紙の本
柳美里氏の6匹の子猫たちの心に染み入る物語です。
2020/05/26 11:47
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、劇作家であり、小説家でもある柳美里氏の作品で、チンチラの母猫から生まれたキジトラの短毛ミーコが野良猫となり、彼女が生んだ6匹の子猫たちのお話です。全4編から構成され、それぞれが心に沁みる内容となっています。猫好きの人には、たまらない一冊ではないでしょうか。ぜひ、多くの方々に読んでいただきたい物語です!
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やっぱりわたしは動物は飼いたくない、と思うお話だった。お話がしっかりしてるからこそ。それは安易なペットブームみたいなもので語ってはいけないいのちの重さを描いているから。るかちゃんの気持ちにいまいちうまく寄り添えなかったな。
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捨て猫とそれに関わる人たちをめぐる物語を
独特な語り口調で書き綴られている連作短編。
はじめの1話目はノラ猫好きにはとてもきっつい話なので
家で読むことをおすすめします。
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捨て猫から人間の本質を見つめる。
人間は見たいものしか見ない性質を持っている。
人間の生と死も見つめる。
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公園に捨てられた生まれたばかりの子ねこは優しいおばあさんに拾われニーコと名付けられ幸せに暮らしていましたが、おばあさんが認知症になって家からいなくなりまた公園の野良ねこになってしまいます。そしてニーコは6匹の子ねこを公園で産みます。その子ねこたちを拾って育てることになった人達をめぐる物語。ねこを家族に迎えることで心の中にも、人と人の繋がりにも変化が訪れていきます。
人の都合で捨てられた小さな命が、かけがえのない人と人の絆を紡いでいく様が心に染みます。どうか世の中の猫たちが幸せでありますように。猫を取り巻く人達が幸せでありますように。そんな祈りにも近い思いが胸にふつふつと湧いてきました。
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ねこを中心にした、人間の物語。同じ町で、ねこの繋がりをたどりながら展開する。
留香にひかる、田中さん・・・痛々しいこともある人間の日々に、一度は捨てられたねこがスルリと入り込み、ニャアと鳴いてご飯を、生きつづけることを、要求する――読むうちそんなイメージが浮かぶ。声高にガンバレとか生きろとか、人が人に言うのではない。ねこのいる日々が、生きることを支えてくれている感じ。
そして全体を、渡辺さんと"ニーコ"の互いへの愛が、ゆったりと包んでいる。
まっすぐで、静かなまなざしのねこの挿画もとてもいい。
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生と死に向き合う柳さんらしい目線で描かれた猫のお話。
正直、序盤で読むのが辛くなった。
野良猫を取り巻く厳しい現状と、手を差し伸べる人達。
可愛い、可哀そう、癒される、そういうファンタジーではない、リアルな野良猫たちの物語。
野良猫の生と死と、人間の生と死を絡め、胸苦しくなるものの、ラストは救われた思いがし、涙した。
手元に置いておきたい一冊。
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再読本。単行本は図書館本で手元になかったので文庫化を期に再読。以前のレビュー。
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ううっ、号泣…ひかり公園に捨てられた1匹のねこと、そのねこの6匹の子猫たちのお話。連作っぽくお話が繋がっている。野良猫の厳しい現実と、飼い主たちの哀しい現実がないまぜになり、複雑な気分になるが、ほんの少しの希望もあり、涙無くしては読めない物語。『ねこのおうち』とあるがここにあるのはねこと人間の物語。描写の鋭さはさすが柳美里さん。とても心に残る物語でした。
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幸せな家猫の話や野良猫が強く生きていく話はたくさんあるけど、この作品は実際に野良猫や捨て猫で生きていく事の難しさ、リアリティがあって最初は心がしんどくなった。命を人間の都合で選んではいけない。最初がツラいだけにニーコの子供達には幸せになってくれって祈りながら読んだ。現実は残酷な事が多いかもしれないけど、色々な人間模様を見ていく中で、救いはあると思った。鳥派なので猫は飼えないけど、野良猫を見かけたら優しい気持ちになります。
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無類の猫好きなので猫に関するあらゆる本を読み漁っていますが、この本は1話で耐えきれず閉じてしまいました。可愛らしい表紙の絵柄と、内容のあまりの落差に衝撃を受けました。精神状態が安定していなかったので号泣してしまい数日引きずってしまったくらいです。落ち着いたら最後まで読もうと思います。
どうかこの世のすべての猫に幸せが訪れますように。
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ひかり公園に捨てられた子猫の兄弟が、それぞれの居場所を得る話なのだが、一つ一つの話の中に生と死が絡みあって、さらっと残酷な人間の姿が描かれている。最初の話は気が滅入ってしまったが、最後はホッと安心しました。
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戦争の話でも読んだような、胸の苦しくなる、でもいつまでも心に残るだろうなというお話でした。
野良猫として生き抜いていくことの過酷さを包み隠さず書いています。野良猫って、元々は人間に捨てられた猫かもしれなくて、、安易にペットを飼ってはいけないこと、命の尊さ、もういろいろ、、頭をぐるぐると巡りました。
でも、物語の中には救われた命もあって、私の心も救われました。読んでよかったです。
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/731313
猫を通して生と死を見つめる。
悲しさと温かさのある連作短編。
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読むのがしんどかった。
1話目で読むのをやめてしまおうかと思ったけど…
借り物だし
もしかしたら救いがあるかも…と。
色々考えさせられる話だったけど…
ちょっと…引っ張られておちてる…
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これはダメだ。うちの猫を抱いて泣いてしまった。最初の「ニーコのおうち」が切なかった。認知症、不登校、病気…色んな問題を抱える人間との出会いがあり、別れがあり、猫と暮らす人がいる。うちの最高齢の猫は16歳。乳飲み子のときから育てた。ここがおうち。ずっと一緒にいようね。