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2020/11/04 12:42
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投稿者:冷たい雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
奥田作品にはそれぞれ感情移入しやすいキャラクターが設定されている事が多く、今回もなかなかのいい奴達でした。ニールは一見だらしなさそうな感じですが、心の底にある刑事魂を感じさせるいいセリフもちりばめられておりお気に入りの一人です。あまりに昔すぎて東京球場ってものがあったのかと歴史の勉強にもなりましたw
紙の本
奥田英郎の犯罪小説の傑作のひとつだ
2020/02/24 20:15
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投稿者:まなしお - この投稿者のレビュー一覧を見る
東京オリンピック前年の1963年が舞台である。著者には「オリンピックの身代金」という、これも東京オリンピックが舞台となった小説があるが、これとは関係ない。そもそも東京オリンピックがあるからどうこうという話ではない。吉展ちゃん事件というのが下敷きになっているという噂だが、よく知らないので関連性はわからない。登場人物それぞれの内面が良く描かれていて、緊迫感がある。岡田英郎の犯罪小説の傑作のひとつだ。
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投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
犯人と刑事の息の詰まるような追跡劇が臨場感あふれる文章で表現されています。誘拐殺人事件の犯人なんだが、なんとなく憎しみがわきにくいという設定に引き込まれてしまった。
紙の本
軽快な物語。
2020/07/12 09:21
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投稿者:ビリー - この投稿者のレビュー一覧を見る
とても読み易く、面白い小説でした。
難を言えば、主人公以外の主要サブキャラとでもいうべき人物、若手刑事や旅館の娘、などの描写が(特に後半にかけて)薄く、アッサリとした感じがしました。
ただしそれはストーリーの展開スピードとの兼ね合いで、仕方のない事なのかもしれませんが。
元になったと言われる事件を知らず、どの程度の肉付けをされた小説なのかわからないので、どこまで著者の腕なのかは判断できませんが、面白く、読み易く、読み進める手が止まらない類の小説、なのは間違いないと思います。
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東京オリンピックの前年に実際に発生した誘拐事件をモデルにした作品。犯人の行動について読者として知っているはずなのに、犯人の言動が読めなくて、それが不気味で悲しく感じた。
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刑事たちの執念の捜査×容疑者の壮絶な孤独――。犯罪小説の最高峰、ここに誕生! 東京オリンピックを翌年に控えた昭和38年。浅草で男児誘拐事件が発生し、日本中を恐怖と怒りの渦に叩き込んだ。事件を担当する捜査一課の落合昌夫は、子供達から「莫迦」と呼ばれる北国訛りの男の噂を聞く――。世間から置き去りにされた人間の孤独を、緊迫感あふれる描写と圧倒的リアリティで描く社会派ミステリの真髄。
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587ページという大作である。だが、終始飽きさせず、次の展開を知りたくてページを繰る手が止まらなくなる。帯の惹句を見ただけで、あの事件がモチーフなのだろうということは判るが、大枠は別として、細部はまったく別の物語である。そして、何より興味深いのは、早い段階から真犯人と目されながら、さっぱり捉えどころのない宇野寛治のことである。罪の意識があるのかないのか、嘘をつくつもりがあるのかないのか、善悪の判断がつくのか憑かないのか、知能犯なのか莫迦なのか。寛治の行動のひとつひとつが、どれをとってもちぐはぐで、ひとつの人格に収まり切らない印象なのである。それゆえになおさら、寛治のことを知りたくて、先を急ぎたくなるのである。舞台となった時代背景も現在とはかなり違うので、今なら到底許されないだろう差別的な言葉も多用されるが、その時代の混沌をよく表しているとも思える。やりきれないことだらけの事件だが、通い合った情も確かにあったのだと、ほんの少し救われた気もする。とても重いが興味深い一冊だった。
