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子どもにとって大事なのは「愛情」である。これに異を唱える人はいないのではないかと思う。
でも「愛情」は目に見えない。どうにかして形にしなければ「愛情」は表現できない。だから我々は「愛情」を表す行動をする。
たとえば,日本では,小さい頃は子どもと母親とが一緒に過ごすこと=「愛情」であり,手の込んだ弁当を持たせること=「愛情」である。子どものために親が犠牲になること=「愛情」という考えがいくらかあるのではないかと思う。子どもにとっての「愛情」は親(特に母親)の責任である。
でもスウェーデンは違う。母親だけでなく父親も一緒に過ごすことが「愛情」であり,たとえ親が離婚して別々に住んでいたとしても父親母親と過ごせる時間を作る。子どもに偏見を植えつけないことが子どもにとっての「愛情」であり,子どもに体罰をしないこと(感情に任せて叱ることを含む)も「愛情」である。子どもが安心してのびのびと生きていけるようにすることが「愛情」であり,だからこそ大人も安心してのびのびと生きている。子どもにとっての「愛情」は社会=大人の責任である。
何が「愛情」なのかはそれぞれの文化で違う。日本で「愛情」だと思っていたことはスウェーデンでは「愛情」ではないし,日本で「愛情」がないと思われることは,スウェーデンで過ごすとそう思われない。日本で過ごす我々が「愛情」だと思っていったことは本当に「愛情」なのであろうか。本書を通して気づかされることがいっぱいあると思う。
本書の前半は保育園入園までの筆者の子育て日記,後半は子育てにまつわるスウェーデンの社会情勢の解説が多めな形式になっている。なので,スウェーデンという社会の子育て事情を知りたい場合は後半(スウェーデンで子育てするということ)から読み始めることもできると思う。逆に前半は日記形式なので,最初から読み進めたほうがいいように思う。
1点だけ本書を読む際の前提を書くのであれば,スウェーデンの地方都市での子育てエッセイということである。本書でも言及されている通り,筆者の「余裕あるスウェーデンでの子育て」は,スウェーデンの社会制度に地方都市という要素が加わったからこそ実現されているものであり,都会ではまた違ったものになるであろう。スウェーデンの都会事情と地方都市事情を簡単に調べた上で本書を読むと,単純に読むよりも違った「景色」を味わえるかもしれません。
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北欧は社会保障がしっかりしているというイメージをもっていた。この本に出てくるスウェーデンのシステムも、日本人の私から見るとうらやましい限りだった。
この本は、スウェーデンの保育について語られたものではあるが、固い本ではない。むしろ、エッセイではないかと思う。著者夫妻のような生活を今の私はしているわけだが、著者夫婦が日本での生活をやめ、スウェーデンに引っ越したのがうらやましくもあるが、そこまでの決断と能力はないなぁと思った。
この本のいいところは、スウェーデンの社会のよいところと、悪いところが両方書かれているところだ。税金の高さには驚かされるし、不便なことも多そうだが、できることなら(仕事と言葉の能力があれば!)スウェーデンで生活(子育て)したいと思った。
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日本ではなぜ待機児童問題が解決しないのか。
その解決方法の糸口をスウェーデンから学べる一冊。
とにかく母親に負担が多い日本での子育て状況のひとつに、父親の参加の比重が少ないということがある。スウェーデンではちゃんと参加できるよう、社会全体で支え合っていて、その状態が当然、しなければむしろ疑問を持たれている。
エッセイ風なので読みやすく、また、良い面ばかりでなく悪い面もきちんと書かれていて、とても勉強になった。
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SL 2019.9.23-2019.9.28
スウェーデンのいいとこ、悪いとこ。
当然どちらもあるんだけど、社会の基盤としての考え方はやっぱりスウェーデンのほうが優れていると思える。
日本だけではなく、スウェーデンから学べる国は世界にたくさんあるのではないかと感じた。
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スウェーデンで暮らして「親になっても、自分のやりたい仕事を週に四十時間やる権利がある」と断言できるようになったという久山さん。
子供は生まれる家を選べないからどんな子供にも平等に教育の機会を与えるのが社会の役割、子供は親だけでなく社会全体で育てるものという思想が根付いているスウェーデン。
他にもスウェーデンで女性の社会進出が進んだプロセス(アファーマティブアクションの考え方から皆を平等に扱うことから生じる”関節差別”も禁じており、女性はいわゆるゲタを履かせてもらうことで社会進出が進んだ)や、有名なフィーカ文化はただのティータイムではなく実はシャイだと言われているスウェーデン人達の交流を促す重要な時間であること等、知らなかったスウェーデンのエッセンスを知ることができて面白い。
「子供がいたら早く帰ったり急に休んだりするのは当たり前のことであって、迷惑をかけていると感じる必要さえなかったはず。ただ、そう感じるような社会に住んでいただけのこと。子供に対しても「親になっても、自分のやりたい仕事を週に四十時間やる権利がある」と断言できる。そう思えるようになったのはやはり、共働きでも二人、三人と子供を育てていて、誰もそれを迷惑だとかかわいそうだとか思わない社会をスウェーデンで体験したからだ。」
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新聞の書評で知り図書館で予約した本。
私自身子供はいないが、周囲を見ると子育てと仕事に奮闘する同僚がそこかしこにいる。
誰もが有休残日数と保育園の呼び出し電話に頭を抱える。
なぜかいつも電話は母親にかかるのだ。
とはいえ、20年前に比べると空気感は変わってきている。
日本で生きる以上、このような事例の国内外比較を鵜呑みにはできないが、差異を少しでも減らすためにはこのような事例や体験記は必要だと思う。
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「日本・スウェーデン両方の保育園を経験した著者だからこそ書けた、スウェーデン子育て事情解説書」
