卑弥呼の葬祭―天照暗殺―(新潮文庫)
著者 高田崇史
高千穂の夜神楽の真っ只中で男性の首なし死体が発見された。一方宇佐神宮では御霊水の井戸に禍々しいものが……。その九州で「卑弥呼の調査に行く」と言ったまま行方不明の従弟・漣を...
卑弥呼の葬祭―天照暗殺―(新潮文庫)
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商品説明
高千穂の夜神楽の真っ只中で男性の首なし死体が発見された。一方宇佐神宮では御霊水の井戸に禍々しいものが……。その九州で「卑弥呼の調査に行く」と言ったまま行方不明の従弟・漣を追う萬願寺響子。実在する凶首塚古墳、百体神社の謎。奇妙な天岩戸伝説と隠蔽された事件とは。そして天皇家が鎮魂の儀式を続けてきた真の理由とは。この国の黎明に何があったのか。瞠目の古代史ミステリー。
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QEDファンにお勧め出来る(タタルさん登場)
2022/09/25 20:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ルリノツキ - この投稿者のレビュー一覧を見る
漣と響子のいとこコンビが事件に巻き込まれるミステリー
本来世界線はQEDとは違うのですが
タタルさんが出て来て例のごとく語ってくれますので、途中からQEDのスピンオフのような仕上がりになっています
最後の数十頁はQEDのおさらいのように良くまとまっていて圧巻です
その為、事件そのもののミステリーについては少々線が細いですが、歴史的ミステリーとなると胸熱です
歴史ミステリーは毎回フィクションだと巻末に記載されていても
真実に近いか、とんでも説かに力点を置き過ぎる読み手があるように感じます
その点は千人千様ある考えがあって然りで、ご自身とズレがあっても
そこは歴史検証第一ではなく、小説ミステリーとしてまずは楽しんで頂けたらなぁと思います
QEDファンには是非ともお読み頂きたいです
今までちょっとだけ姿を見せていたあの男がついに
2019/06/28 12:08
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけとり - この投稿者のレビュー一覧を見る
単行本でも読んだけど、文庫本が出たので購入。表紙絵はこっちの方が好き。
QEDと同じ世界で(時系列的には最終回後かな?)、別のキャラが主人公のシリーズ。なので某キャラが今まではゲスト扱いだったけど、今回はすっごい出張っているというw
殺人事件の謎というよりは、神話や古代史(で起きた殺人事件)の謎を解明する話なので、そっち方面のウンチクが読みたい人にオススメ。
古事記の天岩戸シーンになんとなーく違和感があったので、それらが全てすっきり解明されていて、ナルホドと。あと古事記の神々の関係と、邪馬台国はどこにあったのか説も面白かった。やはり魏に使者を送った国とのちの大和朝廷は別の国…だよねえ…
卑弥呼の葬祭
2021/09/27 13:15
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:渡り鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る
高千穂の夜神楽の殺人事件から続く連続殺人事件を取り扱った
推理小説。が、松本清張やアガサ・クリスティばりのトリック,動機を
期待するなら、少し物足りない。天岩戸伝説始め神話の香りがプンプンし、
そこに興味や関心をお持ちの方にとっては、それなりに面白いかもしれない。
ネタバレになるので、詳細のあらすじは、割愛するが、作者による歴史(神話)の
かなりユニークな解釈で話が進む。歴史に新解釈を取り入れると言う観点から
加治将一も同様の手法でダイナミックな歴史の仮説を立てる。坂本竜馬をフリーメーソンであったとの仮説や幕末の著名な写真である『フルベッキの写真』に新解釈を取り入れたりで通説と違う歴史観を提供する。今回の作品は、幕末のような近い時代ではなく、天照大神や卑弥呼の時代であり、大昔だけに通説との振れ幅も相当に大きく、『ほんまかいな?』と中々、共感できないが、そのような仮説を絵物語として聞く分には、それなりに面白い。
物語の冒頭の高千穂の夜神楽のシーン。夜神楽から話が進んでいく。
