紙の本
オフラインのない世界
2020/04/29 23:45
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投稿者:しょひょう - この投稿者のレビュー一覧を見る
デジタル化で世界がどう変わるんだろう、という漠然とした関心から昨年購入したもののそのままになっていたが、新型肺炎に伴う緊急事態宣言でテレワークやスプリット体制などが急速に、否応なく導入されているのを目の当たりにして、問題意識を新たにしたことで通読。
主に中国の事例を参考にしながら、すべてがオンラインにつながる世界を前提としたビジネスや社会について解説している。
日本ではとかく「監視社会」だの「国家統制」だのとネガティブに語られることが多いし、いまだに中国から学ぶことに嫌悪感を持つ風潮を感じるし、日本では同じようにできないことの理由を並べる人も多いが、そんなことを言っている間にどんどん周回遅れになる、ということを感じさせてくれる。
字も大きく、行間も広いうえに200ページに満たない分量なので、数時間で読める。書いてある1つ1つの事柄よりも、立つべきスタンス、基本的な認識を求めていたので十分満足。
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「Online Merges with Offline」というオンラインとオフラインの壁がなくなり、オフラインはオンラインの中の特に一部の特異的な体験としてマージ(吸収)されるという概念
2020/09/20 11:10
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投稿者:オオハシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
勉強になりました! 中国から学ぶこと、すごく多いですね。 2020年時点で第15刷発行だそうです。
会社での年に一度のフォーラムでのパネルディスカッションにて藤井氏が登壇されるとのことで、事前勉強のために購入。 たしかに昨年ごろから新書のところにはずっと出ていて明るい表紙に気にはなっていた本。結果として買ってよかった。僕としてはまだまだ全く不勉強な領域の部分の理解の学習書となった。
「Online Merges with Offline」というオンラインとオフラインの壁がなくなり、オフラインはオンラインの中の特に一部の特異的な体験としてマージ(吸収)されるという概念は、なかなかナルホドと思った。(書籍内では『「オンラインとオフラインを融合し一体のものとした上で、これをオンラインにおける戦い方や競争原理と考えるデジタル成功企業の思考法』と表現しています)
あとは事前に読んでおいたほうがよい本として「カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則」を読んでおくと、ハイタッチ、ロータッチ、テックタッチの概念がすっと理解できるからわかりやすいかもと思います。
さて、いつもの抜粋ですが、今回は気になった表現、というところなので、いつもとは若干ニュアンスが異なるかもしれません。
(もちろん本書の主要ポイントを抜粋しているわけでもありません、単なる個人的に気になったところの抜粋です)
ではどうぞ。
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P24 よくある報道は、信用スコアが下がり過ぎて新幹線のチケットが買えなくなったとか、ディストピア的な管理社会につながるといった悲観的な内容です。私は実際中国に住んでいて、窮屈で肩身の狭い実感はありません。むしろ、信用スコアのサービスは「データを提供すると点数が上がってメリットがもらえるゲーム」といった印象です。
P38 3つ目の機能は、「ユーザーが歩くだけでたまるポイントシステム」です。いうならば単なる歩数計機能ですが、歩いてたまったポイントを、アプリ内の健康食品、美容品、医療品の購入時にお金として使うことができます。これだけ聞くと、なんとなくよくありそうな機能に聞こえるかもしれませんが、秀逸なのは、ユーザは1日が終わる前に1度アプリを開き、「歩いた分を換金する」というボタンを押さないと、歩数がリセットされてしまうという仕組みです。そのためユーザーは、必ず1日に1回はアプリを開く行動が習慣化しています。
P61 顧客は『オンラインとかオフラインとか』といちいち考えておらず、その時最も便利な方法で買いたいだけなので、我々は様々な選択肢を提供することが大事だと思っています。そのために無人コンビニも展開しているのです。
P75 フーマーが店舗を出す際、それらのデータを使って立地場所を選定するのです。消費金額が高い住民が住んでいて、できるだけオフィス街が含まれるエリアを選定しています。メインのターゲット層として特に注力しているのが「25歳から35歳の若くして結婚した女性で、価格よりも食材の鮮度や品質を優先する傾向のある消費者が集まるエリア」だそうです。
P131 例えば、高層マンションの上層階まで荷物を届けるとき、到着5分前に電話をして、「今から行きますので、もしよかったら帰りにゴミを捨ててきますのでゴミをまとめておいてください」と連絡するそうです。高層マンションの上層階に住む人は、下まで降りてゴミを捨てなければならないのが億劫なので、ジンドンの配達員は荷物を届けた後、その空いた手を使って自主的に代行しているそうです。
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そうなのか!
