『東京貧困女子。』
2019/06/16 19:08
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
勉強したい女子大生が奨学金という借金を背負わされてカラダを売る
非正規労働しか選択肢のない単身女性は貧困生活かパパ活や風俗に手を染める
シングルマザーは苦しみのあまり精神疾患に、命綱の社会保障は縮小の一途
冷静な筆致で貧困女子の現実を描き出す記事に、浴びせかけられる自己責任論、恫喝、暴言、罵詈雑言
《取材から明確に見えてきた未来は、終わりのないさらなる下り坂と、それにともなう苦しみ、目の前の人々が憎しみ合う分断だ。》
東洋経済オンラインの3年にわたる人気連載「貧困に喘ぐ女性の現実」を単行本化
だれが貧困女子をつくったか、選挙の前に読んでほしい問題作
誰しもが落ちるかもしれない
2020/07/02 22:43
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
奨学生やシングルマザーだけでなく、安定感と思われていた公務員の貧困には驚かされます。すべてを自己責任で片付ける、社会全体に漂う寛容性のなさを感じました。
すべて日本の制度の問題にするには無理がある
2020/09/11 22:51
5人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あけみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
親から虐待を受け、奨学金まで親に吸い取られる話は読んでいて辛い。
ただ・・・
ただでさえ医療関係の大学は学費が高いのに、部活もやりたい。
だけどバイトをする時間がないから、自分の体を売るってどうなのだろう?
ネットではずいぶんバッシングを受けたようだけど、正直私も同情できる話ではなかった。
また、介護業界=不倫の決めつけは如何なものか?不倫は介護職に限らないのに、こう言うネガティブな情報発信は頂けない。
それに、沖縄は未だに男尊女卑が多いと言うのも、誤解を生む。
他にも、著者の主観が入りすぎてはいないだろうか?と思う内容が目立った。
暗い話で体が重い
2019/06/19 19:33
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かめおやじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
パパ活や出会い喫茶などのアルバイトは知っていたが、贅沢するためにやる子が多いと思っていた。
貧困の連鎖の暗い話ばかりで読後は体が重い。でも面白い。
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投稿者:ぽぽ - この投稿者のレビュー一覧を見る
どこかで、救える道がなかったのかと考えてしまう。勉強ができる子が、ちゃんと生きていけないと優芽がない。
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不幸の程度がひどくて読むのがちょっと辛い。官制の貧困というのもあるけど、ここに出てくる個別ケースでは本当にクズみたいな男や親というのが貧困の大きなトリガーとなっている。病気や介護のようなものが根本のきっかけとなるケースもあり、人ごとと考えるには身近すぎる話題といえる。つまり誰にでも起こりうる。奨学金の問題、最低賃金より生活保護の方が高い状況など普段意識しない社会の理不尽について考えさせられた。
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女に生まれて嫌だとはじめて思った。作中にもあったけど「もう日本はどうにもならない」。そんな絶望感を突きつけてくれる一冊です。
女は男に頼らないと、風俗の仕事もしくは結婚していかないと、生きていけないんだろうか。女性は男性からの再分配でやっと生きていけるのがいまの現代日本なんだろうか。そう思うくらい圧倒的な差を感じる。いまの日本は格差社会なんかじゃない、階級社会だ。こちら側に近い私はいつ転落するか、読んでいるだけで気持ちが真っ暗になるが、きっと上層の人たち、なんなら中流階級だってそうだ。他人事かもしれない。見えてないだけで、こんなにも、こんな生活を送っている人がいる。
普通の結婚、普通の就職、普通の子育て、普通の老後、普通の友達付き合い、そんなものがすべて異世界の人もいる。
奨学金、風俗、貧困の連鎖、虐待、精神疾患、シングルマザー、あまりのリアルに読んでいるだけでこちらまで希望なんてなくなる。
読了後のいま、疲労感と絶望感しかないけれど、それでも、この本を読んで良かったと思っている。
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蔵書なし
2019/04/06Mリクエスト
この本に書いてあることは真実だろうけど、こんな日本って、どうなのか?