とことん合理的なスウェーデン社会。政府や保育園の取り組み、パパママたちの育児・仕事両立方法、保育士さんたちの労働環境など、わかりやすく紹介されています。
同時に、北欧ミステリー等を翻訳されている著者の紡ぎだす文章はとても情景描写豊かで、エッセイとしても楽しむことができました。
スウェーデンで実現している仕組みをうまく日本社会に取り入れるにはどうすればいいのか、もっと深く考えてみようと思います。
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スウェーデンで育児(二歳~就学前)をした方の、スウェーデンのお話。とはいえ、日本で育児をしている身として発見が多かった。
なぜかというと、たとえば、スウェーデンでは子供に暴力を振るうことは法律で禁止されている、とのこと。これは、日本でも法令化されようとしていることではないですか。それをスウェーデンでは遥か1975年より施行されてるんです。日本ではしつけとの区別云々(親から目線)で語られる法律ですが、スウェーデンでは子供の権利として、つまり子供からの目線としも語られる法律なんです。その法律だけがポツンとあるのではないんだと。
また男性の育児にしてもスウェーデンでは男女ともに育児をします。それも子供の権利「子供は同じ価値がある」ところから「比べない」につながり、「男だから~~」「女だから~~」「お兄ちゃんだから~~」という考え方がない。その延長に男女育児する、に繋がっているように思う。もちろん、男女働く。今のように育児休暇が三年もあるのとは真反対。
現代の日本の「働き方改革」が薄っぺらいものち見えて仕方ない。
もちろんスウェーデン方式でも悪いところはあるだろう。でも今は見習うべき点に目を向けてみたい。
あと、この著者で検索するとミステリーがでてくるように、現在はスウェーデンミステリーの翻訳家として活躍されています。そのせいか、とても読みやすい文章となっています。
育児をしていなくても、スウェーデンが好きな人にもスウェーデンで暮らしているかのように感じられて楽しく読めると思う。
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スウェーデンの地方都市に移住した日本人家族の子育てについて書いてある。
タイトルの待機児童の話よりも、スウェーデン社会の考える平等とは、社会の責任とは、についてのほうがコンテンツも充実していて、個人的には興味深かった。
また本書の最後の方に記載があるが、必ずしも子育てについてスウェーデンがよく日本が悪い、というわけではなく、目指すところと価値観によってやはり一長一短であることもわかった。
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あまり取り上げられないスウェーデンの本当の姿。
実際き移住した人が、自分の目で見て経験したありのままが書かれていてとても楽しいし面白い。
あっと言う間に読み終わった。
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スウェーデンに移住した日本人の育児エッセイ
子育て世代にやさしい国というイメージはその通りだったけれど、移住しないとわからない大変さも書かれていて参考になった
日本を全否定するわけでもスウェーデンを全肯定するわけでもない書き方で移住した方の「本当の声」を聞けた気がする
読んでよかった
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スウェーデンと比べて、日本は便利だけど
その分労働環境が悪い
スウェーデンは、物価や消費税は高いが
割りかし労働環境は良い
人間関係に関しては、個人の力量だと思うので
それは国によって変わるもんでもないと思う。
話すのが下手だったらどこへ行っても無理
自分にとって何を重視するか、
本書のテーマである保育園についてだが
日本に比べ、だいぶのびのびしているらしい
慣らし保育でも最初の1週間は、保護者が
ずっと付き添っていたりする
日本では考えられないだろう
だが、子供にとってはいきなり知らない環境に
放り出されるのは大変なことだと思う。
大人だって嫌なことを子供に強いるのは
無理があると思う。
慣らし保育のやり方は、スウェーデンの方が好きだと思った。
ママ友とかの概念も無いらしいし
日本って色々面倒くさい
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図書館で何気なく手に取った本でしたが、面白い内容でした。保育園のことに限らず、スウェーデン子育て観や女性像についても書かれていて、範囲は思ったより広く飽きずに読めました。
スウェーデンの保育園では、子供の権利条約について子供たちに話がされ、「すべての子供には同じ価値がある」と教わってくるというエピソードが印象的でした。自分たちが素晴らしい存在だと感じられる子供時代は、何よりも大切だよなと感じました。
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長田杏奈さんのなんかなんか通信(タイトル違うかもしれない…)にゲスト出演されていて興味を持った久山さんのスウェーデン移住エッセイ。
・スウェーデンでは申込みから4ヶ月以内に保育園入園に入所できる
・求職中でも入所可
・「専業主婦」という言葉はなく、あるのは「失業者」
・慣らし保育中は保護者も一緒に園で過ごす
・仮に夫が経営者でも妻は妻で働くのがほぼ当たり前
エッセイなので久山さんの体験や感じたことが書かれていて、これはこれで読んでいて興味深かったのだけど、なぜここまで共働きが当たり前になっているのか、社会的な背景や理由が知りたかった。本当に簡単にでもいいので…。あとは参考文献なども欲しかった(が、エッセイなのでそこまで望む方が高望みなのかもしれない…)。
共働きが浸透した背景についてはこちらの記事が参考になった。
「専業主婦率2%のスウェーデンは幸福度が世界トップレベル! 働く女性を幸せにする2つの条件とは」
https://woman-type.jp/wt/feature/1615/
・1960年代好景気→人手不足→政府:女性に働きに出てもらいたい
・女性:これまで私たちが担ってきた無償労働は?
→政治に進出
・制度が整えられていった
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スウェーデンの子どもの権利についての教育の話、そもそもの価値観や正義の教えK田の違いなどの話は、面白かったです