2019/08/05 11:18
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投稿者:ぱぴぷ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「顧客からデータを集めて、店舗に生かす」なんていう方法では最早ダメなんだ!と目からうろこでした。こうした面で、中国は日本より色々進んでいるなと思いました。
お相撲さんの把瑠都のお国の話もなかなか衝撃でした。(3.5点)
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先日読んだ「アマゾン銀行が誕生する日」と内容が重なる部分もありましたが、こちらは金融業界に限らない内容です。金融業界以外にお勤めの方ならば、この本の方が入り込みやすいかもです。
アフターデジタルな考え方で、ビジネスを推進することが、確かにこれからの主流になると、私も思っています。
本書では論じられていませんが、個人的には、日本の超高齢化社会が、現時点ではビフォアデジタルを抜けきれない理由の一つなんでは?とも思います。デジタルネイティブ世代が消費の中心になりつつあるなかでも、人口分布でみでも、消費の金額面でみても、若者よりもまだ高齢者側に偏りがある日本では、データがまだまだお金にならない状況はあるのだろうと思います。
とは言え、世代が入れ替わるのは時間の問題で、今すぐお金にならなくても、ビフォアからアフターへの転換を早く始めたほうが優位になるのは間違いがないことだと思います。データは日々刻々と溜まっていく「資産」で、後から過去分を得られないですし、UX視点でのビジネスの改善は日々の積み重ねで、先行したプレイヤーに後から追いついて追い越すのは相当しんどいですから。
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UX、サブスクリプションモデル。カスタマーエクスペリエンス等の言葉だけを知るのではなく、今世の中・世界中で起こっているデジタルのその先を知るには最も良い本だと思います。久しぶりに、人にすすめたくなる本に出会いました。
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2021.01.09 デジタルが当たり前になった時代、リアルとデジタルが逆転してデジタルがベースとなる時代の経営、マーケティングに関して多くの示唆をいただだくことかできた。とても参考になった。
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著者の藤井さんはビービット東アジア営業責任者/エクスペリエンスデザイナーという肩書で中国に在住していて、彼の国のデジタル化の速度と広さを目の当たりにし、その知識と経験をもって日本企業にコンサルティングをしている。そういった理由から2019年春に書かれたこの本には中国の事例、特にアリババ、テンセント(WeChat)、平安保険の紹介がメインとなっている。本書は、それらについて表層的な紹介ではなく、現地企業との議論を通して得られた情報も含めて「アフターデジタルという社会システムのアップデート」として伝えるというものである。アフターデジタルとは『オフラインがなくなる世界の到来』であり、その意味を日本の多くの人は理解をしていないという一種の焦りがある。
さて、自分が中国上海に行ったのは2018年5月のこと。すでにそのときここに書かれていたようなことはほとんどすべての中国在住の人は当たり前のように体験をしていた。いわく、財布を使うことはめったにない、昼食はほとんどデリバリー、物乞いもQRコードを持っている、信用スコアを気にして人々が親切になった。
中でももっとも感心したのは、ほとんどのレストランでテーブルにQRコードが貼ってあり、店員が案内することなく空いている席に座り、おもむろにWeChatを立ち上げてQRコードを読み取るとスマホにメニューが出てきて、そのメニューからオーダーする。店ではどの席からのオーダーが分かるので、店員は出来上がった料理をその席に運ぶだけ。食べ終わったら精算はすでに済んでいるので、何も言わずさっさと出ていくだけ。超効率的だと思ったけれども、さらに上があって、何をどれだけ頼んでどれだけの頻度で食べにきているのかが正確にわかるため、ピンポイントでクーポンを流して来店を促したり接点強化にも即つながるというのだ。それは明かに新しいUXの体験であったし、そこからメニューの改善にもつながっているはずだし、今までもつことが顧客接点を持つことにつながっている。すべて、この本にアフターデジタルの世界で重要になるというエッセンスが詰まっているように思えた。