最後の慢性疲労症候群の女性、同じ病気を持つ私には他人事と思えなかった。この病気は、制度の狭間に落ちて、どこからも手を差し伸べてもらえないから、医療費の負担も多いし、さらに線維筋痛症でもある私は、ますます重い医療費にあえいでる。
老人に回す医療費のいくらかでも、奨学金、若年層の医療費補助に回してほしい、切に思います。
女性が生きていく上で、風俗しかない、こんな状況では…
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重さ一万トンのルポタージュです。実際に数多くの貧困女性にインタビューをした内容を纏めているので、頭でっかちな貧困論ではありません。それだけに読んでいて足が地面にめり込んで行くような重さの本です。
現在女性や子供の貧困率が異常に多くなり、特に母子家庭の貧困率は50%を超えています。筋金入りの母子家庭出身者としては身につまされる事です。我が家は田舎から送られてくるお米で飢える事だけはなかったのが幸せでした。
本書に出てくる女性達は、体を売っていたとしても特別な贅沢をして言うわけでは無く、数万円どうしても足りない生活費や学費を補うために売春という行為に走っていたりします。しかも売春の単価も下落して、それだけでは生活できなかったりと前では考えられないような状況になっています。
色々な状況で生活が立ち行かない人々にインタビューしていますが、皆特別ではなく真面目にどうにか食べて行けるだけのお金を得る事を願っている人ばかりです。
社会保障をどんどん減らし、色々なセーフティーネットを民間に委ね、行政そのものが非正規雇用を最安値で雇い更なる貧困を作っているというこの現状。貧困にあたる人達が一番最初に働き場所で選ぶのは「介護」。10数年前は成長産業と目されていましたが、今となっては精神をやられるまで人を使い潰す業種の最右翼となりました。この本の中でも劣悪な介護現場で精神をやられた人が幾人も出てきます。
今後は海外から安い賃金で介護をする為に労働力が大量に流入します。待遇を改善するのではなく、全体の賃金をさらに下げようという所業です。
しかも外国の人達だって日本で生活していくわけで、やはりブラックな環境で生活していく事になるわけで、それもまた人買いのような状況になっていくのではないでしょうか。楽しくない先の見えない生活が辛いのはどこの国の人だって同じですから。
そんな重厚で精神的ダメージも大きい本です。これ、他人事ではありませんよ。
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読んでいて思ったのは、私や子供達は、如何に恵まれた環境で生活をしているか
親からの支援と奨学金だけではやりくりすることも出来ず、パパ活する大学生。
奨学金を悪用する父親。
親から虐待を受けて育った子供。
元夫からのDV。
精神疾患等々、読むたびに絶望的になり、気分を切り替えるため他のことに興味を持つようにしなければ、気持ちが沈んでしまう。
これは労災認定される案件ではないか?と思う話や、刑事告訴や労働監督署に通報してもおかしくない事例などもあり、それらを教えてくれる仲間が近くにいないことも、不幸を生んでいるのだと思うと、やるせない気持ちになる
ただ、全ての話に同調出来たわけではありません。
正規雇用ではない事に不満を募らせているわりに、司書の仕事に拘り、仕事を選り好みし「自分は悪くない。社会の仕組みが悪い」と言う女性。
また、最初に登場する医大生は、ネットで随分バッシングを受けたようで、そんな彼らに著者は批判的でした。
誹謗中傷は論外として、正直言うと私も何故部活を諦めることが出来なかったのか?と思いました。
大学へ進学したい。
部活もやりたい。
わかります。
理解出来ます。
ただ、親からの仕送りと奨学金だけではやりくりできないのなら、せめて部活を諦め、その時間をバイトに使えば良いと思うのは、短絡的なのでしょうか?
両方を取るための選択が、身体を売ることも、ありだと思う。
ただ、同調出来ないと思ったのは、国が身体を売ることを強要したわけではなく、自分が出した選択なのに、世の中を悲観する大学生と、国の制度問題にしたがる著者に少しイライラしました
末期ガンの母親のために最先端医療を望んだ結果、家庭を顧みず、離縁され子供からも見放された話も、母親を想う気持ちは分からなくはないのですが、家庭を犠牲にしてまでやることなのか?
精神疾患を患った姉の介護をするため、仕事を辞めた女性の話で、著者は「姉を捨てるべきだった」と言うように、この病気療養の母親の介護でも同じことが言えるのではないか?
「捨てろ」とまでは言わないにしても、そこまでやる必要があったのかどうか?
ましてや、海外に住む家族を残し、日本と海外を行き来しながら給与の半分を母親の医療費に使うことにも、疑問を抱かずにはいられなかった。
他にも、自業自得が当てはまる事例があり、客観的に考えるように努力しても、国の制度の問題だけにして良いものなのだろうか?
