美しい音楽が作られる、その科学的テクニックをわかりやすく解説した一冊です!
2020/01/26 12:20
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、高度な理数系知識をわかりやすく示してくれると評判の講談社ブルーバックス・シリーズの一冊で、同巻は「作曲の科学」編です。同書は、美しく、人の心に響く音楽はどのようにして生まれるのか、どのように作られるのかを、誰にでもわかるように、簡潔に解説した科学書です。内容構成も、「第1楽章 作曲は<足し算>である──音楽の「横軸」を理解する」、「第2楽章 作曲は<かけ算>である──音楽の「縦軸」を理解する」、「第3楽章 作曲のための<語彙>を増やす──楽器の個性を知るということ」、「第4楽章 作曲の極意──書き下ろし3曲で教えるプロのテクニック」と見ただけで読みたくなる内容です。ぜひ、多くの方々に読んでいただきたい一冊です!
作曲の「科学」、これが科学?
2019/10/26 15:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は、世界的なマリンバのソリストであり作曲家であるフランス人。慶応大学で音楽専攻でない学生に作曲を教えるために来日して21年。
本書のタイトルから、科学的な視点から分析した音楽理論を学び、今まで読んだコードの理論書で理解できなかったモヤモヤが解決できることを期待したが、科学的な記述はほとんど見られない。最後の監修者解説で、「作曲をするという行為は一見、難しいことだと思われがちだが、それは絵をかいたり、詩を作ったりするのと同様、まずは心に浮かんだものを書きとめることからスタートするのであり、そのために最低限のペンの持ち方を覚えようというのが本書の主旨である。」とある。本書の最初に、この記述があれば、あらぬ期待を持たず読み進むことができたであろう・・・。
とはいえ、訳書であるが翻訳は読みやすく、楽譜の歴史、著者のキャリアなど、読み物として楽しめる。音楽理論については、当然のことながら著者独特の解説も交えてわかりやすく、音源を掲載した特設サイトにQRコードでアクセスすると楽譜の音源が再生され、耳からも理解できるのもうれしい。
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期待はずれ
著者の思い出話が半分くらい
コード進行もメロディラインもいくらでも「理論」と「法則」があるのに触れだしたかと思うと終わり昔話へ
フジテレビの番組から飛び出した名著『音楽の正体』が復刊しないかな
あの感動を本書に期待したのがいけなかったか
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フランソワ・デュボワの『作曲の科学』読み終わったー。著者の作曲に至るまでの背景を見せつつ記譜法や音楽の理論の基礎を最小限導入してておもしろかった。最後の方は作曲実践入門的な感じで、電車だったので帰ってもっかい読みながら試そうと思う。いい本だなー。
DAW音作りはできはするが理論ぜんぜん知らないしめっちゃ怖いと思ってたけど、なんだか気軽にやってよさそうという気分にさせてくれる、よい本だったな。
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「蜜蜂と遠雷」の小説を読んで、もっと音楽の知識があれば更に楽しめるんだろうなという思いを持っていたので、本書を手に取りました。
作曲は数学だと著者は繰り返し述べていましたが、確かに方程式を解くのに近い印象を持ちました。クイーンのギタリストのブライアン・メイのように数学などの理系学問を修めた人が音楽家になるケースも実際多いそうです。
様々な知識やテクニックを使って方程式を解くように、様々な音の規則性や楽器ごとの出せる音域・得意な音域などの知識やテクニックを駆使して複雑な曲を作り上げていくプロセスは、非常に興味深かったです。
著者は音楽専攻でない大学生向けに作曲の講義もしているそうですが、本書はト音記号の説明からしてくれるので、義務教育レベルの音楽知識しかなかった私にとっても読みやすい一冊でした。
ハ長調やA Minorなどについてもよく理解できてスッキリしました。また、音源つき(CDではなくウェブから聴けるというのが非常にいい)でA Minorがどんな音なのかなども確認しながら、読み進められる点も良かったです。
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私には合わなかったです。デモソングが一曲通して聴くのも苦痛なくらいつまらなかった。
