紙の本
認知症の家庭介護は大変
2020/12/30 07:42
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投稿者:チップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
施設に入っていた認知症の父を自宅マンションにひきとって家庭介護をする男性の話。
介護をめぐるトラブルに振り回される日々
題名の「老父よ、帰れ」の帰る先は何なのか?
認知症や老後について考えてしまった
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本屋でたまたま見かけて買って、電車で読みはじめたら、止まらなくなって読み切ってしまいました。
45歳の主人公(長男)が、認知症になって施設に入れていた父親を自宅に引き取って介護する、というお話。
主人公は医者の話を聞いて、認知症の患者に”無理に”いろいろさせてはいけない(自分の名前を言わせる、病院に連れて行く、など)ということを聞いて、過去の行動を後悔し、父親の気持ちを優先して介護したい、と思い、自宅で介護することにする。
妻は当初反対するものの、説得して、父親を家にひきとり、介護休暇をとって介護を始める。しかし、排泄をはじめ、食事補助や徘徊などいろいろな問題が生じ、マンションの近隣住民とのトラブルも起こり、対応していく。父親の感情と主人公自身の感情、家族やまわりの人々の感情と現実、安全と人権の折り合いをどのようにつけていくのか、ということがテーマかな、と。
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久坂部作品としては珍しく、あまり毒のない実話に基づいて書いてみました的な小説。介護の実態を浮き彫りにしたいがためなのだろうが、主人公の好太郎があまりに分かりやすい直情径行に描かれていて深みが足りない。
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久坂部羊 著「老父よ、帰れ」、2019.8発行。施設に入っていた認知症の父、矢部茂一75歳を、自宅で介護するよう決め、頑張る息子、矢部好太郎45歳とその家族の物語です。デビュー作「廃用身」で、介護のため両手両足を切断するという医療を提示した著者、今回、介護で最も過酷な排便の介護に、人工肛門と導尿カテーテルに向かうと思いきや、最後まで、(不十分とは思いますが)感謝と敬意の介護が続きました。読後、認知症患者に限らず、介護がいかに大変であるかがよくわかりました。
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老人ホームにいる父が不憫だと、自宅で介護しようとする息子。しかし本人の楽観的な見通しに反して、認知症の老人の介護は簡単なものではなく・・・
おー。リアリティがありすぎるホラーのような小説だった。
しかもこのような家庭が日本中にあるのだろうと思うと、何とも言えない気持ちになる。介護の現実を知りたい人必読。
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+++
45歳の矢部好太郎は有料老人ホームから認知症の父・茂一を、一念発起して、自宅マンションに引き取ることにした。
認知症専門クリニックの宗田医師の講演で、認知症介護の極意に心打たれたからだ。勤めるコンサルタント会社には介護休業を申請した。妻と娘を説得し、大阪にいる弟一家とも折にふれて相談する。好太郎は介護の基本方針をたててはりきって取り組むのだが……。
隣人からの認知症に対する過剰な心配、トイレ立て籠もり事件、女性用トイレ侵入騒動、食事、何より過酷な排泄介助……。ついにマンションでは「認知症対策」の臨時総会が開かれることになった。
いったい家族と隣人はどのように認知症の人に向き合ったらいいのか。
懸命に介護すればするほど空回りする、泣き笑い「認知症介護」小説。
+++
認知症の親を自宅で介護する大変さの予備知識になる物語である。認知症を患う父親を家で看たいという長男、その家族、遠方に住む弟一家、マンションの住人たち、それぞれの立場や思いは、その立場になって考えれば、それなりにどれも納得できるものであり、だからこそ、いま自分がどの立場に立っているのかで見方が変わってくることもあるだろうと思われる。並々ならない苦労があることはよくわかるのだが、同居する家族の感じ方や、日々の不自由さがいまひとつ伝わってこなかったのが、いささかきれいごとめいて感じられる一因かもしれないとも思う。現実はとても書き尽くせないものであろうことは想像に難くないので、ある程度仕方のないことかもしれないが、認知症介護の表層をさらっと一通り描いた感が拭えないのも確かである。「自分の都合で考えず、患者本位で接すること」という心構えがわかっただけでも収穫かもしれないと思える一冊である。
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-2019/11/07
久坂部洋の世界にどっぷり。読者を惑わせるような展開もなく、安心して読み進めることができた。最後の最後の好転換?に、心地良い読後感を得ることができた。認知症の父親にこう接したいと思う反面、現実は笑えない。それでも心地良い読後感は、久坂部洋の新境地か?
