神戸・続神戸(新潮文庫)
著者 西東三鬼
第二次大戦下、神戸トーアロードの奇妙なホテル。“東京の何もかも”から脱走した私はここに滞在した。エジプト人、白系ロシヤ人など、外国人たちが居据わり、ドイツ潜水艦の水兵が女...
神戸・続神戸(新潮文庫)
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商品説明
第二次大戦下、神戸トーアロードの奇妙なホテル。“東京の何もかも”から脱走した私はここに滞在した。エジプト人、白系ロシヤ人など、外国人たちが居据わり、ドイツ潜水艦の水兵が女性目当てに訪れる。死と隣り合わせながらも祝祭的だった日々。港町神戸にしか存在しなかったコスモポリタニズムが、新興俳句の鬼才の魂と化学反応を起こして生まれた、魔術のような二篇。(解説・森見登美彦)
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神戸・続神戸
2020/06/22 21:50
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投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
神戸が異国情緒あふれる、なんとなくおしゃれな町だというのは感じていたが、この物語に描かれる戦時下・戦後の神戸はとても美しく描かれている。戦争を扱っていて、人が死んだりするのに、こんなテイストがあるのかと驚いた。けっして怪奇的な出来事が描かれているわけではないのに、どこか幻想小説のような感じもする、とても不思議な小説。
人物の活写に魅了されました。
2019/11/28 11:58
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投稿者:ら君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
登場するどの人も、淡々と記されているのにもかかわらず、生き生きとしていて、引きこまれてしまいました。
70年以上も前の話なのに。
一気に読んでしまいました。
優しい時代
2019/08/19 17:57
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投稿者:あーや - この投稿者のレビュー一覧を見る
神戸市民の一人として題名に魅かれて購入したが、一気に読んでしまった。
ちょっぴり哀しく、でも人って良いよなあと思わせてくれる作品。
時代的には、戦争を挟んでの暗い、思い空気が漂うのだが、だからこそ、お互いを思いやる、助け合うことが必要な時代だったのだろうと思った。
また、国際都市神戸の面目躍如たる部分、人との付き合いに国境は関係ないことが描かれており、誇らしくも感じた。
偽装結婚
2022/12/15 09:22
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投稿者:井端隕石 - この投稿者のレビュー一覧を見る
偽装結婚の話が非常に面白かった。あまり詳しく書けないが、おいおい三鬼のオッサン、んな話あるわけねぇだろ(笑)と。
神戸について
2019/12/31 22:27
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投稿者:いろは - この投稿者のレビュー一覧を見る
森見登美彦さんの帯に惹かれて購入した。俳句については全く無知であるので、西東三鬼という俳人のことも京大俳句事件のことも初めて知った。私は神戸生まれでも神戸育ちでもないが、近くに住んでいることもあり、幼いころから三宮や元町をよく知っている。ページを読み進めていくうちに、そのよく知っているはずの町並みが知っているようで知らない町のようにも見え、いや、やっぱり知っている町だとも思え、迷い道にはまりこんだような不思議な感覚を味わった。「神戸」を神戸市という意味では使っていないのも、神戸市民ではない私の感じ方に合ったのかもしれない。
混沌と豊穣、戦時下なのに
2019/12/13 21:16
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投稿者:しゅんじ - この投稿者のレビュー一覧を見る
全く知らない俳人の作品に書店の店頭で出会って購入。森見さんの帯が無ければ、あるいは「千一夜」の文字が無ければ手に取らなかったかも知らん。やっぱり関西、特に神戸は違うなあ。戦時下でもこの混沌。貧困と豊穣。自由を我等に。もう一度頭から読み直そうかな。それに比べると、自由になった後の「続神戸」の方が苦く、喪失感があるのはなぜ。波子さんはどこへ行ったのか。そして広島のゆで卵のシーンが怖い。
現代人にも読んでいてパワーを与える、戦時下でも自由に生きた人々
2020/08/02 07:05
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投稿者:日曜日 - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦中戦後の混乱期に生きる為、神戸で働く女たちは強く逞しく、貧しいながらも生き生きとしていた。その女たちに翻弄される男たちは意地らしく、それもまた運命と受け入れた。他では居場所の無いであろう、異国の人々は混乱極まる神戸という町に溶け込み、やはり生きる為に飄々と滞在する。
そこに生きる人々は力強く、自由を愛し、縛られることを嫌った。
今まで読んだ戦時下の日本を題材にする作品のどれとも違う、圧倒的なパワーがこの作品の登場人物にはある。
そして、西東三鬼もそのパワーに揉まれたことで生きる力を貰ったのではないか。