0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うみべ - この投稿者のレビュー一覧を見る
今のシャープ隆盛の礎となった佐々木氏の評伝。この本読むまでこんな人がいたなどとは知ることもなかった。ほぼシャープの建物が姿を消した西田辺の今と日本の家電メーカーの衰退ぶりを見て佐々木氏はどう思っているのだろうか・・・。
日本が物づくり大国であった頃の話し
2020/01/19 16:54
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:magoichi - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦後何もなかった時代の技術者ので一代期。
今年メーカーに技術者として就職した息子に渡した一冊。
正しい努力と状況判断、そして最後は人間性。
息子よオマエの仕事がチンプンカンプンな父は、もう後は健闘を祈るのみ。
ロケット・ササキ
2019/04/30 22:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ごんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
シャープの佐々木さんが社長ではないが社員としてすばらしいことはわかりました。もう少し人となりの話がきければよい作品になったと思いました。未来を見る先見の明があるとは思いますがやはり社会の歯車の一つのように感じました。
本書タイトルどおりの圧倒的な存在感を放った技術者を追うノンフィクション
2020/11/04 18:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
孫正義氏が「大恩人」と言い、スティーブ・ジョブズ氏が「師」と仰ぎ、松下幸之助氏が「教えてもらえ」と部下に指示し、ロバート・ノイス(インテル創業者)の創業間もない頃に手を差し伸べた、凄まじい技術者が日本にいました。シャープを一流企業にのしあげた佐々木正氏です。
真空管が技術の主流の時にトランジスターの有効性に着目し、トランジスターの次の技術として当時の大手電機メーカーが全て尻込みしたMOS(金属酸化膜半導体)の量産技術を確立させ、1970年代の電卓戦争の中で液晶ディスプレー、太陽電池といったその後の日本の半導体産業を牽引する技術を世に送り出すという業績は圧倒的です。
本書冒頭の1977年のシーンでは、創業間もないスティーブ・ジョブズ氏や孫正義氏との出会い、それに絡んだ西和彦氏(アスキー創業者)との関わりなど、登場するのが1990年代にパソコンが普及する時代に一世を風靡するビッグネームばかりで、いかに佐々木氏の人脈や先見性が抜きでいたかが分かります。
佐々木氏は半導体開発で行き詰まり助けを請うたサムスン電子のイゴンヒ(現会長)に製造技術を供与しました。後に日本の半導体メーカーは大打撃を受け、技術供与した佐々木氏を「国賊」と呼ぶ人も出てきましたが、佐々木氏いわく「半導体や、液晶テレビなど日本の電機業界の衰退は技術を囲い込み、全てを自前でやろうとし、成果を総取りしようとたことであり、イノベーションとは他の会社と手を携えて新しい価値を生み出すことだ」と諭しています。
松下幸之助氏が「教えてもらえ」と言った時、シャープの役員会では「敵に塩を送るなどとんでもない」という議論が大部分を占めました。ところが創業者の早川徳次氏が「少しばかり教えたくらいで負けるなら、シャープなどその程度の会社だということです。そんなことで負けるシャープじゃない。構いません。行って存分に教えてきなさい」と言って役員連中を一喝したシーンが登場するのですが、このエピソードからは早川氏の器の大きさが伝わって来ます。こういった経営者の薫陶を受けて佐々木氏の考え方も定まって行ったような気がします。