どんな手法を使っているからすごい!と言われても結局は作曲は自己満足なのかな、と思いました。
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世界最古の楽器
35000年前のハゲワシの骨のフルート、22cm、ドイツ
世界最古の楽譜
紀元前1400年シリア
中世イタリア1025年、修道士グイード作 音程も考案
記譜法の基礎1650から1750年に確立
ピアノ並みの音域を奏でられるのはチェンバロとハープ
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第1楽章 作曲は「足し算」である―音楽の「横軸」を理解する(「楽譜」の誕生―作曲を進化させた音楽の「記録装置」;音楽の「横軸」とは何か?―作曲の基本「音楽記号」を知る;音律と音階の謎―曲調を決めるのは何か)
第2楽章 作曲は「かけ算」である―音楽の「縦軸」を理解する(音楽の「縦軸」とは何か?;和音を生み出す「音程」のしくみ;和音の法則―「かけ算」のルールとは何か)
第3楽章 作曲のための「語彙」を増やす―楽器の個性を知るということ(マリンバ―私が最も魅せられた鍵盤楽器;ピアノ―作曲の可能性を最大限に広げてくれる楽器;バイオリン―“不自然な楽器”の魅力;クラシックギター―マリンバに光をくれた共感の楽器;フルート―14歳の天才少年が教えてくれた魅力;オーボエ―世界で最も演奏が難しい楽器)
第4楽章 作曲の極意―書き下ろし3曲で教えるプロのテクニック(まず「モード」から始めよ;和音とコードに強くなる―「かけ算」に習熟せよ;作曲の「意図」を教えます―書き下ろし新曲で徹底指南)
著者:フランソワ・デュボワ(Du Bois, François, 1962-、フランス、マリンバ奏者)
監訳:井上喜惟(1962-、神奈川県、指揮者)
訳者:木村彩(翻訳家)
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美しいメロディを奏でる「論理」と「数理」とは? フランス音楽界で絶賛された作曲家・演奏家が語る「作曲のロジックとテクニック」
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こんな本を手に取るなんて…というか,こんな本がブルーバックスの一冊になるなんて…というか…。
まったく場違いというわけではない。振動数と音の関係というのは科学だし,わたし自身,いろんな楽器を弾いてきたし,興味もあった。
しかし,こと,作曲なんてことは考えたこともなかったのだが,本書を読むと,わりと簡単に作曲できそうな気になる。
本書の凄いところは,まるで日本人が書いたような文章になっているところだ。著者のフランソワ・デュポアという人は,もちろん日本人じゃないのだが,この文章を読んでいると,ついつい「あれ,これって日本人が書いたんだったっけ」という錯覚に陥ってしまう。それくらい,読みやすい訳文なのだ。訳者は木村彩さんという,日仏英のトリリンガルとして活躍している人らしい。この人,たいしたものですね。
さて,内容だが,音楽をたし算とかけ算にたとえながら,説明していくあたりは,さすがだ。そして,本当に,本書の最後には,作曲もできそうな気がしてしまうから不思議。
ただ,最後の方は,ちょっとかけ足で説明されていて,もう少し順を追って説明してほしいなと言う部分はある。さすがに,まったく和音など知らない人はちょっととっつきにくいかも知れない。ただ,そんな人は,こういう本を手に取らないだろうから大丈夫だけど。
本書に紹介されている音階や和音は,スマホなどで簡単に聴くことができる。これもいいサービスだと思う。そばにピアノなどの楽器がなくてもいいからね。
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音楽は数学的な部分が多く含まれていることが分かる。
音楽好きな人にはさらに楽しめるのではないか。
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この本は4章構成になっていて、個人的には3・4章の「作曲のための語彙を増やす」「作曲の極意」目当てで読み始めた。目次を読む限り、3章では様々な楽器を取り上げ、それらの特徴やら曲での活かし方が記載されているのだと思っていた。確かにそれもあるが、著者と親交の深い奏者へのリスペクトのついで程度のようでもあり、そこは少し残念。同じ曲でも違う楽器で演奏すると雰囲気がかなり変わる旨の説明までしてくれたのだから、いっそほぼ全部の楽器を取り上げて作曲の際はこの楽器のこういう特徴を生かすと雰囲気が出る等のコツを網羅してくれればよかったのになぁ、と思った。