この体験のフレームは、新幹線の中でもコピーされていた。つまり、席の肘掛に付いているQRコードを同じように読み取ると、車内販売メニューが出てきて、そこからオーダーするとオーダーした食事や飲み物を席まで持ってきてくれるという仕組みになっていたのだ。日本の新幹線のようにワゴンを待つ必要もなく、小銭のやりとりも必要ない。これを体感することで、QRコード決済はここまで行って初めて便利だと思ってもらえるのだろうなと感じたし、ある程度の閾値を越えると自然に利便性が向上するものだと確信することができた。これが、将来の辿り着くひとつの形だろうと。
そういう感覚からすると、日本ではそこから一歩も進んでいないし、アフターデジタルについてやはり理解されていないことが多いのだと感じるのだ。
また同じく上海に行ったときには、本書で大きく取り上げられているフーマーにも実際に足を運んだ。そこでは、生きた魚・貝・エビ・ザリガニなどの新鮮な魚介類は目を楽しませてくれた。基本はセルフレジ。頭上を動くコンベアも配達に勤しむバイク乗りの人も、ある種のエンターテイメントにもなっていた。フードコートも立派(当然すべてQRコード決済)で家族連れでも楽しめそうな場所になっていた。著者は、「チャネルの自由な行き来」をアフターデジタルのOMOの特長と位置付けているが、正しくそれが体現されている場であると感じることができる。そこで得られたデータをUXに反映して、その改善を高速に実行していくというのがアフターデジタルの世界ということなので、実際に利用をしているとどんどんと改善されているのだろうと想像する。それだけのユーザとの深い接点ができあがっているように思うのだ。
巷間よく言われる「デジタルトランスフォーメーション」という言葉は企業のためにあるのではなく、まずは社会インフラの基盤が変容するということを指すという。フーマーで注文可能な3km圏内は住宅価値が上がるということなので、まさしく社会インフラである。ホリスティックなユーザ体験に対する捉え方を変えていかないといけないということだ。
アリババの担当者が「データは資源であり、水や電気と同じ大切なインフラです」と考えているのは非常に示唆に富むところである。中国という国家体制だからこそ、それが可能となっているところはあるが、都市の効率化とそこに住む人の社会行動の最適化を実現するにあたって、法や道徳、市場ではなく、データドリブンな解決法を模索することはおそらくはより最適化された解決を産むことにつながるかもしれず、それが新しい社会となる可能性もあると考えるべきなのだ。
もちろん、そこには個人情報収集の問題などが横たわるのであるが、日本においてはそれ以前の問題としてデータやデジタル化に対する理解が根本的に不足している状態にある。本書はその不足を補うべく書かれたものでもあるのだが、この本は届いてほしい人には届かず、すでに十分にその意義を知っている人の手から届いていくのだろう。この本に限らず、それはデジタル格差を拡げる方向に進むということであるし、また社会のアフターデジタルに向けての準備が遅れたままであるということに他ならないのである。
本書の最後には、日本企業がいかに行動すると変わることができるのかが語られている。企業においては、まずはトップ主導での改革の必要性が強調される。そして、中国企業も認める日本ならではの強みは個別の「体験」を提供する上でプラスになると語りかけるのである。多くの企業トップにメッセージが届くことを期待する。
事例が中国に寄っており、それは著者も意識の上書かれているのだけれど、気をつけないと誤解するところもあるかもしれない。それでも、先行する中国のデジタル化とその背景を知る上で読みやすく優れた本。
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デジタルの未来について語った素晴らしい本。
最近読んだ中では一番良かった!