作家の阿刀田高が世界の古典を初心者向けに解説本と言うかエッセイを何冊か出しているが結構、面白い。『ギリシャ神話』や『旧約聖書』や『千夜一夜物語』等。彼の『古事記』のエッセイで高千穂の夜神楽を体験したとのレポートがあり、興味深く読んだ記憶がある。天岩戸の故事をモチーフに天照大神に捧げる神楽であるが、それが、現代に至るまで受け継がれていると言う,宮崎県の高千穂の民家で皆で場所を融通して33番の神楽を夜を徹して奉納すると言う。軽く1000年以上続いている
と言う事にまず、驚く。また、かなり長いし、且つ、夜通しと言う事もあり、退屈になりかけた時には少しお色気も出たり、ドタバタもあったりと言う事でそれなりに盛り上がるとの事。
この夜神楽の一つのテーマに天岩戸神話がある。この本では極めて重要な神話につき、少し紹介。天照大神の弟のスサノオが乱暴、狼藉が激しく、とうとう、姉の天照大神は、天岩戸の中に閉じこもる。天照大神が太陽の神様であり、天照大神が岩に閉じこもると世の中の光が遮られ真っ暗になる。困った八百万の神々が集まって、対策会議。オモイカネの発案で、天照大神を翻弄する諸施策を展開。特にアメノウズメの卑猥な踊り。八百万の神々は大いに盛り上がり、大爆笑。天照大神は、自分が岩に籠って、世の中が真っ暗なのに、このドンチャン騒ぎは何だと少し岩をこじ開け外を見る。鏡を天照大神の前に出し、鏡に映った自分を見て、他の尊い神か
と訝しがる。そこで力持ちのタジカラオが岩をこじ開ける、天照大神を外に引っ張り出す。そして岩の入り口に注連縄(シメナワ)を張り、二度と中に入る事ができないようにした。 以上が天岩戸伝説。この作品は、冒頭、これをモチーフにした夜神楽の最中に殺人事件が起こる。謎解きを通じて神話議論になるが、この天岩戸神話が核心的なキーワードとなる。
齟齬
2019/08/30 01:17
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
デビュー作からわりと高田作品は読んできたけれど、
今回ほど自分の支持する説と齟齬が出たのは初めて。
間違いなくおかしいのが武内宿禰の扱い。
神功皇后と共に朝鮮に遠征したとされる人物を
九州の隼人側に位置付けるのはちょっと理解ができない。
それから神功皇后。
朝鮮遠征をあったこととするなら、
九州にあった勢力となんの諍いもなく朝鮮に向かえたとは考えにくい。
高田説に乗っかるとその記録はどこ、となるし、
神功皇后の時代には九州はすでに勢力下だった、ということなら、
はるばる近畿から皇后ともあろう人が出張る必要を感じない。
加えるなら宇佐の地は東側の勢力と向かい合うには防御力がなさ過ぎる。
今回はヤマト(奈良盆地勢力)の成立過程をすっとばしたことが、
このどうにも乱暴に感じる説につながった気がする。
自分の支持する説では神功皇后=トヨであって、
卑弥呼→トヨの流れは宗女ではなく政権交代。
卑弥呼=九州勢力は東の脅威=ヤマト政権と対抗するため朝鮮と接触。
しかし抵抗むなしくヤマトに敗北。
ヤマト政権は神功皇后を卑弥呼の後継者と称して朝鮮側と再接触。
ところが奈良に残った勢力が神功皇后=トヨが力をつけることを恐れ裏切り。
新・九州勢力=神功皇后は奈良からの刺客に追われ日向へ(天孫降臨)
その後伝染病に悩まされたヤマトがこれを神功皇后の祟りと考え、
その子孫を迎え入れようと画策した事件を神話化したものが神武東征。
神武東征を「なかったもの」とまで言ってしまった高田説よりは
信頼できる説だと思うのだけれど。
最後に、
アマテラスは藤原氏が持統天皇の神格を保証するために作り上げた神である、
という説はそれなりに有名だと思うのだけれど、今回はまったく触れなかったな。
いとこ探偵シリーズ
2022/02/22 06:03
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズものだけど、今回は、卑弥呼を舞台に、作者の説が紹介されている。確かに、小説、フィクションというかたちならば、好き勝手にどんな解釈も可能ではあります……が、ー。以前に読んだ高木彬光、「邪馬台国の秘密」ほど作者の説は説得力なかった、
ミステリー
2019/09/04 15:53
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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリー要素が、しっかりしているので、最後まで、結末が見えないから、楽しかったです、少し不気味な要素もあってゾクっとした。