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  • カテゴリ:一般
  • 販売開始日: 2020/01/10
  • 出版社: 宝島社
  • レーベル: 宝島社文庫
  • ISBN:978-4-7966-8089-9

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一般書

電子書籍

連続殺人鬼カエル男

著者 中山七里

マンションの13階からフックでぶら下げられた女性の全裸死体。傍らには子供が書いたような稚拙な犯行声明文。これが近隣住民を恐怖と混乱の渦に陥れる殺人鬼「カエル男」による最初...

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連続殺人鬼カエル男

税込 660 6pt

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連続殺人鬼カエル男 (宝島社文庫 このミス大賞)

税込 660 6pt

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商品説明

マンションの13階からフックでぶら下げられた女性の全裸死体。傍らには子供が書いたような稚拙な犯行声明文。これが近隣住民を恐怖と混乱の渦に陥れる殺人鬼「カエル男」による最初の凶行だった。警察の捜査が進展しないなか、第二、第三と殺人事件が発生し、街中はパニックに……。無秩序に猟奇的な殺人を続けるカエル男の正体とは?どんでん返しにつぐどんでん返し。最後の一行まで目が離せない。

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みんなのレビュー767件

みんなの評価3.8

評価内訳

紙の本

惨たらしさがよかった

2020/02/25 21:22

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:4mh - この投稿者のレビュー一覧を見る

どんな死体も惨たらしくて、文字だからこの話を読めるのだなと思いました。次はどんな風に...?と期待してしまうじぶんがいました。

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紙の本

カエル男

2018/10/08 13:56

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ぽぽ - この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトルと表紙から、ふざけているのかとも思われるかもしれませんが内容は本当に、ちゃんとしています。読んで絶対後悔しない。

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紙の本

「このミス」受賞一歩手前だったの??

2015/06/06 09:01

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:papanpa - この投稿者のレビュー一覧を見る

「このミステリーがすごい」大賞受賞一歩手前だったそうですが、本当ですか??

題名から想像したシリアルキラー的面白さもなく、さらに中盤以降くどい暴力が長く、読むのがしんどかった。

楽しめましたかと聞かれたら、個人的にはウ~ン・・・。

褒めてる人が多いようですから、私の感性がずれているのかな?

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電子書籍

どうでしょうか……

2023/01/04 18:34

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る

中山七里さんのミステリーは、どんでん返しにつぐ、どんでん返し……といった面白さが満載なのですが……。この作品は、というと、どんでん返しよりも、殺害方法の残忍さとか、暴力シーンとかに目を奪われて……。スミマセン評価1で

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紙の本

ちょっと違和感が。

2011/05/24 09:58

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る

以前同じ作者の「さよならドビュシー」という作品を読んで、クラシック音楽が好きという事もあって私的にとてもツボだっただけに、本作品も期待大で読ませて頂いたのだけれども…ちょっと違和感を感じてしまったか。
連続殺人鬼、しかも不特定の対象を狙った殺人者を題材とし、その地区に住む市民のパニックなどを描いている本作品。犯人像に関するミスディレクションや重なるドンデン返しも配置され、テクニック的には十分な盛り込みがされていたと思うのだけれど。
何だか暴力シーンが妙に長く細かく描写されたりするのはどうかと感じた。物語後半3分の1はそんなシーンだった印象。それも危機一髪のハラハラドキドキのバイレンス!というよりも、何か繭をひそめたくなるような異様な感覚を覚える。サイコサスペンスにそういう描写は付き物とは思うけれど、どうも暴れている側が逐一狂気じみていて、その暴れ方が気持ち悪い。例えば現代日本において、地域住民が蜂起して警察署を襲い暴れまくる、というような描写はやはり何だか現実味を感じないし、目の色を変えて婦人警官にまで襲い掛かる、なんていうのはちょっとどうかなと感じてしまう。
フーダニットやハウダニットを存分に味わう、という感じでもなく、命に対する情念をとことん募らせた物語という感じでもなく、どこに重点を置いていいのかちょっと掴めないまま終ってしまった。

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紙の本

衝撃的なタイトルほどの派手さはないけれど、そこそこ読ませる因果応報のお話。

2011/07/11 11:26

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ハジメマシテの作家さん。『さよならドビュッシー』と一緒に購入したのだけれど、この衝撃的なタイトルが気になって先に手に取った。

が、内容はタイトルから期待したものとは違った。もっととことん衝撃的なストーリーを期待していたのだけれど…その点はちょっと残念だった。

端的に要約すると、因果応報のお話(読んだひとなら納得の四字熟語だと思う)だ。そこに刑法39条が絡む。

文章は、正直好みではない。そして39条を題材にした物語も、好きではない。だけど、次々起こる事件引き込まれ、次々とページをめくってしまった。

先にも書いたが、本書は因果応報のお話だ。それも、どこまでも追究された因果応報。そして自業自得、のお話とも言えるだろう。この主題の持っていき方が、すごく好みだった。

