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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
飛行機に乗ってハイジャックにあっているような錯覚になりそうだ。
毎年夏に飛行機を利用して旅行にいくので、なんかヒヤヒヤした。
紙の本
そうきたか!
2020/10/11 16:10
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投稿者:ケロン - この投稿者のレビュー一覧を見る
娘は誘拐、父親はその娘の身柄の安全と引き換えにハイジャックを誘発するよう指示される・・・という何ともピンチピンチな状況で、犯人やその意図が見えないというハラハラ感がすごい。手に汗握ったぁ!
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前作『乗客ナンバー23の消失』に続くタイムリミットサスペンス。旅客機で起こる不可思議な出来事と、地上で起こる誘拐。それを繋ぐものは。犯人の動機は。読み始めたら止まらない面白さ。広げすぎじゃないのか、回収できるのかという不安も出てくるけれど、次第にそんなことも忘れて没頭する。追い込まれ、焦りながらもそのなかで大切な人を守ろうとする気持ちと、諦めがちらつく心。その揺れがさらに緊張感を高める。仕掛けがたくさんあってそこに目がいくけれど家族の物語も読み応えがあって読者を驚かすだけの作品になっていないことが嬉しい。
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フィツェックの作品は、どれもカテゴリがサスペンス、しかも二転三転すると分かっているので、安心して楽しめる。
本作も、掴みから良く出来ているだけでなく、後半の少しずつ話の全貌を見せながら話の方向性が変わって行く展開は見事だし、ラストも良く練れている。
ただし、登場人物が多い分、こんなにうまく話が展開する?(ご都合主義?)と言えないことも無いが、よどみのないストーリー展開なのでラストまで楽しめた。
ただ不思議なのは、どの作品もとても視覚的なのに映画化されていない事。
今作だって立派に映画化出来るだろうに。
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精神科医マッツは、死にかけた妻を捨て、ブエノスアイレスに住んでいた。しかし娘がベルリンで出産するというので、苦手な飛行機に乗る。すると何者からか脅迫電話が。「娘を拉致した。お前の患者だった者が機内にいる。そいつの精神を崩壊させて、飛行機を墜落させろ」という訳の分からないもの。しかし相手は本気らしい。ベルリンにいる知り合いに何とか連絡をとって、娘の行方を捜してくれと頼む・・・
荒唐無稽な設定なのに読みやすい。ラストですべてが説明される。
ただ仕掛けがややこしくて、あっと驚くというより、よく伏線が回収できたなと感心した。面白かったかと問われると、まあまあビミョウと答える。リアリティがあったかと問われれば、ゼロと答える。
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書名が前作と似ていることと、続いて出たこともあり、勘違いして買っていなかった。遅れて読んだ本の雑誌での書評を見て、新刊ということに気づき急いで書店へ。船内のものよりこちらの方が面白かった。一気読み。
最後の方は、「航路」みたい。怒涛の展開に、最初のページでのことをすっかり忘れていました。もともと作者のファンですが、今作面白かった。
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閉鎖空間タイムリミット・サスペンス第二弾。二転三転しながら一気に収束して結末を迎えるという展開は前作と同じだが、今回の「密室」は圧倒的に狭く、そこで経過する時間もはるかに短い。そのせいか、緊迫の度合いでは前作を上回る。
犯人の脅迫内容や、全編を通して仕掛けられたアクロバティックなトリックなど、荒唐無稽な設定ながら大変読みやすい。犯人の筋書き通りにはいかないというその顛末が、事件を起こした者、事件に巻き込まれた者たちの複数の視点で描かれ、スピード感に乗せられ、ミスリードに引っ掛かり、頭の中は混乱しきりの楽しい読書だった。
ご都合主義的なシーンも目立ったが、これだけのしっちゃかめっちゃかな展開からよく伏線が回収できたなと素直に感心してしまった。前作より面白かったかも。
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ハリウッド映画みたいな小説に遭遇することが時にある。それは主に海外ミステリに多い。日本小説は、武器類が一般的に許可されていないために、ドンパチを嘘臭くないように書く状況を作るのは大変であろう。嘘臭くても、日活無国籍アクションが許された時代はある。赤木圭一郎や宍戸錠が、撃ったばかりの銃口を口元に近づけて、口で硝煙を吹き飛ばすポーズが恰好よかった時代は確かにある。でもそういう作品は、映画でも小説でも、今の世に出てゆくのはちょっと難しいかな?