中国が日本を抜いたと言われ始めていますが、
その様子がありありと理解できる本です。
そして中国で今起こっていることから、
今後、日本で(そして世界で)起こるだろう世の中の変化を
「アフターデジタル」という分かりやすい表現を用いて、
説明してくれています。
まだまだ様々なところで問題を抱える中国ではありますが、
日本もどんどん中国の良いところを真似て、
世界から遅れないようにしていかねいといけないと改めて感じた一冊です。
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去年、読もうかと手に取ったけど、なんとなく薄っぺらい感じがして読まずじまいだったのですが、読みました!
ちょうど、アフターデジタル2が出るらしいので、いいタイミングで読んだかも?
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中国の最先端プラットフォーム企業を例に取り、デジタルトランスフォーメーションの必要性を解説
アナログかデジタルの二択ではなく、顧客はその時に便利な方を選ぶだけ。顧客接点を継続的に複数回持つ手段としてプラットフォームは利点がある。
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【No.156】「ビフォアデジタル=リアル(店や人)でいつも会えるお客様が、たまにデジタルにも来てくれる。アフターデジタル=デジタルで絶えず接点があり、たまにデジタルを活用したリアル(店や人)にも来てくれる」「IoTやカメラをはじめとする様々なセンサーが実世界の接点に置かれると、人の購買行動だけでなく、あらゆる行動がオンラインデータ化します。つまり、オフラインはもう存在しなくなる」「キャッシュレス化が普及すれば、購買者の情報と購入履歴がひも付けられますから、私がどういう嗜好で、どの店舗をよく利用するのか、どんな支払い方をするのかまで可視化される」「オンライン企業がオフライン店舗を持つ理由=顧客は”オンラインとかオフラインとか”といちいち考えておらず、その時最も便利な方法で買いたいだけなので、様々な選択肢を提供することが大事」「リアル購買行動データは年齢層や男女で大きな違いが生じるため、顧客の購買行動をデータベースにして方法論として確立し、コンサルティングを行ったり、パッケージとして提供したりする」「個人主義の欧州では、個人データとプライバシーの保護は基本的人権の1つとして考えられている。一方で、中央主権の中国では、”国民はデータを提供し、国が一括管理をして国民のために使う”という考え方が当たり前になっています」「ソーシャルの時代は、人に教えたくなるような圧倒的な体験が”貨幣”になります。圧倒的な体験はほうっておいてもソーシャル上で流通し、流通している切り取られた情報に刺激された人は現地に出向き、現地で360度全方位、五感を刺激される体験ができればそれをソーシャルに投稿し、その投稿でさらにリアルへの訪問者が増える」「”データのやり取り”が新たなインフラとなり、最もお金を生み出しやすい”購買データ”をより多くもち、それを顧客IDとつなげられているプラットフォーマーがトップに君臨する図式が生まれます」「アフターデジタルでは、なるべく高頻度で良い体験を提供することが優位ですので、どうやってずっと顧客に寄り添うかが大切で、製品もただの接点の1つとして捉えるべき」「音楽消費の価値自体も変化し、昔は好きなアーティストの曲を聴き続けることが多かったと思いますが、今では場の雰囲気に合わせた音楽をかけられることや、プレイリストを知り合いと共有できることなど、各状況に合わせて接点が設計されています」
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・タクシーの満足度を最も高めるのが「安心して素早く目的地に行けること」ということから、それを評価スコアに盛り込む。ドライバーもそれを理解しているので、そのスコアを高めるためにコツコツ善行を積む仕組みとなる
・ユーザが歩くだけでポイントがたまるアプリ:1日に一回登録しないとリセットされるため、1日に1回はアプリを開ける仕組みになっている
・モバイルもPCもコンビニも、ただのユーザインターフェースでしかない。顧客がスマホで水を一本購入することも、無人コンビニで一本購入することも、だれがいつどこでどの銘柄を購入したのかがすべてデータとしてわかるのであれば同じことですよね。顧客はその時最も便利な方法で買いたいだけなので、我々は様々な選択肢を提供することが大事
・オフラインとオンラインをユーザが選別しなくなり、企業側も販売や物流をこのような論理で分けなくなる