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幼少の頃、継父から虐待。当たりや。脳の記憶障害。
空巣で捕まり。少年院。出所後、母の故郷礼文島で漁師
空巣を始めた。悪い男に、ばらすと脅された。
男が放火に見せかけその間に網元に家の金庫から金品を盗めとそそのかされる。船で逃げる。燃料がない。盗品と金も入れ替えされていた、騙されたのがわかった。泳いで本土に到着。空巣をしながら東京へ。
事件にまきこまれながら、逃げる。
子供の誘拐を思いつく。殺してしまった。ストリッパーの彼女も殺してしない逃げる。逮捕されるが自白しない。
ストリッパー殺しを自白。他の場所に移動中、トイレの窓から逃げた。継父が札幌で生きているのを弁護士が教えた
殺しに行く。青函連絡船で刑事に逮捕。
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読んでて苦しかった。
内容が重かった。
もちろん面白いのは言うまでもなく。
最後の最後まで緊張感があった。
しかし寛治は莫迦ではないよね・・
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東京オリンピックを翌年に控えた昭和38年。豆腐屋の子供が誘拐される。犯人は初めから分かっている。犯人の心理、追い詰める刑事。当時の山谷や浅草、新宿。警察の中のナワバリ意識。
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世間から置き去りにされた人間の孤独を緊迫感溢れる描写と圧倒的なリアリズムで描く社会派ミステリーの真髄。
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【要旨】浅草で男児誘拐事件が発生し、日本中を恐怖と怒りの渦に叩き込んだ。事件を担当する捜査一課の落合昌夫は、子供達から「莫迦」と呼ばれる北国訛りの男の噂を聞く――。
久しぶりに分厚い重厚な内容の本をイッキ読みした。
それだけ先が知りたくてページをめくる手が止められなかった。
昭和39年の東京オリンピックが開催される1年前の話
時代背景が物語る地方格差、収入格差、差別
小さな子供が巻き込まれる話はフィクションだと分かっていても読むのが辛い。
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奥田英朗の久しぶりの長編小説。最後まで目を離せない展開なのは相変わらずだけど、イマイチ消化不良な最後かな。東京オリンピック2020に合わせてなのか、「オリンピックの身代金」と同様に時代はは56年前の東京オリンピック前年、昭和38年(1969年)、舞台は東京。物語りの始まりは日本の最果て、北海道利尻島。1人の哀れな青年が利尻島から流れ着くまま舞台を東京へと移し、ある老人殺害事件を捜査する警視庁刑事課の面々たちと哀れな青年を主軸に物語が展開していく。実際に起きたある子どもの誘拐事件を下敷きにしているようだが、主人公の1人の青年の心のついてもうすこし掘り下げて欲しかった気がする。
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昭和ノスタルジーは奥田さんの得意分野だと思うが、今回は誘拐された子が亡くなってしまい(わかってはいたけど)、胸が痛んだ。
現代の話と思って読んでいると、「国鉄」「赤電話」で昭和に引き戻される、の繰り返し。
あっという間に読み終えてしまったが、途中やや間延びした感も。間延びというか、いろんなエピソードがてんこ盛りでやや中途半端な感じだった。
義父からの虐待の記憶が蘇り、本人的にはすっきりしたようだが、罪のない子をあっさり殺めたにも関わらず反省もない犯人をどう受け止めたらいいのかわからないのが残念である。
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東京オリンピックを翌年に控えた昭和38年。浅草で男児誘拐事件が発生…とあらすじにあったが、途中まで事件は起こらず、思わずあらすじを確認してしまった。
宇野寛治の人生の轍を綴っているのだが、淡々と進んでいるためか、なぜ誘拐に至ってしまったのかも弱い気がする。
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莫迦呼ばわりされながら礼文島で漁師手伝いをする空き巣犯の青年。元時計商の撲殺事件と小児誘拐事件。
容疑者、警察、やくざ、被害者、新聞記者など関係者のリアリティが圧巻。吉展ちゃん事件をモチーフにしているだけあって、誘拐事件捜査のバタバタ、東京オリンピック前年という時代背景も相まって濃密な描写のストーリーだった。
19-117