駒姫―三条河原異聞―(新潮文庫)
著者 武内涼
山形十九万石を治める最上義光の愛娘で東国一の美少女と称される駒姫は、弱冠十五歳にして関白秀次のもとへ嫁ぐこととなった。が、秀次は太閤秀吉に謀反を疑われて自死。遺された妻子...
駒姫―三条河原異聞―(新潮文庫)
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商品説明
山形十九万石を治める最上義光の愛娘で東国一の美少女と称される駒姫は、弱冠十五歳にして関白秀次のもとへ嫁ぐこととなった。が、秀次は太閤秀吉に謀反を疑われて自死。遺された妻子には非情極まる「三十九人全員斬殺」が宣告された。危機迫る中でも己を律し義を失わない駒姫と、幼き姫に寄り添う侍女おこちゃ。最上の男衆は狂気の天下人から愛する者を奪還できるか。手に汗握る歴史小説!(解説・縄田一男)
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書店員レビュー
こころつよくうつくしい少女の物語
ジュンク堂書店福岡店スタッフさん
不条理な戦国の世の物語。
最上義光の娘駒姫は十五。その美しさから関白秀次の側室に望まれ都の聚楽第へ。しかし嫁ぐ直前、秀次は天下人豊臣秀吉に謀反を疑われ自死。遺された妻子には非情な「三十九人全員斬殺」が宣告される。駒姫はまだ秀次に嫁ぐ前でありながら側室とみなされ処刑を待つ身となる。
父義光をはじめさまざまな者たちが駒姫を救うべく奔走するも、駒姫の状況は変えられない。読み進めるほどに秀吉の狂気がおそろしくなる。対してこの過酷な環境にあって駒姫の聡明なこころの強さとやさしさはわずか十五の少女とは思えないもので、父母に宛てた手紙には胸打たれる。
史実をご存知の方は駒姫の行く末を思い読むのをためらってしまうかもしれない。たしかに読後やるせなさはあるがそれよりも駒姫の心根の美しさが心に残る作品。
15歳で生涯を閉じた美しき姫の物語
2020/03/01 14:51
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タラ子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
東国一の美貌と称された駒姫。
女好きの豊臣秀次に見初められて嫁ぐことになったことで豊臣家の熾烈な兄弟争いに巻き込まれてしまう。史実をもとに描かれた本書は、はかなくも15歳で命を落とした駒姫の温かく気高い人柄と、それとは対象的に己の地位や権力にしがみつく醜い人間たちの策略渦巻く世界がまるでその時代にタイムスリップしたかのように伝わってきて、最後の最後まで手に汗握る展開ですぐに読み切ってしまった。
駒姫以外にも秀次の潔白を信じ、無念にも命を落とした正室や側室の女性たちにまたその子どもたち。愛しい相手を思いながら若くしてなくなった駒姫の侍女のおこちゃがいた。恐怖と無念で胸をいっぱいにして斬首された女性たちと残された者達の悲しみを思うと胸が張り裂けそうになった。
女、子どもまで容赦なく斬る卑劣で残酷な秀吉がおさめる世の中の閉塞感、絶望感もひしひしと伝わってきた。
この物語をきっかけに最上家がおさめていた山形県をぜひ訪れ、駒姫が眠るお墓に手をあわせたいと思った。
ネタバレです
2019/12/11 00:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルに異聞とあるから、
ちょっとエンタメ仕様の痛快な展開も用意しているのかと思ったけれど、
史実通りの鬱展開だった。
やたらとおこちゃの紹介が続くくだりは、
ちゃんと回収されるのかと心配だったけれど、
心配が的中した。
最後の展開がより悲しくなるようにしたかったのかもしれないけれども。
ときおり作者自身の視点からの解説や宣教師の日記からの引用などもあって、
小説という形に仕立てる必要があったのか、疑問。