これほどの業績の人を扱ったノンフィクションなのに、1点残念なのは文庫本で300ページ足らずというボリューム。一気に読めてしまうのですが、どうせならもう少しそれぞれのエピソードを深堀して、もっとボリュームのある著作であればよかったのに、と思います。
ただ、読んで損はしないと思いました。
投稿元:
レビューを見る
シャープの電卓をナンバーワンの地位に引き上げ、その後も半導体、液晶などの最先端の技術に挑戦し、会社の成長に大きく貢献した佐々木正氏の評伝である。日本のみならず海外を含むその人脈は瞠目に値する。その代表がスティーブ・ジョブズ氏であり、孫正義氏である。その人脈はひとりシャープのみならず他者、特に若い人達の育成のために活用された。佐々木がシャープ経営の第一線を退いてからはシャープの迷走が始まり、現在はご承知の通りの有り様である。この本から得られる教訓のひとつは、会社経営にあっては好調時の品目のみに捉われることなく、常に次世代の品目開発に注力すべきことである。また、特に印象深かったことは、超一流経営者の度量の広さである。個に捉われない無私の精神である。
投稿元:
レビューを見る
馬鹿なマスコミの努力ですっかり自信をなくしてしまったかのような今の日本だが、今のニッポンだってきっとたくさん偉人はいる。誇れ、我が祖国を。
投稿元:
レビューを見る
副題:ジョブスが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正、帯のコメント:こんなスケールの大きい日本人が本当にいた!(孫正義)を見て購入。ゴールデンウィークのボーっとしていた中、気持ちを奮い立たせられる、気概のある内容。
投稿元:
レビューを見る
名経営者や創業者の話は多い。
それとは違い、サラリーマンとして生き切った、とんでもない人の物語。
雇われの身で、覚悟次第で十分にやれる。
いや。違うか。
雇われの身であることすら感じさせない働き方(生き方)をしてれば、見事にそうなるんだ。
会社だとか個人だとか利益だとか効率だとか。
そんな事でなく、「人類のため」、に働く人って、凄すぎました。
「虎は死して皮を残すというが、私は孫正義を残した」
何だ!この心痺れるセリフは。笑
投稿元:
レビューを見る
電気産業の中の軽電、電子部品からITへ、古き良き 時代のモノ造り大国ニッポンから現在につながるお話し。
素人には専門的過ぎて解らない部分が、若い技術者のタマゴにはホコリを被った技術で判らないかもしれませんが。
革新的な技術によって成功を得る悦びと、その悦びも束の間、更なる技術革新によって追撃される厳しい産業構造。どんな仕事も人の繋がり無しには成し得ないし、人の為に動いてるようで実は回り回って自分に帰ってくるのという真理。(情けは人の為ならず)
古い話にも不変の理りがあるのかな?
そんな事が技術系の仕事に就いた息子に伝わることを願って、嫁がせせっと送る食品の梱包に突っ込みます。
投稿元:
レビューを見る
園児にでなくとも何度も目尻が熱くなると思う。
インテルも、アップルもソフトバンクも影響を受けたとは全く知りませんでした。
投稿元:
レビューを見る
孫正義氏が「大恩人」と言い、スティーブ・ジョブズ氏が「師」と仰ぎ、松下幸之助氏が「教えてもらえ」と部下に指示し、ロバート・ノイス(インテル創業者)の創業間もない頃に手を差し伸べた、凄まじい技術者が日本にいました。シャープを一流企業にのしあげた佐々木正氏です。
真空管が技術の主流の時にトランジスターの有効性に着目し、トランジスターの次の技術として当時の大手電機メーカーが全て尻込みしたMOS(金属酸化膜半導体)の量産技術を確立させ、1970年代の電卓戦争の中で液晶ディスプレー、太陽電池といったその後の日本の半導体産業を牽引する技術を世に送り出すという業績は圧倒的です。
本書冒頭の1977年のシーンでは、創業間もないスティーブ・ジョブズ氏や孫正義氏との出会い、それに絡んだ西和彦氏(アスキー創業者)との関わりなど、登場するのが1990年代にパソコンが普及する時代に一世を風靡するビッグネームばかりで、いかに佐々木氏の人脈や先見性が抜きでいたかが分かります。