全体的に見て、すごくお上手というわけではない。ところどころ小さな我慢をしながら読んだ箇所もあった。だけど、ラストの数行はサイコーに興奮した。そしてこのラストのどきどき感を味わうためには、きちんと初めから読まなければならない(よかった、ちゃんと読んで)。

荒削りな部分も多いけれど、今後に期待するとして、他の作品も読みたくなった作家さんである(期待値はだいぶ下げたけれど)。

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紙の本

盛りだくさんのミステリ

2022/08/24 06:39

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:lucky077 - この投稿者のレビュー一覧を見る

読者をミスリードしてのドンデン返しあり。設定が凄くて、そんなのアリか?と思った。弁護士の御子柴シリーズと関連する部分もありお腹いっぱい、盛りだくさんです。刑事 古手川の成長も描いています。

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電子書籍

一気読みしました。

2020/08/02 15:10

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:テルテル坊主 - この投稿者のレビュー一覧を見る

ミステリーはこの作者の本がきっかけで読むようになりました。
中山七里さんの作品はこれで3冊目です。
グロ過ぎるシーンは早読みしました。ちょっと苦手でした。
続巻が気にはなりますが、多分事件のエグいシーンを読むのが無理と思うので、次はまた、別の作品を読むと思います。

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紙の本

サイコキラー、って厭ですよ。でも、最大の問題は、殺人を犯してもそういう人間がすぐに社会に出てきてしまうこと。そういう人間をどう扱うべきか、これは今の社会が突き付けられている大変難しい問題なんです。それにしても因果は巡る・・・

2011/12/12 19:20

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

まず、トヨクラタケルのイラストが不気味です。いや、全体的な雰囲気は宝島社らしくない素敵なものなんですよ。特にカバーのイラスト部分、タイトル部分、そして下の部分の分割の仕方。モンドリアン、とまではいいませんが、この比率にするまでの努力というのは大変だったろうな、いや才能ある人だったらあっさり決めたかな、なんて思うほどで、正直今までの高柳雅人からは想像できないほどいい出来です。

でです、この本、最初はオリジナルなのか迷いました。本の頭にも書いていないし、奥付にも記載がありません。初出も出ていない。ついでに書けばカバー後の内容紹介にも
       *
口にフックをかけられ、マンショ
ンの13階からぶら下げられた女
性の全裸死体。傍らには子供が書
いたような稚拙な犯行声明文。街
を恐怖と混乱の渦に陥れる殺人鬼
「カエル男」による最初の犯行だっ
た。警察の捜査が進展しないなか、
第二、第三と殺人事件が発生し、
街中はパニックに……。無秩序に
猟奇的な殺人を続けるカエル男の
目的とは? 正体とは? 警察は犯
人をとめることができるのか!?
       *
というように、「書き下ろし」とも「待望の文庫化」とも書いていない。でです、茶木則雄の解説を読むと、そこに初めて
                   *
今回、『災厄の季節』が『連続殺人鬼カエル男』と改題されて世に出ることで、この年の最終候補作七作中なんと六作が出版される運びとなった。まさに大豊作の年度だったのである。
                   *
とあります。ま、考えてみればデビュー作が『さよならドビュッシー』で、『おやすみラフマニノフ』が第二弾、いくらなんでも連載作品をもっていたはずがないので、文庫化という線があり得ないとすれば、この『連続殺人鬼カエル男』は書き下ろしか、書き溜められた習作に手をいれたものか、となるわけです。

無論、人によっては中山が第8回『このミステリーがすごい!』大賞を『さよならドビュッシー』とった時に、同時に応募し、ともに大賞候補となった『災厄の季節』がこの作品かと思ったかもしれません。かくいう私もそう思いはしました。でもね、普通、『災厄の季節』が『連続殺人鬼カエル男』にはならないですよ。

ま、私の常識的な感覚ではあるんですが、北野勇作じゃないんだから、カエルはないでしょ、なんて思う。ま、北野は今のところミステリではなく超常SFを書いているわけで、勘違いすることはないんですが、でも中山七里が『連続殺人鬼カエル男』とはね、『さよならドビュッシー』『おやすみラフマニノフ』が泣くだろ、なんて思います。それにしてもどう読んでも中里介山でしょ、って思ったり。

