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【電子オリジナル】廃墟の片隅で春の詩を歌え 愚かなるドードー
幽閉された亡国の王女・アデールにもたらされる、数奇な運命! 革命により王政が倒れた国、イルバス。国王夫妻と王子らは処刑され、生き残った三人の王女たちもそれぞれ幽閉されてい...
【電子オリジナル】廃墟の片隅で春の詩を歌え 愚かなるドードー
商品説明
幽閉された亡国の王女・アデールにもたらされる、数奇な運命! 革命により王政が倒れた国、イルバス。国王夫妻と王子らは処刑され、生き残った三人の王女たちもそれぞれ幽閉されていた。末王女のアデールは、特に過酷な辺境の地・リルベクに立つ「廃墟の塔」に閉じ込められ、希望のない日々を送っている。だがある日、謎の青年エタンが廃墟の塔に姿を現した。他国に亡命した姉王女・ジルダの命を受けここに来た、というエタン。亡国の王女を待ちうける未来とは? 凍り付いたアデールの運命が、音を立て動き出す――!
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ようやく物語が動き出す、というところまで
2021/06/06 04:07
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
革命によって両親や兄王子達を失い、一人だけ廃墟の塔に押し込められていた末王女は、
亡命している姉王女の手によって助け出され、女王として即位する彼女のために生きようとする。作家買い。
オレンジ文庫で改稿版が出たけど、それ以前にこちらを買って積んでいたのでようやく消化。
基本的に流されるまま、自分を押し殺して、
周りに押さえつけられてそれでいいと生きてきた主人公には度々
「言いたいことがあるなら言えばいいし、話し合えばいいのに」と思ってしまうものの、
度々「周囲がそのように育ててきた」ことを記されて「仕方ない」と思う。
彼女を貶めたい姉達によって好奇心を押さえつけられて、
愚鈍で無能と思い込まされ、
案じた母によって「末っ子なのだから出過ぎず、耐えるように」といわれたまま、
幼い頃に塔に閉じ込められて教育も受けずにただ生きることしか考えられなかった彼女の境遇では、
ひたすら利用されて、政略結婚の夫の気持ちが理解できないのも、
理解するために努力しようという考えに至らないのも当然か。
そういった彼女の下地がこれでもかってくらいに丁寧に描かれていた。
そして、最後にその殻に気付いて自ら破ろうとするまで。
読みやすく、興味深く、面白いとは感じるものの、
主人公の魅力についてはまだ十全とはいえない状態で終わったからこそ、
次巻に期待する展開だった。
最後に主人公を襲撃したのって、アデールとグレンを動かそうとしたエタンの手の者なのでは……。
姉達の悪意や思惑は描かれていて読者としては憤りを感じるけど、
エタンだけは本当に何を考えているかわからず、敵なのか味方なのかもわからない。
第一印象はなかなか最悪に近いが。
グレンもか。謝って優しくすればアデールが自分を受け入れて自分の言う通りにしてくれると考えてそうだからなぁ。