佐々木氏は半導体開発で行き詰まり助けを請うたサムスン電子のイゴンヒ(現会長)に製造技術を供与しました。後に日本の半導体メーカーは大打撃を受け、技術供与した佐々木氏を「国賊」と呼ぶ人も出てきましたが、佐々木氏いわく「半導体や、液晶テレビなど日本の電機業界の衰退は技術を囲い込み、全てを自前でやろうとし、成果を総取りしようとたことであり、イノベーションとは他の会社と手を携えて新しい価値を生み出すことだ」と諭しています。
松下幸之助氏が「教えてもらえ」と言った時、シャープの役員会では「敵に塩を送るなどとんでもない」という議論が大部分を占めました。ところが創業者の早川徳次氏が「少しばかり教えたくらいで負けるなら、シャープなどその程度の会社だということです。そんなことで負けるシャープじゃない。構いません。行って存分に教えてきなさい」と言って役員連中を一喝したシーンが登場するのですが、このエピソードからは早川氏の器の大きさが伝わって来ます。こういった経営者の薫陶を受けて佐々木氏の考え方も定まって行ったような気がします。
これほどの業績の人を扱ったノンフィクションなのに、1点残念なのは文庫本で300ページ足らずというボリューム。一気に読めてしまうのですが、どうせならもう少しそれぞれのエピソードを深堀して、もっとボリュームのある著作であればよかったのに、と思います。
ただ、読んで損はしないと思いました。
投稿元:
レビューを見る
創業者や経営者以外で本の題材になるのは珍しいと思う。
偉くなっていくと技術者から管理や経営に軸を置いていくようになるが、最後まで、技術者としてのスタンスを残していた人だと思った。
投稿元:
レビューを見る
こんな人がいたのかという驚き。そしてそういう人材は陰日向になり支えていたのは胆力のある経営者だったのである。胆力ある経営者になりたい。
投稿元:
レビューを見る
そうなんだスティーブ。
人類の進歩の前に、企業の利益など、いかほどの意味もないのだ。小さなことにこだわらず、人類の進歩に尽くすのが、我々、技術者の使命なんだ。
これ、最高に好きなフレーズ
投稿元:
レビューを見る
シャープ技術担当専務→副社長の佐々木力さんについての本。
カシオとの電卓戦争でシャープの陣頭指揮を執り、のちに電子工学の父とも呼ばれた人物。
戦時中の殺人電波の研究、電卓戦争の話、アポロ計画に携わりロケットササキと呼ばれるまでになった話、孫正義やジョブズとのエピソード、内容が濃くて面白かった。
以下は備忘録がてらメモ。
アスキー創業者でパソコンの天才と呼ばれた、西和彦さんから、
カリフォルニア大学バークレー校に面白い日本人がいると聞き、のちのソフトバンク孫正義に会いに来た。
その際、スティーブ・ジョブズにも出会った。
早川電機(現シャープ)に移籍して2年した際、電卓「CS-31A」を35万円で製造出来るようになったが、
まだ乗用車一台分の値段で、これよりいかに安くしたら良いか模索していた。
その時、新工場が出来、独身寮は既にあったが、それでも人が足りずに、家族持ちも採用出来るよう家族寮を建てるための図面を総務が持って来た、
それを見て、IC回路と似通っていることに着想を得て、MOSという新しいタイプの半導体を使えば出来ることに気がついた。
ただ、それは開発されたアメリカでも使い物にならず埃をかぶっていたもので、扱いにくく量産は無理と言われていた。
そこで逓信省の人を熱心に説得し、メーカーが生産できるなら良いと承諾を得た。
そしてメーカー側は日立、三菱電機、日本電気、東芝などなど、どこもどうなるか分からない技術に設備投資出来ないと断られた。
だが、継続してアプローチを続けた結果、三菱電機の担当役員を口説き落とした。
ただ、半導体の第一人者である教授の入れ知恵で、社長ストップがかかってしまい、早川電機は予算を取っているのに日本の半導体メーカーを口説き落とせなかった。
そのため佐々木さんはアメリカのメーカーをなんとかして見つけようとした。