近代建築そもそも講義(新潮新書)
著者 藤森照信 , 大和ハウス工業総合技術研究所
日本の近代建築が直面した最初の難題は「脱ぐか否か」だった。一八五七年、米国総領事ハリスは江戸城登城を許される。土足のハリスを迎えたのは畳に敷かれた錦の布と、その上で草履を...
近代建築そもそも講義(新潮新書)
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商品説明
日本の近代建築が直面した最初の難題は「脱ぐか否か」だった。一八五七年、米国総領事ハリスは江戸城登城を許される。土足のハリスを迎えたのは畳に敷かれた錦の布と、その上で草履を履いた将軍家定。以降、公的な場は「脱がない(土足)」が原則となる――。「和」の建築は「洋」をどう受け入れてきたか。銀座煉瓦街計画、国産大理石競争、奇妙でアヤシイ洋館群、日本に溺れた英国人教授等、建築探偵・藤森教授が語る全68話。
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スリッパ
2019/12/20 21:48
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の明治以降の建築の技法や歴史について、様々な論考をとりまとめた一冊。近代建築について色々言及がありますが、写真や図解が非常に少ないのが残念。
しかし、やはり藤森氏の文章は何かクセが強い感じがします。
明治以降の建築に関する構造・デザイン・都市計画・建築材料の話題満載
2019/12/14 21:05
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は建築探偵として著名な東大名誉教授。週刊新潮に連載された明治以降の日本近代建築に関する話題を68題に再編集した著作である。建築構造、建築材料、デザイン、都市計画等様々な話題満載で、興味深く読み進めることができる。その内容の一例としては、◆日本独特の路線防火◆銀座煉瓦街計画、煉瓦の大きさは日本人の体格に合わせて明治中期に規格統一、煉瓦の積み方の一種であるフランス積み命名の背景◆明治初期、英国人のコンドルが工部大学校で育てた辰野金吾ら4名の建築家の作品。東京駅の設計で有名な辰野金吾、コンドルの評価は高くない。著者も「全長335mの東京駅の前を歩くと一つの建築というよりはストリート一区画を通り過ぎたように感じられるのは、長大だからではなく、その長さを一つの建築にまとめ上げていないから。」と手厳しい。
週刊誌連載で紙幅の関係か、図・写真が少なく、文章のみでは建築の構造やデザインについて理解しがたい箇所もある。また建築工学ではなく土木工学に属する上下水道に関する内容には、明らかな誤りがある。◆「木製水道を明治期に鉄管に更換、水道水を加圧することで病原菌の流入を防いだ」という趣旨の説明がある。実際は、水道管を鉄管に更換した後も雑菌を含んだ水道水により乳児の死亡率は増加、大正時代に塩素殺菌を導入後、乳児の死亡率は劇的に減少、これに伴い日本人の平均寿命も延びた。病原菌の流入を防ぐ手段として、鉄管への更換は必要条件ではあっても十分条件は満たしていない。◆下水道で、「家庭排水とトイレの排水を分離した分流式」との説明があるが、分流式とは、トイレ排水を含む家庭等の雑排水と雨水を分離した方式を分流式というのである。