しかし説明がわかりやすいし、音源が結構入っていて、作曲や音楽理論を始めて勉強する人にとってはイメージしやすくてよい本だと思う。未公開音源もあって著者の力の入れようが感じられる(文中の例として日本の曲を取り上げていることからもサービス精神を感じる)。
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全く作曲のことはわからないのですが 面白そうだなと思って読みました。
素人のわたしでもわかるような気になったのでとても良かったんじゃないかなと思います。
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入門者向けなので音楽や数学に素人でも楽しんで読める。
作曲の横軸と縦軸についての解説と、語彙としての音色、そして実際の作曲。音楽や記譜法の歴史、著者と各楽器との付き合いなど、読み物として純粋に面白い話もある。マリンバといえばグアテマラシティの国立劇場で聴いた演奏を思い出す。
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・フランソワ・デュボワ「作曲の科学 美しい音楽を生み出す『理論』と『法則』」(講談社ブルーバックス)を読んだ。本書は「曲作りの『しくみ』と『原理』を、音楽の理論的な知識をまったくもたない人にも理解していただけるよう」(4頁)に書かれたといふ。実際、五線の各部の名称から始まる。これはヨーロッパの記譜法の歴史を終へたところで出てくる。第1章「作曲は『足し算』である」と名づけられた章である。 副題として「音楽の『横軸』を理解する」(21頁)とある。なぜここに記譜法や五線が出てくるのか。「音の組み合わせには『定理』があり、美しいメロディ を生み出すための“足し算”や“かけ算”があって、その『四則演算』を知らなければ、決して美しい楽曲を作ることはできないからです。(原文改行)そして、その四則演算を理解するために必要不可欠なのが、『音楽記号』です。」(39頁)何事も基礎を知らねばならぬ、音楽も同様だ、といふことであらう。それにしても、足し算やかけ算とは何かと思ふ。音楽が数学等と非常に密接に結びついてゐるのは知つてゐる。クセナキスやブレーズ(79頁)がその代表である。さういふのと関係があるのか。しかし、ここでの足し算は関係がなささうで、1拍が2つで2拍となり、2拍が2つで……のやうに考へるのが、ここでの意味であるらしい。全音符、全休符から32分音符、32分休符までの一覧表もある。これで1小節の中を埋める足し算をせよといふのであらう。これに対してかけ算とは何か。「単一の音では実現できない音の響きを、複数の音の組み合わせで可能にする」(同前)操作である。「音楽の縦軸は、ある同一時点において、 同時に組み合わさって鳴らされる音のセットを指」(同前)すから、かう言へるらしい。だから「クラシック音楽におけるオーソドックスな『かけ算』には2種類あります――『対位法』と『和声法』です。」結局、ここに至つても私にはかけ算の意味がよく分からないのだが、要するに音の重ね合はせ方をここではかけ算といふらしい。その説明のためにラモーの「和声論」あたりから始まつてクラシック、ポピュラー、そしてヨナ抜き音階からユーミンまで、実に幅広くの材料で説明してゐる。これは読み手に実際の音が思ひ浮かぶやうにといふ配慮からであらう。ただ、私はポピュラー系はほとんど分からないので、却つて複雑な、あるいは不明な響きになるだけにやうな気がする。これはしかたのないことだが、もしかしたらデュボワの頭には、本書の読み手として専らポピュラー音楽の聞き手があつたのかもしれない。これ以後も多くの歌が出てくるが、クラシックはほとんどない。私のやうな者が読むことがまちがつてゐるのかもしれない。最後の曲例も明らかにクラシック音楽ではない。巷でよく聞かれる曲である。コード進行も「あえて日本の王道コードを使って」(209頁)あるとか。出てゐるのと曲例のとを比べると、確かにさうなつてゐる。かういふのは見たことがあるやうな気はするが、その実際は私には分からない。そんなわけで、おもしろかつた反面、実際の曲作りや旋法等になるとあまりおもしろくなかつたと言へる。私とは考へることが違ふら��い。かういふ人が和声のテキストを作るとどうなるのかと思つてみたりもするのだが……。
・それにしても本書は「」、括弧が多い。大体は「」だが、ごく一部に“”もある。一種の強調表現であらうが、一々つけなくてもいいのにと思ふ。足し算はともかく、かけ算は所謂かけ算らしくないよなと思ふ。だからつけたのかもしれない。それにしてもである。引用するのに苦労したことではあつた。