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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
お金持ちの老女が、就職活動に全敗した窓ふきの若者に、奇妙な依頼をすることから、写真を撮り始める、というストーリーです。この作者の作品で後味の悪い小説を読んだあとに、これを読んだので、救われた気分になりました
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
窓ふきをする青年と、おばあさんの出会いから始まるお話です。格差というものを題材に描かれていて、おもしろかった。
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高層ビルの清掃員が仕事中に出会った老婆。
ガラスの向こうの彼女が口紅で残した部屋番号。
孤独を抱える二人の奇妙な関係が始まる。
前作は高層ビルに住む人が主人公で、今作は高層ビルの清掃員が主人公。
なんとなく社会の格差を感じてしまったせいか、序盤から哀しさのような色を感じ。
人間として見られないことより、それに慣れてしまうことが悲しいと思う。
彼は何を求めて何を見つけたんだろう。
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今回も芥川賞候補ということで、読んでみた。
前回の作品は、富裕層の若者の話で、知らない世界、知らないメンタリティを経験して興味深かった。
この作品の主人公は就職に失敗した若者と、高層マンションに住む富裕層の高齢女性との交流の話で、前回と同じく人物描写は面白い。
しかし、高齢女性を「老婆」と名付けてしまったのは残念。
いくら裕福でも、賢くても、お洒落をしていても「老婆」と呼ばれてしまうわけね。
せめて高齢のマダムとか、愛称で呼ぶとかあったろう。
この呼称に、作家のセンスが出ているような気がする。
若い女性でも想像力があれば、ゆくゆくはそういう扱いを受けるのだということを感じてうんざりするだろう。
女性を敵に回して、いいことは一つもないと思うけどねぇ。
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初、古市くんでしたが、テレビで拝見する顔と作家としての顔はやはり違うんですね!
ミステリー好きとしては、青春ものになかなか手がいかないけど、古市くんということで読んでみたら…
確かに、キュンキュンくる感じではなかったけど、主人公の生き様や無機質的な思考に惹かれた。もう一度、じっくり読んでみたい作品でした。
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ビルのガラス清掃員翔太は高層ビルに住む老婆に頼まれ、隠しカメラで清掃中に部屋の写真を撮る。孤独を抱えた若者と老婆の不思議な交流が始まる。
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ビルの窓拭き中に窓を挟んで知り合った金持ちの老婆との交流.犯罪まがいの窓からの盗撮とその写真を待つ老婆の何か寂しさを覆うような段ボール群.都会の中で危ういバランスで生きている人たちの出会いと別れをさらりと描いて,そして深い.死んでしまった先輩の語りかけが寂しさを際立たせていて.彼の行きたかった世界中の種子の貯蔵庫のある北の島はいい選択だ.私も興味があってちょっと行ってみたい.
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平成くんさようなら、が好きだったのでとても期待していた。
平成くんとの比較になってしまうが、あっちは平成くんという主人公が魅力的で平成くんに引っ張られて楽しく読めたけれど、こちらはいまいち登場人物に魅力を感じず、ストーリーにも魅力を感じず、最後までただ字面を追うだけになってしまった。
この小説を書きたいと思った理由が知りたい。
前作で魅力だと感じた今どきワードが控え気味だったのも残念だった。
次回作に期待。
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老婆老婆と繰り返される度、腰の曲がったノーメイクノーブラでブカブカの服を着た白髪頭の、本作で描写されているのと真逆のおばあさんが頭に浮かんできて、老婆という言葉ばかりが気になってしまった。
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最初読みづらいなという印象の(個人的に)文章でしたが、中盤以降は老婆とのやり取りが引き込まれる部分があったのですが、最後がフーンという感じで読了。文章とクライマックスがもう少し抑揚があればよかったのかなー個人的には星2つ。
次回作に期待。
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これは美しい物語だ。
暗がりの中で光る『街』とそれぞれの『窓』が、くっきりと映像として心に残った。
都会でも田舎でも、自分と関わりが無くても、ひとつひとつの灯りの中に人の暮らしや人生が詰まっている。
バックで流れるクラシックピアノが跳ねる音も良い。タイトルはここからかな。
私としては、主人公が作ろうとしていた動画モニターを映画館に仕立てたものも見てみたかった。
この知的な老婆を見ていると母のことが思い浮かんだ。今の時代、テレビに出てくるような幸せな老人はそうはいない。人との関係性をおおらかに捉えられる人でないと生きていくのが難しいと思う。
作中にあるように、美しいものを醜く、醜いものをさらに醜く映す悪魔の鏡が自分の心に刺さっていないか、自分に問いかけたい。
中村くんはこれだな。
どこかにある命のホテル•島、と表現されていたスヴァールバル諸島のことも調べてみた。
まだまだ自分の知らないことがあるんだなぁー!ビザ無しで行けるとは。死んではいけない、生者だけの国、というのはちょっと語弊あるけど。
地球は丸い。それは私達が余り遠くを見られないようにするため。
→それなら、自分で遠くまで出かけるしかないのね。
といった美咲さんの言葉が突き抜けてて爽快だった。
この作家のテレビ番組でのナナメな発言が好きでいつか小説を読みたいと思っていた。社会学者、というのも面白い。
読後、ロマンティストな人だと思った。食べ物、お酒の記述もあり、五感にうったえてくる作品。手元に置いて読み返したくなる。
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前から手元にはあったが、なかなかタイミングがなくて読みきれていなかった。
が、芥川賞の選評が興味深くて、気になっなら一気に読みきれた。
視点や言葉や切り口は作者っぽいなと感じた。
社会の見方なんかはやっぱり惹きつけられる。
またいろんな視点で社会を語って欲しい。
その手段に小説っていうのは面白いし読みやすい。
いっそのこと、小説と社会学的な解説本みたいなのだしたら面白そう。
また続編が読みたいです。
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表紙の画も古市さんが描いたんだと知って、へ~となる。
前作より好きかも。
高層ビルの窓の清掃員と、あるマンションの住民の老婆との交流。
と書けば何の事はないが、
老婆から、ある事をお願いされての交流。
突然その交流は終わってしまうけど、主人公には何か希望が残ったように感じる。
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二度目の芥川賞挑戦もダメだったようであるが悪い出来ではなく受賞していればそんなものかという感じの作ではあった。就活に失敗した翔太とタワーマンションにひとりで住むハイソな老婆との交流の話である。マンションの窓の清掃を生業として始めた主人公が同僚のシングルマザー美咲さんとの仕事中の情事を見られたことが縁で高額な報酬で仕事中の写真を撮ってくることを依頼されてしまう。そのことによって世間と断絶した二人が外の世界に関心を取り戻していく。二人の交流が「メタモルフォーゼの縁側」の二人のようにも感じられた。
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芥川賞ノミネート作というとやはり純文学寄りなイメージが有るので、エンタメ小説のように素直に楽しむというよりは、少々深読みして読もうと思って読み進めます。
タワーマンションの中に垂れこめる老女、タワーマンションの外で窓を清掃する若者。どういうメッセージなのかなと思って読んでいましたが実は意図が全く分かりませんでした。色々分からないなりに、青年と老女の交流は胸温かく楽しめました。
もう少し何か胸に差し込むような物が有るかと思いきや淡々と進み淡々と終わります。あまり深読みせず素直に読んで楽しむのが吉だと思います。僕も最初から素直に読んでおけばよかった。