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電子書籍
眩(新潮文庫)
著者 朝井まかて
あたしは絵師だ。筆さえ握れば、どこでだって生きていける――。北斎の娘・お栄は、偉大な父の背中を追い、絵の道を志す。好きでもない夫との別れ、病に倒れた父の看病、厄介な甥の尻...
眩(新潮文庫)
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眩 (新潮文庫)
商品説明
あたしは絵師だ。筆さえ握れば、どこでだって生きていける――。北斎の娘・お栄は、偉大な父の背中を追い、絵の道を志す。好きでもない夫との別れ、病に倒れた父の看病、厄介な甥の尻拭い、そして兄弟子・善次郎へのままならぬ恋情。日々に翻弄され、己の才に歯がゆさを覚えながらも、彼女は自分だけの光と影を見出していく。「江戸のレンブラント」こと葛飾応為、絵に命を燃やした熱き生涯。(解説・葉室麟)
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紙の本
まずはカバー絵に驚嘆
2023/02/12 15:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
本屋の店頭で本書を手にとって見て、まずはカバー絵に驚嘆した。江戸時代末期の浮世絵作家が、このような陰影深い光を効果的に用いた絵を描いているとは全く思えなかっただけに、驚嘆した。本書の中身もそれはそれは大したもので、浮世絵作家の第一人者と評価されている偉大な父親のそばで苦慮する娘の心情をしっかりと描ききっている。
紙の本
絵に画いたような
2021/09/11 08:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かずさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
葛飾北斎の娘お栄の物語り。小さい頃から父親の胡坐のうえに座り筆運び、絵の描き方を覚え女絵師として父親を助け、北斎亡き後は自立して画業を生業とする。周りには父北斎、母親、想いを通じる善次郎。父親の弟子五助。そして北斎亡き後までもまとわりつく悪魔の甥。長編小説でありながら読者を飽きさせない。浮世絵、肉筆画の書く様子は正に絵に画いた様に丁寧に表現されている。北斎親子の話は多多取り上げられているが、そのなかでも一品の部類では。
紙の本
もっと知りたい、お栄(応為)という江戸の絵師。
2021/06/05 16:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸の天才浮世絵師・葛飾北斎の娘・応為の物語。北斎のことに興味を持って、その作品を鑑賞したり、関連図書を読んだりしていたが、家族のことを描かれていたのは、杉浦日向子の『百日紅』ぐらい。そこで、お栄(応為)の存在を知って、もっとちゃんと知りたいと思っていた。本書は、父・北斎を支えながら絵師を続け、やがて、父とは違う絵を描くアプローチを見出してゆく。父のダイナミックな構図に対し、色を光の表現と言ったらいいか。
家族や世間に翻弄されて生きたお栄の苦労を思いつつも、自らの表現に行きついたお栄の満足を想像し、少し幸福感を得るエンディングだった。
紙の本
文字から読めた美しい色彩
2019/08/11 23:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:扇町みつる - この投稿者のレビュー一覧を見る
2017年にNHKで放送されたドラマで見て原作を読んでみたいと思っていた一冊。
映像で表現されていた見事な色彩が小説の世界ではどのように表現されているのだろう。文章から美しい色彩や江戸の景色を感じることが出来るのだろうかと思っていましたが、感じることが出来ました。
一度ドラマを見てるから…と言ってしまえばそうかもしれませんが、実はドラマの内容の記憶はほとんど残っていなくて善次郎を誰が演じたか、これを書くのに調べるまで忘れていたほどでした。
なので、ドラマの映像の記憶と重ねながらではなく、文章から受け取った映像が脳内に再生されました。
美しかった。火事の緋色、夕暮れの紺青、カナリアの黄色、揚羽蝶の黒…。様々な色、そして江戸の街の景色、季節、絵に書く被写体の女性の色気、瑞々しさ、光と影。
目に見えるものはもちろん、お栄のさまざまな気持ちに至るまでこんなに事細かに文章から感じ取れたのは、読書を得意とするわけではない私としては珍しいです。
素晴らしかったです。
それと、これはドラマでもそのまま使われていた北斎のセリフなんですが、
「だが、たとえ三流の玄人でも、一流の素人に勝る。なぜだかわかるか。こうして恥をしのぶからだ。己が満足できねぇもんでも、歯ぁ喰いしばって世間の目に晒す。やっちまったもんをつべこべ悔いる暇があったら、次の仕事にとっとと掛かりやがれ」
私は何か作品を生み出してそれで稼いでるというわけではありませんが、とても響きました。
また、映像も見返してみようと思います。
紙の本
名画とともに江戸の庶民の暮らしが読者の眼前に拡がる
2018/12/15 17:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:magoichi - この投稿者のレビュー一覧を見る
稀代の天才絵師葛飾北斎が造型と構図で動きを捉える天才なら、色を光で表現するお栄(後の応為)もまた父とは違う才能を持つ。
二人の天才の物語ではあるが、そこに描かれるのは北斎の才能に圧倒され、自らの才能が見えずに足掻く娘の姿。一方、父北斎も当代きっての人気絵師ではあるが、絵師としての理想と現実に苛立ち、また人並みに女房の小言に辟易しながら、金策に窮する日々を重ねる。
更にその苦しい家族の歩みに追い打ちをかける不肖の孫の存在。
そんな当人たちにとっては苦痛であろう日々を、後々の功績を知る我々は興味深く覗き込むのである。
江戸言葉の会話とともに庶民の暮らしや風俗をイキイキと浮かび上がらせる文章は、一転絵の描写においては、二人の生き様に呼応するように緊迫感を持って読むものに迫る。
特に二人が進行形で描く場面は、取り巻きの版元や弟子たちと同様、読み手までも息を詰め身を硬くし、その世界に取り込まれる。
二人が描くその場で身を硬くしないのは母にして女房殿である小兎ばかりでなかろうか。
娘にクドクド小言をぶつけ北斎の危急には全てを投げうち支えるこの女房殿、北斎が頭を抱え尻拭いのためせっせと絵をかく羽目になる孫、そしてお栄を惑わせ、苦しめ、そして救う色男善次郎、脇を固めるものたちも役者揃いだ。
紙の本
ままならない
2018/12/07 01:26
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いやー長かった。
文章自体もまあ、長めではあるのだけれど、
それよりも晴れやかな未来を見るまでの道程が。
とても強力な特異点、北斎。
に、当てられた娘、お栄。
“普通”に生きられるわけでもなく、
とはいえ父の光が強すぎて己の道がなかなか見えぬ。
どの時代にも通じる、葛藤の物語。
紙の本
女性
2022/01/05 17:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マリコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
偉大な父親のコンプレックスに負けずに、自分なりの道を切り開こうとする女性の物語。中々面白かったです。
紙の本
ちょっと飽きてきました・・・
2019/05/10 12:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちっぴー - この投稿者のレビュー一覧を見る
朝井まかてさんの書く時代小説は大好きです(特に関西弁のお話)!この作品もレビューを確認して、みなさん絶賛されていたので、購入しました。まだ途中なのですが、朝井さんの小説には珍しく(私の調子が悪いのか??)、お話がちょっとだらだらして来たので、一向に進まなくて時間がかかってしまってます。大きな話の展開がなくて、飽きてきました。主人公は葛飾北斎の娘・お栄。お栄や、お栄を取り巻く人々の家庭の問題など・・・面白い?のは面白いけれど、現在のところ(半分強)だらだらです。最後に大逆転があって欲しい!!