さて本書は、ドイツ小説。ドイツのミステリを読んだことがありますか? ドイツと言えば医学? だからというわけではないのだろうが、本書の主人公は、医師のマッツ。飛行機嫌いなのに、わけあって、ブエノスアイレスからベルリンに向かうエアバスに乗り込む。そして、機内で脅迫を受ける。この飛行機を落とさなければ娘の命はないぞ。
一方ベルリン。ソシオパスのサイコ野郎に、娘のネレが誘拐される。臨月を迎えていたネレはHIV感染者であり、今日にも出産が始まろうとしている。病院で帝王切開を受け、赤ちゃんを自分の血液に触れさせてはならない。ネレは切実にそう思う。しかし彼女は、廃屋となった搾乳工場に牛のように閉じ込められ、ベッドに縛り付けられ、動画用のレンズを向けられる。
ベルリンでの娘の救出を医師が密かに依頼する。相手は、過去に関係を一度だけ持った女医フェリ。フェリは今日が結婚式当日であるにも関わらず、ネレの行方を追うことにする。
さて以上三人のトライアングル主人公による超サスペンス、スタート! パーフェクトな閉鎖空間である飛行機内と、地上との二か所での状況小説が展開する。そう、この状況が生まれた地点から始まる小説なのである。ジェットコースターに乗ったかのような気分。読者はページを繰る手が止められない。映画館に入った観客のように、暗闇と轟音の世界から逃れられない。
かつ、タイムリミット型である。ベルリンに着くまでに飛行機を落とさないと、ネレとそのベビーの命はない。そう脅されているからだ。場面展開も早い。次から次へとかかる三人へのプレッシャー。最後まで出口が見えない。二転三転の迷路が続く。
これだけ凝りに凝った展開を、作者は、事前にすべてをではなく書き紡ぎながら考えるのだと言う。見たこともないような長いあとがきの中で。書き出してみないと、本当のところ、考えが動かないらしい。前もって考えている部分は骨子だけ。そこに加わってゆく新たなアイディアや、思いもよらぬ展開が、執筆中に沸いて出てくるらしい。まるで自動筆記だ。でも、彼は一年一作のペースでじっくり書いているという。クリスマスも正月も、必ず毎日、机に向かって書く、という。どこかで聞いた話だ、とぼくは国内のある作家を思い浮かべて微笑する。
セバスチャン・フックは2006年『治療島』でデビュー。その後一貫して、面白く外連味たっぷりなサイコサスペンスを書き続け、毎作、ドイツ本国はもちろん翻訳先でも好調な売れ行きを示しているそうである。本書を含め7作ほど邦訳されているが、その他は未邦訳。本書は昨年出版された『乗客ナ���バー23の消失』というこれまた豪華客船での面白小説に続いての物語であるらしいが、シリーズ物はこの作家は書かず、すべて単発作品。
ぼくがこの小説を知ったのは、携帯にも登録してある翻訳ミステリーサイト『翻訳ミステリー大賞シンジケート』内の『書評七福神の今月の一冊』による。書評家・吉野仁(ちなみに知人です)ら数人が本書を推していた。読後印象は、ほぼ推薦文通りのジェットコースター小説。あるいは全体が遊園地のよう。仕掛けに満ちた閉鎖空間を舞台にした強烈なサスペンス。さて、このゴールデンウィーク10連休、どこにも行けず楽しみに餓えているあなたにお勧めの一作である。毒気は強いが、美味。是非、ご賞味あれ。
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出産間近の娘を誘拐され、自らが搭乗する飛行機を落とすよう脅迫される飛行機恐怖症の精神科医。誘拐犯の恐怖と陣痛に必死で耐える娘。犯人は誰なのか、その目的は何なのか、そしてこの事件の顛末はいったいどうなってしまうのか。どうしようもない緊迫感が満ち満ちたサスペンス小説。
よくもこれほどまでに救いようのないシチュエーションを思いつきましたね……マッツの置かれた極限状況が想像を絶します。こんなん耐えられん。娘のネレが置かれた極限状況もまたひどい。考え得る限り最悪のパターンかも。もう細かいところなんて考える余裕がなくページを繰らされました。というわけで、いろいろな手掛かりはちりばめられていたにもかかわらず、ほぼ気づくことなく怒涛の読書。この展開でじっくりゆっくり読むって無理でしょ!