それはともかく、改題の件はやはり解説で触れるだけじゃなくて、奥付や扉の裏、或いは目次、もしくは最終頁に書くのが礼儀だと思うんです。特にここまで原題とかけ離れたものにする場合は。大した手間じゃないし、コストだって変わらないでしょ。こういうところの礼儀、っていうか作法は出版界としてきちんとルール化すべきだと思うんですよ、読者のために。はい。

このひとが主人公だと思っていたら、名前がはっきりしないし、どうも影の主人公かな、というのが埼玉県警警部、渡瀬です。では、だれが表の主人公かといえば、熱血漢の古出川和也ということになります。でも、物語の陰にどっしり構えているというのは渡瀬。ともかく、現場にいるのが好きで、物知りです。行動派の部下にに対し、知性と経験、読みの凄さで圧倒的な上位に立つが、決して驕ることなく、古出川とは違った意味で熱血漢ともいえる面白いタイプの男性です。

古出川和也は、その渡瀬の部下で、20代半ば。ともかく動き回ります。ともかく殺し方が残酷で、スプラッター嫌いの私は閉口しますが、容疑者が浮かび上がる。児童虐待、DVといった今では当たり前のように使われる言葉が、重みをもってきます。でも、和也との関連で言えば、やはり有働母子の存在が大きくて、物語が終わったあともいつまでも彼らのことが頭から離れません。

有働さゆりは35歳になる美貌の保護司で、一人息子で小学三年生の真人と二人で暮らしています。彼女が面白いのは、精神的疾患のある人間をピアノ演奏を通じて治療しているという点です。で、今、その治療を受けているのが当真勝男とい18歳の青年です。勝男は四年前、14歳の時に近所に住む幼女を監禁、暴行したうえ殺害した少年で、三年後に保護観察の対象となっていて、受け持っているのが、さゆりです。

ここで扱われるのは、精神を病んだ犯罪者を、社会はどのようにして受け容れるべきか、そしてDVから女性もですが、子供をいかに守るか、といった現代が抱える重く悩ましい問題です。放置すれば、事件や犯罪が起きる。解決しようとすれば、心や家庭という密室化した、真偽の見え難い世界に立ち入らざるをえない。でも、なかなか真実が見えない。

可愛らしいタイトルと、滑稽味のあるカバーに騙されると、思いもかけぬ重い荷物を背負わされます。心して読みましょう。

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紙の本

ミステリとしてもサイコキラーものとしても優れている。これぞ大型新人!!

2011/06/02 17:40

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:チルネコ - この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトルの付け方や装丁のナイフを持って佇むカエルなどから、少しチープでユーモア炸裂ファルス満載の類かと思ってしまったがなんのその(一瞬バカミスかな?とも思った)。装丁買いしたらまず期待を裏切られてしまうような、残酷残虐暴力的極まりない内容となっている。それはのっけからその危ないテンションで、新聞配達人がマンションで口にフックを掛けられた女性の死体を発見するところから始まるから、ページを捲って早々に寒気がしてくるだろう。だがこれも単なる事件の一つにすぎず次々と無残な死体や暴力的で目を背けたくなる描写などが矢継ぎ早に繰り出されてくる。自分のモラルに大風呂敷を被されて盗まれそうな感覚に陥る感じすらした。

いくつか殺人があって死体の描写があるのだが、それが一つ一つなかなかにグロテスクでいちいち惨たらしい。これは作者の描写が酷さを文字へと抉り出すのが上手いからなんだろうが、圧巻はカエル男と○○○の格闘シーンである。ここが本書の最大の見所といってもいいくらい凄まじく壮絶な暴力劇が繰り広げられるから、読んでるこっちが痛くなってきても目をそむけるのはもったにない。○○○はこの前にも顔の形が変わるほどボコボコにやられてるのに作者も人が悪いなぁ(苦笑)サイコキラーものとしてホラーファンも受け入れられるほどのものはあったと思っている。

だが本書はミステリの賞を受賞しているのであるから、そこにも注目するとこれもまたなかなか優れているのだ。斬新な真相をガツンと読ませるというよりも、既存の手法を畳み掛けてくるようなミステリ的手法。煽りすぎな感もあるが帯にある「どんでん返しにつぐどんでん返し」というのもあながち否定できないほど、真相が二転三転するから新人らしからぬ構成力とアイディアを認めざる終えないだろう。この多重構造は感嘆だ。最後の1行のセリフにはここまで繋がっていたのかという驚きと、読者感情をもやもやで終わらせない配慮に頭が下がる。

