気も……。
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【ネタバレあり】
幼い姉弟が殺害された事件と、その姉弟の両親が22年後に惨殺された事件を追ったルポルタージュを紐解いていく形で、最後には真実が明かされる。
被害者と加害者が反転するラストには驚かされた。そして、加害者と思われていた望月辰郎の和歌に込められたメッセージに、切なくなった。
「二十二年目の真実」の項で、短歌の意味を途中まで解読したところで、肝心の「すみなきみはいきろ」にはまったく気づかなかった。私が鈍いだけかもしれないけど、巧みだなぁと感心しました。
途中、虐待されていた「妹」を姉が慰めていたという証言のところで、弟じゃなかったっけ?初版だから誤植かな?と安易にスルーしてしまっていたことが悔しい。改めて読み返すと、姉弟の遺体に対面した父親の言動の意味が分かり、ゾッとした。
ミステリ的にも面白かったし、出版された出版禁止シリーズの中で今のところこれが一番好きだ。
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初読みの作家さん。
面白かったぁ。
途中でうすうす感づきましたが…
やりきれない気持ちになりました。
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幼児兄弟二人を殺した男・望月。法廷でも反省の弁をひとことも口にせず、死刑囚に。編纂者は過去の記事等や望月周辺を徹底的に調べ上げ、最後に導かれたものは…。
和歌をじっくりじっくりじっくりと深く見ていると…なのですね。何度か前のページに戻って確かめたので一気に読んだ方がいいかも。霧の中にいるような謎。上手に伏線も回収され、いやはやお見事! 心の描写にというのではなく、謎解きで面白かったね。
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いやぁ、お見事!初読みの作家さんだったので帯の煽り文句に半信半疑になりながら読み始めたのだが、これが面白い!
途中、違和感を感じる箇所がいくつかあったが、やはりそれは伏線だったようで、見事に回収してくれた。
何人かの記者たちがある事件について調査し、色んな角度から事件を追うことで真実に迫っていくという形を取っている。
ある事件とは、幼い姉弟がホームレスの男に殺され、土中に埋められるという凄惨な事件だ。そのホームレスの男は、その後すぐに自首するが、全く反省の色が見えない。
その数年後、一家3人殺傷事件が発生する。その被害者家族は姉弟誘拐殺人事件の被害者遺族だった。この2つの事件に繋がりはあるのか。
様々なインタビューにより、事件の外堀が埋まっていくかのように思えるが、事件の真実は二転三転し、全く違った真実が見えてくる。
事件の真相を知った時、あなたはどう思うでしょうか。
真実が明らかになった時、これまで自分が思い描いていたストーリーと全く違った結末に愕然とした。ただただやるせない。
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出版禁止シリーズの中では感動系の内容だったが、本当にそれが真実なのだろうか?疑い過ぎているからか、所々モヤっとする箇所があり、まだ真実が眠っている気がする。
個人的には望月今日香が江美に伝えたメッセージ。
「そうだよ。見下しているよ。あなたのこと・・・。ずっと憐れんでいた」本当は裏のメッセージがあるのではないか?と思っているが結論は出ず・・・
結局、真実は誰にも分らない。自分が感じたことが真実で良いのではないか?
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「出版停止」第2弾。
幼児殺人事件と時を経て起きた一家殺害事件。
編集者が事件を追う。
ミステリーとして最後まで面白かった。
(図書館)
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〇〇禁止シリーズにしてはせつない後味。
仮名やアナグラムや頭文字だけ読む(和歌だと折句と言うのね)のは本シリーズにはよくあるので、望月さんの短歌初出時に試したんだが違ってた…物名とか知らんかったわ…でも編集者もライターも和歌のセミプロなんだから雑誌に掲載する前段階で気づくんでないかな!(野暮)
途中で止められずひさびさに徹夜読破してしまった。
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読んでいくごとに面白くなっていった。途中で『姉が妹をなぐさめているところを…』みたいなのあって、妹??って思ったんだけど、それがねーはぁーすごいねー。
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前作同様友達のお薦め作品を読んだ。「カミュの刺客」の上梓から四年後に出版されたこの著書は、やはり意味深な副題が付されています。
友達には感謝している!なんたって「くっっっそおもしろい!」と評価していた。僕も「何でや!わけがわからん…。」と思いながら、時間を忘れてぺージをめくる手が止まらなかった。でも、200ぺージを過ぎたところ、読む手が止まり、ペンを取り読書ノートに一ページだけ仮説を書いた。それから少し読み進めると、カギカッコで結び「全くあり得ない」と書き自らの推理を否定した。
最後まで読み、思い違いはあるものの最悪の事態が現実のものとなった。何とも目を塞ぎたくなる鬼畜物語。この小説は一字一句読み落としてはいけない。
おもしろい、最後の一行まで…。
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今まで読んだミステリーの中でも1.2位の面白さだった
幼い姉弟を殺害した容疑で逮捕されたホームレス。
そして、姉弟殺人事件の20数年後、被害者の両親が惨殺される。
死刑執行後に世間に出た鬼畜の和歌に隠された真実。
ページをめくる手が止まらなかった。
前作と違い、最後は切ない。
全く違う作風。こっちのほうが好み。
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最後の和歌にゾワっとしました…!
以下ネタバレです
すべては おわった
もう くいはなき いのちをたつことが
わたしのねがい わたしのしょくざい
ふくしゅうは むなしい
あくまに うちかつため
にくしみ たちきる
ぜんぶ わすれて
すみな きみはいきろ これで ようやく
たどりつく ふだらくに
もうすぐ きょうかに あえる
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2人の幼児を殺害した罪で死刑の確定した浮浪者望月。
事件の動機に疑問を感じた人達が見つけた真実は。…
いやー面白かった。
残酷な事件がその後どう繋がっていくのか、ルポタージュは途中までだし、どうなるの?と先が気になり、必死になってしまいました。
最後の和歌に隠された秘密を自分だけで解くことは出来ず、ネタバレに頼ってしまったことは残念。
真実を知った上でらまた最初から読み直したいと思わされてます。
シリーズなんですね。
他の作品も是非読んでみたいと思います。
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ミステリータッチの本格物。
幼児誘拐殺人事件と、時を経て起きた一家殺害事件。
この二つの事件にかかわった人々を事件記者がインタビューして回るという、一風変わった形式。
バラバラのはずの事件が少しずつ繋がり、徐々に事件が全貌を表す構成は見事だし、犯人の心情を表す”短歌”を違和感なく作品に取り組んだ筆者の手腕は見事。