というわけで当然、ラストではいろいろ驚かされて。しっかしこの人、一筋縄ではいかない物語ばかりだなあ。主人公がいろいろひどい目に遭わされすぎだわ。
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娘の出産に立ち会うため、苦手な空路でベルリンに向かう精神科医クリューガーに、娘を誘拐したこと、娘の解放の条件は旅客機を落とすことだという電話が入る…。閉鎖空間、タイムリミット、精神科医として接した過去の患者。機上と地上が交互に語られることで何が起こっているのかを組み立てながら一気に読まされてしまいました。正直どの登場人物にも共感はできませんし、突っ込みどころもあると思いますが、前作よりスピーディで分かりやすく、ラストの衝撃もなかなかで良かったです。サスペンスとしてもミステリとしても楽しみました。
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つらく痛いシーンが多いのは正直きつく、特に、妊婦には優しくしてー、なんでこんな時にーと思ってしまうが、ぐんぐん読まされてしまう。
好きなシーンは「まばたき3回」。
こういう人好きだわー。
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今回のプロローグはちゃんと意味があった。ミスリードとしては薄いが。47Kの男とはつまり…マッツの視点の章はつまり催眠療法での再現?しかし精神科医が妻の死に臨んであんな行動取るとは、人間ってそういうものか。これも一応サイコパス系?何で草食主義の人とか動物愛護団体の人とか中絶反対派とかは極端な行動を取りがちなんだろう。
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飛行機恐怖症の精神科医が、出産する娘のためにアルゼンチンからドイツまでのフライトに出発する。だが娘は何者かに誘拐され、彼のもとには飛行機を墜落させるための脅迫電話が……。プロットはおもしろいのだが、いかんせん犯人も探偵役も素人のためドタバタ感は半端ない。しかもこの犯人では辻褄が合わなくなるんじゃ……。さらに主人公の医者が最低なやつで、あまり同情することも応援する気にもなれず、最後まで一歩引いた目で見てしまった。楽しみにしていた本なので残念だった。
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ある男性医師が、飛行機に乗って娘の出産に駆け付けようとしている。
上空で医師の電話がなる。娘を誘拐した。救いたければ飛行機を墜落指せよ、と。
そんなわけで閉鎖空間でのミステリである。読む前は、これどうやって物語が成立するの? 退屈じゃない? どうやって謎解くの? 解けるの?って。
主人公の男性医師パートと、誘拐された娘パート、そして、かつて男性医師と一夜の過ちを犯した女性医師が結婚の前日なのに事件を解くことになる。女性医師の巻き込まれっぷりがかわいそうだ。
それぞれのパートで時間が進み、物語は展開するので退屈さはない。もちろん面白い。
読了すると、なんかすごい話だった。ものすごい熱量と速度で語り倒された感じ。再読したい。
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あらすじ
精神科医クリューガーは娘の出産のため、ドイツ行きの飛行機に乗っている。彼は飛行機恐怖症で、席をいくつも予約している。突然、電話がかかってきて、娘を誘拐したという。助けるためには、飛行機を墜落させなければならない。チーフパーサーのカーヤは元患者で、かつては周りも自分も殺したい願望があった。それをもう一度起こさせろという。クリューガーはドイツにいる友人で女医のフェリに解決を頼む。
一気読み。おもしろかったー。この作者は前作「乗客ナンバー23」から雰囲気が変わって、読みやすくなった。今回は船より狭い飛行機で、娘も陣痛が始まっているし、全体的にスピード感が増していた。心配していた内容の過激さもそんなにひどくはなかった。