タイトルにあるのでこのカエル男がサイコキラーだというのは察知してると思うが、ここに犯罪心理や音楽療法などいろんな要素がからんでくるが一番重要視したいのはなんといっても刑法39条のくだりだろう。39条1項は「心神薄弱者ノ行為ハコレヲ罰セズ」だと思うが、これがいろんなところに絡んで社会的要素も入ってくるのだ。だが個人的に注目したのは作者がさらっと述べた意見。「心神喪失は責任能力がないというが、そういう者が手をかけるのは老人や女性や子供ばかりであり、それは弱者という区別がついているからである」というような箇所。こういう思考をしたことがなかったのだが、確かに的をえてると思う。弱者しか手にかけないということは、女子供が男の自分よりも力のない弱者ということを判断できているということだ。それが意識的でも無意識であっても、その判断は自分の中で下せているということは、即ち殺人行為の有無も自己で判断できているのではないか?ということなのだ。大人になる過程で動物などへの残虐行為で殺傷する感覚に慣れたり麻痺しても、それが判断力の喪失になるんだろうか?そもそもなぜ小動物から殺めるのか?だ。他に心神薄弱についての解釈はあるのだろうし責任能力の有無も難しい問題だろうが、作者の意見には一理あると意見として心に残った。

またほかにも作者は「人一人を殺めた人間が心神喪失という理由だけで刑罰を免れるのはやはり間違っている。病気が治ってから改めて裁判を受けそしてしかるべき処罰を受けるべきだ。裁判を受けるのは権利であり、罰を与えられて罪を償うのも実は義務ではなく権利なのだ。三十九条という法律は患者を救うのではなく、患者からその権利を奪うものではないか、と。そういう考え方もあるのです」というような文章も披露していて、注目すべきはホラーやミステリとしてだけでなく、こういう発言にも鋭いものがあるなとも思う。

もちろん完璧な作品ではなくて、疑問に思ってしまう点もいくつかある。それがまず暴動の部分。確かに猟奇的殺人で市民がおののくのは理解できるが、殺人事件で「次は自分かも?」と思うだけであのような暴動に至る群集心理が果たして働くのだろうか?曲がりなりにも忍耐強いと評される日本である。暴動という行為にリアリティがないのではなくて、作者の暴動への契機や要因の薄さゆえにリアリティがない。もし暴動まで繋げるならば、もっと大それた考えられない引き金を作るべきで、読者に伝わらない集団心理は脆弱だったのではないだろうか。また、ナツオのくだりもこれじゃあミスリードされない。もう使われすぎてて推測できちゃうので気をつけていただきたい(笑)

少しだけ難点を挙げたが総じてこの作品に対する僕の評価は高い。ミステリとしてはもちろんサイコキラーものとしても。またなんといっても作者の諸問題に対する率直な意見にも好感を持てたのだ。また~ドビュッシーや~ラフマニノフを書いた著者らしさも少しだけある。この作品を読む暁にはベートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番 『悲愴』。できることならアシュケナージの演奏のものをBGMにどうぞ。なんでかって?読めばわかるさ(笑)

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紙の本

どんでん返しの連続!

2021/08/28 14:29

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:はなこさん - この投稿者のレビュー一覧を見る

ストーリーは間違いなく面白かったが、とにかく暴力シーンが長すぎる。
3回ハードな暴力シーンが出てくるが、大量のページを割いていて、まだ続くの…とややうんざり。
中山七里さんの他のシリーズと同じ世界線で繋がっていて、別のシリーズの登場人物がよもや犯罪に関わっているわけがない、という先入観で、途中まで犯人が見えなかった。
全く先入観なしで読むと、早々に犯人が分かってしまうのでは!?
続編があるみたいなので、読むのが楽しみ。

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紙の本

さすが、中山七里!

2016/03/02 12:03

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:Shaoya - この投稿者のレビュー一覧を見る

あらすじを読んで、ちょっと敬遠してたのですが、やっぱり読んでしまいました。
ストーリーの構成はさすがです。
読むのを止められません。
ただ、殺人鬼なだけあって、かなり生理的には拒絶反応がありました。

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紙の本

驚き

2023/07/19 00:24

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:MR1110 - この投稿者のレビュー一覧を見る

中山氏のこのタイプの作品を初めて読みました。御子柴礼司シリーズや岬洋介シリーズが好きで読んでいました。さまざまな作品の書評で全く異なる種類の作品を書ける作家と評されていたのがよくわかりました。

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紙の本

面白くはあったけど

2023/03/04 23:28

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:いしかわ - この投稿者のレビュー一覧を見る

叙述トリック部分はわかりやすかった。
途中このシーンこんなに長々と書く必要ある?という気持ちになった。

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紙の本

怖い

2022/04/11 11:29

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちょびリッチ君 - この投稿者のレビュー一覧を見る

凄い作品でした。
なかなか精神的に来るところもあります。
こんなふうに人を操っていくんだって
後味は悪かったですけど
面白かったです。
TVシリーズ見とけばよかった。

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