確かに今の日本はおかしくなっているのかもしれないが、著者の偏見も強く感じました
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非常に重い内容。
途中、読むのがかなり辛くなり、一時休止。
しかし、目を背けてはいけないと思い、読了。
ここに書かれているのは、日本の貧困問題の一部である。
多額の奨学金の返済、DV、非正規雇用、官製ワーキングプア…。
本書で取材を受けている女性たちは、真面目に働き生きているのに、貧困から抜け出せないという状況。
社会的弱者から搾取し、富める者がどんどん富んでいく社会。
「自己責任」。どれほど国に都合の良い便利な言葉なのだろう。
社会的弱者から搾取している構造。
日本は世界一素晴らしい国だと公言してはばからない政治家や一部の人々に、こんなに人びとを貧しくする国のどこが素晴らしい国なのか問いたい。「自己責任だ」と片付けるだろうが…。
折しも、金融庁の報告書と金融担当大臣の発言が読書中にあったので、ほんとうに暗澹たる気持ちになった。
絶対にこういう人々には、若者の貧困についての問題意識がないだろう。
取材対象は貧困にあえぐ女性たち。高学歴の人も多くいた。
多くの読者による書評のように、“「ささいなきっかけ」で現代日本の社会的枠組みから外れることによって、他人事でなくなる”というのも根底に描かれる。
対策はあるはず。このままでは貧困の連鎖が続くだけで、いずれ日本自体が機能不全に陥る。
志のある政治家や官僚の方々が。この問題を認識して、施策を打ち出し、実行してほしい。(一縷の望みなのか…)
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性産業への従事,生まれ育った家庭の問題,精神疾患,シングルマザーなど,社会的弱者と言わざる得ない貧困女性を迫
所々で国家や私企業が金を出し渋る,だからこの人たちは苦しむというメッセージを感じる.
しかしそれは「金はあればいい」という結論に落ち着き,かつ,それは成り立たないと個人的には感じる.
彼女たちに必要なのは経済的なリテラシー,今ある制度や環境でどう振る舞うのが少しでも最適なのかを考えられるようになることだと考える.それがあって初めて手元の資本(経済,社会,文化)を食いつぶすのではなく,自己成長するループが徐々にできるようになると思う.
世間の仕組み,経済的な力学を全く抑えずして「私はこれだけ頑張ってるのに」と叫んでいるだけでは何も生まれない.
奨学金を借りて無理して大学進学をしたが,ダメだった.というパターンは「ペイできない大学は潰れる」「当事者でペイできるかどうか見極める」というのが必要だと思う.給付型奨学金なども反対はしないが,それは万能とは思わない.金は結局うまく使わないとどれだけあっても意味がない.
社会資本や文化資本,経済資本をタコ足のように食いつぶしながら日和見的に行きていくしかない彼女たちの未来は暗いものになるだろう.
しかし,一度負のループに陥ってしまったらそこから再起するのが本当に難しい社会というのはなんとかならんものかなあとは思う.
自分は自由主義的な信条によっているなと感じる
しかし同情心を持ってしまったらそんなこと言ってられない.国家の制度などのあらゆる歪みが社会的に弱い女性に寄せられて行き,それが「自己責任」で押し通される.凄惨だ...
狩猟採集から農耕牧畜へのシフトから始まった資本の蓄積は格差を生み出した.日本社会では誰もが「円」縛られている.
この本に登場する人たちは資本蓄積型社会の負の側面を照らしている.
自分自身は裕福な家ではなかったが,社会に出るまで不自由がない暮らしができた.本当にありがたいことだ.
本著には社会全体で世代間の分断が激しくなっている,とあった.
今よりかは幾分マシな社会で育ってきた中高年男性が貧困にあえぐ女性を性的に貪り,他人事のように「手っ取り早く稼ぐためにこんなことをしてるんでしょ」という世界.
↑これも「なるほど」と無関心無感知だった自分も,知らないところにある格差を知らない,平和ボケした人の1人なんだろう.
官製ワーキングプア:行政サービス 介護 保育 図書館
横浜市 寿町 スラム街,でも本書の一般女性より豊かに暮らしている
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壮絶すぎる人びとの人生の流転。他人語ではなく、明日のわが身にも起こりうる今の社会情勢。これが先進国と呼ばれる国の実態、新自由主義のもたらした負の面か。人生とは、綱渡りなのか……。
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社会に蔓延る格差と性差別により、女性は少し足を踏み外しただけで転落してしまい、セーフティネットにもろくに引っ掻かれない日本の現実を描いた大作ルポ
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こんなに貧困な女子がいるのかということに驚いた。
自分自身、正規雇用ということもあって、私の周りには正規雇用の友人しかいない。だから、非正規雇用者が6割もいて、正規雇用の方が少ないという現状に驚くとともに、自分はとても恵まれた環境で生活できていることを実感してしまった。