・ラッキンコーヒー:コーヒーチケットを2枚買うと1枚タダ、5枚買うと5枚タダになる。利用機会が増えれば増えるほどより使われる仕組み
・無人コンビニは人件費を減らすことが目的ではなく、行動導線、悩むときのタイミングなどのリアル行動データをもとにリアル店舗もオンライン同様に高速改善し、個々の顧客に最適な対応ができるようにすることを目的にしている
・顧客の属性データは、そこに普段の行動データがつながって初めて意味あるデータ・価値あるデータとなる。行動の持つ意味合いを読み取り、最適なタイミングで最適な情報提供ができて初めて意味がある
・データ活用においては、自社(自部署)だけで顧客を囲い込んでもどうにもならない。どこでマネタイズするか、どの程度損失を出しても最終的に意味があるのか、明確に各プレイヤーの役割や力学構造の定義を行う必要がある
・機能はコピーされるが体験はコピーされない。サービス体験への没入を中断させない「フリクションレス」にしていくことが大事
・ホスピタリティを徹底することで経済合理性が成り立つ(ジンドンの配達員は顧客に訪問するごとに何かいいことをひとつする。そのため、配達員はレジデンスエリアに入り、ハイタッチがコミュニケーションを実施することができる)
・データをフル活用したおもてなし。データを使うことで、おもんぱかる力、先回りする力を最大限発揮する
・中国の制度は「やってはいけないこと」を決めるので、ルールに記載していないことはいったんOKになる。日本のルールは「やっていいこと」が決められる
・行動データをとることで把握可能になるタイミング、コンテンツ、コミュニケーションを制することで、顧客に最高の体験を提供できるようになる。行動データとエクスペリエンスのループを回す。
・属性ターゲティング→状況ターゲティング:アフターデジタルへの変革で最も重要なことは「人・属性」ターゲティングから、「状況」に基づいたターゲティングに変えていくこと
・顧客の置かれた状況の発見と、それをより幸せにするようなコア体験をいかに作るか。体験の連続性/行動観察/デザインシンキングが必要
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◯ディディがすごいのは(中略)マナーの向上やサービスの品質を一つひとつデータにとって可視化し、ドライバーに課題を課す仕組みを作って解決したことです。(31p)
◯我々にとってはモバイルもPCもコンビニも、ただのユーザーインターフェースでしかありません。(61p)
◯「モノからコトへ」ではなく「モノから寄り添いへ」(134p)
★中国企業のデジタル戦略が詳しい。デジタルで常に接点があるアフターデジタルというパラダイム転換を促す。
★リカーリングビジネスとかサブスクリプションとか、ジョブ理論とか、色んな流れが繋がって腑に落ちる。
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オンラインとオフラインの区別がなく繋がった世界OMO(Online Merges (with) Offline)では、
企業は顧客接点より得たデータを活用し、よりユーザーの個の要望に応える必要性が増していく。そして、その先頭を走っているのは中国であり、日本企業は未だ前時代的なオンラインの捉え方しかできていない。
OMOとなった現在は買い手はオンライン、オフラインどちらから物を購入するか等拘っておらず、その時最適と考えるチャネルから購入をする、という事。そして、売り手はオフライン店舗をOMOの思想で設計する事で顧客の実行動情報を入手できる存在として活用していく。
最も印象的だったのは、将来的には顧客の情報をより持っている企業の付加価値が高くなり、メーカーは顧客情報を持っている企業の下請けとしてものづくりをしていく事になる、という内容。
スマホ決済とは、キャッシュレス利便性だけをサービスとして提供している訳ではない。そこから得られる顧客行動を情報として吸い上げ、分析し、賢く活用する事を考えている
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中国のデータモンスター企業の雄の事例が数々と紹介されており、各社のデータの取り扱い方、アルゴリズムの重み付けの在り方等、とても参考になる。一つのアルゴリズムで最大公約数的に網羅してフェアに、とは中々いかないはずで、異なるアルゴリズムの同業サービスが共存していく形が理想だよなーと思うばかり。中国には拠点を持って長期滞在するのは今後不可欠にも思えたし、そういったことも視野に入れながらスタートアップの支援もしていかないとなと考えさせられました。