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認知症は、世の中が高齢化の今では見て見ぬ振りをしてはならない問題だ。
多くの人ができれば親を看取りたいと思うだろう。
だが、自分の配偶者の問題だったり家の間取りであったり、仕事との兼ね合いであったりと様々な理由で難しいのが現実だ。
介護はみんなで協力しながらが大切。
おむつとか食事とか、一緒に外についていくとか、やることは対乳幼児と同じだけど
できなくなることはあってもできるようにはならない。
成長していく子どもに対して、いつか自分でできるようになる日は、絶対にこない。しかもいつ終わるのかわからない。
1人にばかり負担が多くなったり、1人で抱え込んだりしないように。
この物語のように、みんなが少しずつ優しくなるだけで世界も少しずつ変わっていく。
後悔する人が少しでも減りますように。
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介護現場で働く友人から譲られた
認知症の人の介護はなみの苦労ではない
特に排泄が……
私は、幸いというか、
看取った老親は頭はクリアであったが
医師が書いているからリアルだ
つい、嫁の立場で読んでしまう
こうはいくかなあ
経済も心配
一気に読めたし
読んでよかったと思う
≪ 認知症 靄の世界に 波がたつ ≫
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自分の家族が認知症になったら自分はしっかり介護できるだろうかと考えさせられました。
認知症についても知識を得ることができ、読んでよかったと思います。
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認知症、介護の問題は自分の親だけでなく、数十年後の自分を含めて考えると不安な気持ちにしかなれない。
少しでも長く大切な人と一緒にいたい。気持ちはよく分かる。
思うがままにならないことを、思うがままにしようとして人は苦しむのです。という言葉は何も介護に関わることだけではないなと思った。
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一日で読んでしまいました。
講演会の話を聞いて自分の父親を施設から引き取って自分の家で介護する主人公は、親への愛情は人一倍なんだけど、考えが浅はかです。同居するマンションでの出来事や排泄問題など現役のお医者さまの視点で、リアルに描きます。最後の終わり方も明るく良かった。でも親族関係等美化されているかな。
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図書館で借りた本。70歳になる父親は高校の数学教師を定年退職し、塾で数学を教えるアルバイトをしていたのだが、前頭側頭型の認知症になってしまい…という話で長男家族が父親を施設から自宅に引き取り介護をする。しかし悪戦苦闘の連続。最後は自宅で自然死を迎えさせたい方向になる話になる。認知症対応の保険を夫に勧める妻は正解。長生きはガンや認知症になるのは必然だと思うから。
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一気読み
まさに自分の母親が認知症で施設に入っている
私は家では看られないと判断した
亡くなった父親と認知症の母が
2人で暮らしていた頃の大変さを思い出した
財布が無くなったと呼ばれ
トイレに失敗したと電話がある
病院、薬局、市役所、訪問介護、訪問看護、
デイサービス、ヘルパー、
それぞれの手配、決め事…常に親に関わること中心の毎日
フルタイムの仕事は無理と判断して離職した
排泄に関わる大変さは数回の対応だったけど
それでもいつまで続くのか、と
眠れない夜も何度となくあったっけ
そして今度は自分がどうなるかも気になり
こういう本を読んでは
考えさせられてます。
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介護のついて考えながら読んでいった
自分だったらどうするだろう、どう思うだろう、と
認知症に自分がなったらもう死ぬのすら怖くないんだな、、
いろいろ深い本でした